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安全データシート
硝酸カドミウム・四水和物
作成日 2008年11月06日
改訂日 2019年3月15日
1.化学品等及び会社情報
化学品等の名称硝酸カドミウム・四水和物
製品コードH30-C-065-MHLW
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限陶磁器着色剤,電池,カドミウム塩原料

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
H31.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分3
皮膚腐食性及び皮膚刺激性区分1A-1C
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性区分1
生殖細胞変異原性区分1B
発がん性区分1A
分類実施日
(環境有害性)
環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用
環境に対する有害性水生環境有害性(急性)区分1
水生環境有害性(長期間)区分1
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。
GHSラベル要素
絵表示どくろ腐食性健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有毒
重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷
重篤な眼の損傷
遺伝性疾患のおそれ
発がんのおそれ
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
 安全対策取扱い後は...よく洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
環境への放出を避けること。
 応急措置飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
特別な処置が必要である (このラベルの...を見よ)。注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
口をすすぐこと。
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当を受けること。
漏出物を回収すること。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性-

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名硝酸カドミウム(II)・四水和物
別名硝酸カドミウム・四水和物
硝酸カドミウム(4水和物)
Cadmium nitrate tetrahydrate
Cadmium nitrate, tetrahydrate; C.I. 77192
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)CdN2O6.4H2O (-)
化学特性 (示性式又は
構造式)
構造式
CAS番号10022-68-1
官報公示整理番号
(化審法)
情報なし
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び
安定化添加物
-

4.応急措置「2.危険有害性の要約」における応急措置も確認すること。
吸入した場合被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
直ちに医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。
皮膚を流水またはシャワーで洗うこと。
直ちに医師に連絡すること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
直ちに医師に連絡すること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状データなし
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別な注意事項データなし

5.火災時の措置
消火剤水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤(水素化炭酸塩を除く)、乾燥砂類
使ってはならない消火剤炭酸ガス、水素化炭酸塩の粉末消火剤
特有の危険有害性火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。
火災に巻き込まれると、燃焼を加速する。
加熱されたり、不純物が混入すると、爆発するおそれがある。
可燃物(木、紙、油、布等)を発火させるおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び
緊急措置
情報なし
環境に対する注意事項情報なし
封じ込め及び浄化の方法及び機材情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
安全取扱い注意事項使用前に使用説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
飲み込みを避けること。
皮膚との接触を避けること。
粉じん、ヒュームを吸入しないこと。
眼に入れないこと。
環境への放出を避けること。
接触回避情報なし
衛生対策情報なし
保管
安全な保管条件情報なし
安全な容器包装材料データなし

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度カドミウムとして0.05 mg/m3
許容濃度
日本産衛学会(2019年度版)許容濃度: 0.05 mg/m3、カドミウムとして
ACGIH(2019年度版)TLV-TWA: 0.002 mg/m3、レスピラブル粒子、カドミウムとして
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。
適切な呼吸器保護具を着用すること。
保護具
呼吸用保護具情報なし
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状固体(結晶)
無色
臭いデータなし
臭いのしきい(閾)値情報なし
pHデータなし
融点・凝固点59.5℃ : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)
沸点、初留点及び沸騰範囲132℃ : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)
引火点データなし
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
燃焼性(固体、気体)データなし
燃焼又は爆発範囲データなし
蒸気圧データなし
蒸気密度データなし
比重(相対密度)2.455 : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)
溶解度水 : 156g(無水物換算)/100g (25℃) : Lide (84th, 2003)
水 : 600g/L : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)
n-オクタノール/水分配係数データなし
自然発火温度データなし
分解温度データなし
粘度(粘性率)データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性火災に巻き込まれると、燃焼を加速する。
加熱されたり、不純物が混入すると、爆発するおそれがある。
可燃物(木、紙、油、布等)を発火させるおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
避けるべき条件加熱、不純物の混入、可燃物との接触
混触危険物質可燃物と接触禁止
危険有害な分解生成物データなし

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットを用いた経口投与試験のLD50 300mg/kg(RTECS(2004))から、区分3とした。
経皮データなし。
吸入:ガスGHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入:蒸気データなし。
吸入:粉じん及びミストデータなし。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性RTECS(2004)で、ウサギを用いた 24時間皮膚刺激性試験結果「Severe」から可逆的、非可逆的か不明であるため、区分1A-1Cとしたが、細区分が必要な場合は、安全性の観点から、1Aとした方が望ましい。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性皮膚腐食性/刺激性が区分1のため、技術指針に基づき眼に対する重篤な損傷/眼刺激性も区分1とした。
呼吸器感作性データなし。
皮膚感作性データなし。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
本物質自体の利用可能なin vivoデータが得られなかったため、カドミウム化合物全般(カドミウムイオンCd2+として)の情報を対象とした。
(1)、(2)より、水溶性の塩化カドミウムでは生殖細胞及び体細胞で陽性の報告が得られている。本物質の水溶解度の情報はないが、無水物と同様に水によく溶けると考えられることから、無水物と同様、区分1Bとした。カドミウム全般の知見ならびに本物質の水溶性を考慮し、区分を変更した。

【根拠データ】
(1)カドミウム(主に塩化カドミウム)投与後に、マウスの精母細胞とハムスターの卵母細胞に染色体異常、及びマウスの精子細胞における遺伝子発現の変化が生じたとの報告がある(ATSDR(2012)、IARC 58(1993))。
(2)塩化カドミウムをマウスに投与した結果、末梢血における用量依存的な小核誘発性、姉妹染色分体交換、染色体異常の頻度の増加が認められたとの報告、また、ラットに、一本鎖DNA切断の増加が認められたとの報告がある(EU-RAR(2007)、DFGOT vol. 22(2006)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。

【参考データ等】
(3)カドミウム(化合物は非特定)に職業的にばく露された作業者の末梢血リンパ球において小核頻度と姉妹染色分体交換頻度の増加が示されたとの報告や中国のカドミウム汚染地域の住民から採取したヒトリンパ球において小核頻度の増加、染色体異常の頻度と重度の異常例の割合の増加が示されたとの報告があるものの、相反知見も報告されている(ATSDR(2012))。
(4)In vivoでは、カドミウム(主に塩化カドミウム)を投与した優性致死試験は陰性であった(ATSDR(2012)、IARC 58(1993)、DFGOT vol. 22(2006))。
(5)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験、哺乳類培養(CHO)細胞を用いた染色体異常および姉妹染色分体交換試験で陽性の報告がある(NICNAS IMAP(Accessed Jan. 2019))。
(6)本物質の水溶解度の情報はないが、無水物の水溶解度は、1,560 g/L(HSDB(2012))である。
(7)EU CLPでは、本物質の無水物はMuta. 1Bに分類されている。
発がん性NTP(2005)でK(Cadmium and Cadmium Compoundsとして)、IARC(1993)でGroup 1(Cadmium and Cadmium Compoundsとして)、日本産業衛生学会で1(カドミウム及びカドミウム化合物として)と分類されていることから、区分1Aとした。
生殖毒性データなし。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)データなし。 なお、カドミウム化合物のヒトでの急性毒性としては「吸入暴露では化学性肺炎と肺水腫、経口摂取では急激で重篤な悪心、嘔吐、腹痛」(EHC 134(1992))がみられた。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)データなし。 なお、カドミウム化合物の慢性毒性としては「腎不全と肺気腫」(EHC 134(1992))、「高カルシウム尿, 血中燐酸濃度減少, 腎結石形成, 骨粗鬆症、骨軟化症」(CaPSAR(1994))がみられた。
吸引性呼吸器有害性データなし。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)甲殻類(ヨコエビ)の96時間LC50 = 0.005 mg/L (ECETOC TR91, 2003) から、区分1とした。
水生環境有害性(長期間)信頼性のある慢性毒性データが得られていない。無機化合物につき環境中動態が不明であり、急性毒性区分1であることから、区分1とした。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物特別管理産業廃棄物に該当する。
特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号該当しない
国連品名該当しない
国連危険有害性クラス該当しない
副次危険該当しない
容器等級該当しない
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及び
IBCコードによるばら積み
輸送される液体物質
該当しない
国内規制
海上規制情報該当しない
航空規制情報該当しない
陸上規制情報消防法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。
特別な安全上の対策消防法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意化学品を扱う場合の一般的な注意として、輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*140
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emergency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法特定化学物質(第二類物質)
名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物(法第57条、施行令第17条別表第3第1号並びに施行令第18条及び第18条の2別表第9)
危険物・酸化性の物(施行令別表第1)
作業環境評価基準(法第65条)
労働基準法疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)特定第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条)
毒物及び劇物取締法劇物(指定令第2条)
消防法第1類危険物酸化性固体(硝酸塩類)
水質汚濁防止法有害物質(法第2条、施行令第2条)
土壌汚染対策法第2種特定有害物質(法第2条、施行令第1条)
水道法水質基準(法第4条第2項)
下水道法水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律特別管理産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4)

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。