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安全データシート
塩化第二クロム
作成日 2008年11月6日
改訂日 2014年3月31日
1.化学品等及び会社情報
化学品等の名称塩化第二クロム (Chromium (II) chloride)
製品コードH25-B-046(20B0372)
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限染色助剤、触媒

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H25.9.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
健康に対する有害性呼吸器感作性区分1
皮膚感作性区分1
分類実施日改定日 2008年11月6日
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分1
水生環境有害性 (長期間)区分1
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。
GHSラベル要素
絵表示健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性
注意書き
安全対策粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。−【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用しても良い
応急措置皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
漏出物を回収すること。
保管情報なし
廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名塩化第二クロム
別名塩化クロム(L) (Chromium(III) chloride)、 (Chromic chloride)、三塩化クロム
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)Cl3Cr (158.33)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号10025-73-7
官報公示整理番号(化審法)(1)-208
官報公示整理番号(安衛法)既存
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合呼吸が困難な場合には、新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
呼吸に関する症状が出た場合には、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合多量の水と石鹸で洗うこと。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合口すすぐこと。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:咳
眼:発赤
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
消火剤水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤棒状放水
特有の危険有害性不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
立ち入る前に、密閉された場所を換気する。
環境に対する注意事項環境への放出を避けること。
封じ込め及び浄化の方法及び機材回収・中和:漏洩物を掃き集めて密閉できる空容器に回収し、後で廃棄処理する。
封じ込め及び浄化方法・機材:水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。
二次災害の防止策:プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気:『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項粉じん、ヒュームの吸入を避けること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
取り扱い後はよく手を洗うこと。
飲み込みを避けること。
皮膚との接触を避けること。
皮膚と接触しないこと。
環境への放出を避けること。
接触回避情報なし
衛生対策取り扱い後はよく手を洗うこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
保管
安全な保管条件技術的対策:特別に技術的対策は必要としない。
保管条件:酸化剤から離して保管する。
冷所、換気の良い場所で保管すること。
容器を密閉して保管すること。
安全な容器包装材料情報なし

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度0.05mg/m3 (Cr(L)として)
許容濃度
日本産衛学会(2013年度版)0.5mg/m3 (Cr金属として)、0.5mg/m3 (Cr(L)化合物として)
ACGIH(2013年版)TWA 0.5mg/m3 (Cr金属、Cr(L)化合物として)
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
作業場には全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
保護具
呼吸用保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状固体
紫色
臭い情報なし
臭いのしきい(閾)値情報なし
pH情報なし
融点・凝固点1150℃ :HSDB(2013)
沸点、初留点及び沸騰範囲1300℃ (分解):ICSC(2004)
引火点不燃性:ICSC (2004)
蒸発速度(酢酸ブチル=1)情報なし
燃焼性(固体、気体)不燃性:ICSC (2004)
燃焼又は爆発範囲情報なし
蒸気圧情報なし
蒸気密度情報なし
比重(相対密度)2.87g/cm3 (25℃) :HSDB(2013)
溶解度温水に溶けにくい:HSDB(2013)
n-オクタノール/水分配係数情報なし
自然発火温度不燃性:ICSC (2004)
分解温度1300℃:HSDB(2013)
粘度(粘性率)情報なし

10.安定性及び反応性
反応性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる。
化学的安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる。
危険有害反応可能性情報なし
避けるべき条件情報なし
混触危険物質情報なし
危険有害な分解生成物情報なし

11.有害性情報
急性毒性
経口データ不足のため分類できない。
経皮データ不足のため分類できない。
吸入:ガスGHSの定義における固体である。
吸入:蒸気GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミストデータ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性データ不足のため分類できない。なお、本物質を特定した試験は行われていないが、三価のクロムをばく露した疫学、試験結果の多くでは、「陰性」という結果 (EHC 61 (1988)、ATSDR (2012)、PATTY (6th, 2012)) がある。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性データ不足のため分類できない。
呼吸器感作性呼吸器感作性:日本産業衛生学会はクロムを気道感作性物質「第2群」に分類している (産衛学会勧告 (2013))。この既存分類は本物質を明示していないものの、クロム化合物をも含むと考えられる。したがって、クロム化合物である本物質も呼吸器感作性を有すると考えられ、区分1とした。
皮膚感作性皮膚感作性: 日本産業衛生学会はクロムを皮膚感作性物質「第1群」に分類している (産衛学会勧告 (2013))。この既存分類は本物質を明示していないものの、クロム化合物をも含むと考えられる。したがって、クロム化合物である本物質も皮膚感作性を有すると考えられ、区分1とした。
生殖細胞変異原性分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性 (ATSDR (2012)、CICAD 76 (2009))、ラット腎臓のDNA損傷試験 (アルカリ溶出法) で陰性である (CICAD 76 (2009))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験では多くが陰性、哺乳類培養細胞及びヒトリンパ球を用いた染色体異常試験で陰性、陽性の結果が混在する (CICAD 76 (2009)、IARC (1999)、 ATSDR (2012))。また、培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性 (CICAD 76 (2009)、ATSDR (2012))、ヒト培養細胞の小核試験で陽性である (CICAD 76 (2009))。
発がん性ACGIH (1994) でA4 (金属及びCr (L) 化合物として)、EPA (1998) でD (クロム (III)、不溶性塩として)、IARC (1990) でGroup 3 (クロム (III) として) に分類されていることから、「分類できない」とした。分類ガイダンスに従い、区分を変更した。

生殖毒性データ不足のため分類できない。なお、CICAD 76 (2009)、ATSDR (2012) で雄ラットに経口 (飲水) 投与し、雄の生殖能、交尾行動に対する影響を調べた試験では、雄の体重、精巣の絶対重量、精嚢の絶対及び相対重量、包皮腺の絶対及び相対重量の減少がみられ、交尾行動では射精後潜時の増加、射精雄の減少、攻撃性の減少がみられた。しかし、妊娠数、着床数、生存胎児数に影響はみられないことが報告されている。発生毒性に関する情報はない。したがって、データ不足のため分類できないとした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)データ不足のため分類できない。
吸引性呼吸器有害性データ不足のため分類できない。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)藻類(セレナストラム)の96時間EC50=397μg/L(AQUIRE、2003)から、区分1とした。
水生環境有害性(長期間)急性毒性が区分1、金属化合物であり水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分1とした。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。
国際規制
国連番号3077
国連品名ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S.
国連危険有害性クラス9
副次危険
容器等級L
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報該当しない
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号171

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
化学物質排出把握管理促進法第1種指定化学物質
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
大気汚染防止法有害大気汚染物質
水質汚濁防止法指定物質
下水道法水質基準物質
労働基準法疾病化学物質
航空法有害性物質
船舶安全法有害性物質

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
<モデルSDSを利用するときの注意事項>
本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。