1.化学品等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品等の名称 | 塩化ベンジル | ||
製品コード | H30-C-017-MHLW | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 有機合成原料,染料中間体/染料(キノリンレッド,アリザリンエローA等)・合成樹脂・香料の合成原料 |
2.危険有害性の要約 | ||||
---|---|---|---|---|
GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H31.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分4 | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 区分1 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分1 | |||
発がん性 | 区分1B | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(呼吸器、神経系) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(肝臓、神経系、呼吸器系)、区分2(心臓) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | ||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 可燃性液体 飲み込むと有害 吸入すると生命に危険 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 重篤な眼の損傷 発がんのおそれ 呼吸器、神経系の障害 長期にわたる又は反復ばく露による肝臓、神経系、呼吸器系の障害 長期にわたる又は反復ばく露による心臓の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 取扱い後は...よく洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 環境への放出を避けること。 | |||
応急措置 | 火災の場合:消火するために...を使用すること。 飲み込んだ場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が緊急に必要である (このラベルの...を見よ)。注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が必要である (このラベルの...を見よ)。注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当を受けること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | (クロロメチル)ベンゼン | ||
別名 | ベンジルクロリド Benzyl chloride α−クロロトルエン クロロメチルベンゼン ベンジル=クロリド ベンジル=クロリド(別名塩化ベンジル) 塩化ベンジル alpha-Chlorinated toluenes (benzal chloride, benzotrichloride, benzyl chloride) and benzoyl chloride (combined exposures) alpha-chlorotoluene Tolyl chloride | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C7H7Cl (126.59) | ||
化学特性 (示性式又は 構造式) | |||
CAS番号 | 100-44-7 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 3-102 3-39 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | - |
4.応急措置 | 「2.危険有害性の要約」における応急措置も確認すること。 | ||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。 皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 直ちに医師に連絡すること。 | ||
眼に入った場合 | 直ちに医師に連絡すること。 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 直ちに医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:灼熱感、咳、吐き気、頭痛、息切れ、めまい。 皮膚:発赤、痛み。 眼:催涙性、発赤、痛み、かすみ眼、重度の熱傷。 経口摂取 : 腹痛、下痢、嘔吐、灼熱感。 | ||
応急措置をする者の保護 | データなし | ||
医師に対する特別な注意事項 | ばく露の程度によっては、定期検診が必要である。肺水腫の症状は2〜3時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。 |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水、水噴霧 | ||
特有の危険有害性 | 極めて燃え易く、熱、火花、火炎で容易に発火する。 消火後再び発火するおそれがある。 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 容器が熱に晒されているときは、移動させない。 安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | ||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 情報なし | ||
環境に対する注意事項 | 情報なし | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 消防法の規制に従う。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 飲み込まないこと。 皮膚と接触しないこと。 眼に入れないこと。 | ||
接触回避 | 情報なし | ||
衛生対策 | 情報なし | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 情報なし | ||
安全な容器包装材料 | データなし |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2019年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2019年度版) | TLV-TWA: 1 ppm | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 情報なし | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 刺激臭 | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | -43℃ : ICSC (2004) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 179℃ : ICSC (2004) | ||
引火点 | 67℃ (密閉式) : ICSC (2004) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 1.1〜7.1vol% : NFPA (13th,2006) | ||
蒸気圧 | 120Pa (20℃) : ICSC (2004) | ||
蒸気密度 | データなし | ||
比重(相対密度) | 1.100(20℃,20℃) : Merck (14th,2006) 1.100g/cm3 (20℃) : HSDB (2006) | ||
溶解度 | 水 : 525mg/L (25℃) : HSDB (2006) アルコール、クロロホルム、エーテル : 混和 : Merck (14th,2006) エタノール、エチルエーテル、クロロホルム : >10%、四塩化炭素 : 微溶 : HSDB (2006) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log P = 2.3 PHYSPROP Database (2005) | ||
自然発火温度 | 585℃ : ICSC (2004) | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度(粘性率) | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | ニッケル、鉛を除くすべての一般金属の影響下で重合して、腐食性のヒューム(塩化水素)を放出し、火災または爆発の危険を伴う。燃焼すると有毒で腐食性のヒューム(塩化水素)を生成する。強力な酸化剤と激しく反応する。水の存在下で多くの金属を侵す。67℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。 | ||
避けるべき条件 | 燃焼 | ||
混触危険物質 | 強力な酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 塩化水素 |
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | ラットLD50値:440-1230 mg/kg(NITE初期リスク評価書No.122(2008))、1231 mg/kg(環境省リスク評価第3巻(2004))に基づき、区分4とした。 | ||
経皮 | モルモットLDLo値:10mL/kg(11000 mg/kg)(環境省リスク評価第3巻(2004))に基づき区分外とした。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | ラットLC50:0.74 mg/L/2h(4時間換算:0.52 mg/L=100ppmV)(環境省リスク評価第3巻(2004))、150ppmV/2h(4時間換算:106ppmV)(ACGIH(7th, 2001))に基づき、危険性の高い区分1とした。なお、飽和蒸気圧濃度(1618ppmV)の90%以下の濃度であるため、気体(ガス)の基準値に基づき分類した。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | データなし。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギの24時間皮膚刺激性試験において、「重度の紅斑・浮腫に引き続く壊死」との記述(SIDS(1998))、またヒトへの健康影響にて「皮膚、眼、粘膜に対する刺激性が極めて強い」と報告されている(環境省リスク評価第3巻(2004))ことから区分1とした。なお、EU分類はXi;R37/38-41(EU-Annex I(2006))である。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 「本物質は眼に対して腐食性を示し、蒸気は眼、皮膚、気道を刺激する」(環境省リスク評価第4巻(2005))との記述があり、また、EU分類においてXi、R41であることから、区分1とした。なお、ウサギの試験では、「軽度(slight)の発赤と結膜浮腫および一過性の角膜混濁」(BUA188(1996))との報告がある。 | ||
呼吸器感作性 | データなし。 | ||
皮膚感作性 | モルモットを用いた皮内感作試験で「感作性あり」(SIDS(1998))とする報告があるが、報告年度が1936年でデータが古く、試験法も推奨された方法ではなく、結果の詳細も不明なため「分類できない」とした。 | ||
生殖細胞変異原性 | マウスの経口投与(NITE総合検索(2008)、IARC71(1999))、腹腔内投与(IARC71(1999))、皮下投与(NITE初期リスク評価書(2008))による小核試験(in vivo変異原性試験)がいずれも陰性であることに基づき、区分外とした。なお、in vitro変異原性試験として、Ames試験で陽性、CHO細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陽性の結果がある(NITE初期リスク評価書(2008))。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 ヒトでの発がん性についての情報は、(6)に限られている。 (1)、(2)のIARCと日本産業衛生学会の分類結果及び(3)〜(5)の試験結果およびを考慮し、旧分類から区分を変更し区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)IARCは本物質の実験動物では十分な証拠があるとし、α-塩素化トルエン(塩化ベンジル)類及び塩化ベンゾイルの混合ばく露をグループ2Aに分類している(IARC 71(1999))。 (2)日本産業衛生学会は、本物質の動物試験で発がん性が確認されていること、変異原性試験で陽性の所見が得られていることから、第2群Aに分類している(産衛学会発がん性分類提案理由書(2001))。その他、国内外の分類機関による既存分類は、ACGIHがA3(ACGIH(7th, 2001))に、EPAがB2に(IRIS(1989))、EU CLPがCarc. 1B(2008公示)に、それぞれ分類している。 (3)ラットに強制経口投与した試験において、雌に甲状腺C細胞腫瘍が増加し、雄に前胃腫瘍のわずかな発生が認められた(IARC 71(1999)、MOE初期リスク評価(2005))。 (4)マウスに強制経口投与した試験において、雌雄に前胃の乳頭腫及びがんの増加が認められた(IARC 71(1999))、環境省初期リスク評価(2005))。 (5)マウスの皮膚塗布試験では皮膚がん、ラットの皮下投与試験では投与部位に肉腫の発生増加が認められた(IARC 71(1999))、産衛学会発がん性分類提案理由書(2001)、MOE初期リスク評価(2005))。 【参考データ等】 (6)英国と米国において、各種塩素化トルエンと塩化ベンゾイルにばく露した作業者を対象とした小コホート研究において、肺がんの過剰発生がみられたとの報告がある(IARC 71(1999)、産衛学会発がん性分類提案理由書(2001))。 | ||
生殖毒性 | ラットおよびウサギを用い器官形成期に経口投与した発生毒性試験において、両動物種とも仔の発生に対する悪影響は認められなかった(環境省リスク評価第4巻(2005))が、性機能および生殖能に及ぼす影響に関してはデータがなく分類できない。なお、ラットの妊娠期間中に経口投与した別の試験で胚死亡率の増加が報告されている(NITE初期リスク評価書No.122(2008))が、「試験の詳細が不明で信頼性を確認できない(NITE初期リスク評価書No.122(2008))」と記述されているので、分類の根拠としなかった。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 本物質は粘膜に対する刺激性が極めて強く、蒸気は気道を刺激し、多量の摂取により肺水腫、四肢麻痺、意識喪失などを生じ、死亡することもあるとの記述(環境省リスク評価第3巻(2004))、また、10mg/m3の本物質に暴露された労働者に健康診断で無力症、自律神経失調症が認められたとの報告(環境省リスク評価第3巻(2004))があることから、区分1(呼吸器、神経系)とした。なお、動物試験においては、ラットに経口投与後の症状として自発運動低下と鎮静(NITE総合検索(2008))が記載され、ネコに吸入暴露により呼吸器への刺激症状及び麻痺、肺水腫が認められた(NITE初期リスク評価書No.122(2008))ことが報告されている。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 10mg/m3以上の濃度を定期的ばく露された労働者が脱力感、疲労感、頭痛、食欲不振、不眠を訴え、健康診断で血清ビリルビンの高値を伴う肝機能障害が明らかになり、さらに震戦のような神経症状も観察されていた(DFGOTvol.6(1994))。また、肝臓についてはマウスの26週間(週3回)経口投与試験で重度〜中等度の過形成が認められたとの報告(環境省リスク評価第4巻(2005))もある。以上の主にヒトでの情報に基づき基づき区分1(肝臓、神経系)とした。一方、マウスに3週間吸入ばく露により240mg/m3(90日補正:40mg/m3/6h)で重度の呼吸上皮及び嗅上皮傷害(環境省リスク評価第4巻(2005))、ラットに5週間吸入ばく露により530mg/m3(90日補正、206mg/m3/6h)で呼吸障害(環境省リスク評価第4巻(2005))、モルモットに5週間吸入ばく露により180mg/m3(90日補正、69mg/m3/6h)で慢性の肺水腫および出血(環境省リスク評価第4巻(2005))がそれぞれ認められ、発現用量がいずれもガイダンス値区分1に相当していることから、区分1(呼吸器系)とした。さらに、ラットの26週間経口ばく露により、62mg/kg/day(週3回)以上の雌で心筋の壊死が認められ、またラット雄37週間、雌27週間の経口ばく露試験で雌雄共に62mg/kg/day群で、心筋の過形成および限局性壊死の発生率の有意な増加(環境省リスク評価第4巻(2005))が認められたことから、区分2(心臓)とした。なお、ラットを用いた2年間(週3回)経口ばく露試験で、30mg/kg/day群の雄で甲状腺の変性が見られたが、同時に甲状腺腫瘍の発生頻度の増加が認められており、発がん性の項で採用しているため分類根拠としなかった。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類(クルマエビ属)での96時間LC50 = 140μg/L(環境省リスク評価第4巻, 2005, 他)であることから、区分1とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急速分解性があり(BODによる分解度:70.9%(既存点検, 1975))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=2.3(PHYSPROP Database、2009))ことから、区分外とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1738 | |||
国連品名 | BENZYL CHLORIDE | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | 該当しない | |||
容器等級 | II | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 化学品を扱う場合の一般的な注意として、輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 156 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emergency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物(法第57条、施行令第17条別表第3第1号並びに施行令第18条及び第18条の2別表第9) 強い変異原性が認められた化学物質 | |||
化審法 | 優先評価化学物質(法第2条第5項) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
毒物及び劇物取締法 | 毒物(指定令第1条) | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1) |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |