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安全衛生キーワード(用語集)

安全衛生のキーワードで関心が高いものについて解説しています。

安全配慮義務

1 安全配慮義務

労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、使用者において配慮する義務のことです。

労働者は、通常の場合、指定された場所で、提供された設備、器具等を用いてまたは使用者の指示に従って労働に従事するので、労働契約の内容として具体的に定めていなくても、労働契約を結ぶことに伴って信義則上当然に、使用者は、労働者がその生命、身体等の安全(心身の健康を含む)を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をすべきこととされています。このことは、陸上自衛隊事件(最高裁判決昭和50年2月25日)、川義事件(最高裁昭和59年4月10日)などの判例で確立した考え方となっており、使用者が、この義務を怠り、労働者に損害を生じさせたときは、その損害を賠償しなければなりません。この損害賠償は、労災認定による補償と並行して請求されることがあります。

通常次の3条件がある場合に該当します。

  1. (1)予見の可能性(損害の発生が予見出来ること。使用者が予見していなくとも、予見出来ると認定できる場合を含む)
  2. (2)結果回避義務を果たさなかった
  3. (3)因果関係があること

この安全配慮義務は、民法に規定はありませんが、判例法上認められてきたものです。平成21年3月施行の労働契約法第5条において明文化が図られましたが、抽象的な一般条項であるともいえるので判例などの積み重ねでより具体的になってくるでしょう。なお、生命、身体等の安全には、心身の健康も含まれます。それは過労死に関する判例、システムコンサルタント事件(最高裁平成12年10月13日)、過労自殺に関する判例、電通事件(最高裁平成12年3月24日)が参考になります。

これらの判例のように、労働契約法第5条の「必要な配慮」とは、一律に定まるものではなく、使用者に特定の措置を求めているわけではありませんが、労働者の職種、労務内容、労務提供場所等の具体的な状況に応じて、必要な配慮をすることが求められています。

なお、労働安全衛生法をはじめとする労働安全衛生関係法令には、事業主の講ずべき具体的な措置が規定されていますが、これらは当然に遵守されなければなりません。

したがって、安全配慮義務が求める「必要な配慮」は、労働安全衛生法などの労働安全衛生関係法令を守るということだけでなく、より広範囲の「必要な配慮」が必要といえます。

2 関連資料

法令

  • 労働契約法第5条

凡例

  • システムコンサルタント事件(最高裁平成12年10月13日)
  • 電通事件(最高裁平成12年3月24日)