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> 有害性・GHS関係用語解説
化学物質情報で使用している有害性・GHS分類等に関する用語の定義及び解説です。
【
爆弾の爆発
】
ばくだんのばくはつ
危険有害性を表す絵表示のひとつ
【爆発性物質】
ばくはつせいぶっしつ
Explosive substance
それ自体が化学反応によって周囲に被害を与えるような温度、圧力、速度を伴うガスを発生しうる固体または液体の物質(もしくは混合物)をいう。火工物質は、ガスを発生しない場合であってもこれに含まれる。
【爆発性物品】
ばくはつせいぶっぴん
Explosive article
単一または複数の爆発性物質を含む物品をいう。
【ばく露限界】
ばくろげんかい
limit of exposure
量―反応関係
等から導かれる、ほとんどすべての労働者が連日繰り返しばく露されても健康に影響を受けないと考えられている濃度又は量の閾(いき)値。
日本産業衛生学会
の提案している許容濃度及び米国産業衛生専門家会議が勧告している時間荷重平均で評価した場合の時間荷重平均濃度が含まれる。
【ばく露レベル】
ばくろれべる
exposure level
化学物質等を発散する作業場内の労働者が呼吸する空気中の化学物質等の濃度。
【ハザード】
はざーど
hazard
危険/有害性
を参照
【ハザードアセスメント】
はざーどあせすめんと
hazard assessment
化学物質固有の影響である危険/有害性について評価すること。化学物質固有の影響の同定(確認)と、その影響がどの程度の量的レベルで発生するかの確認を行う。
【発がん性】
はつがんせい
Carcinogenicity
化学製品が人又は動物に対して「がん」を生じさせる性質をいう。
ACGIH
、
IARC
(国際がん研究機関)、
NTP
(米国・国家毒性プログラム)、
日本産業衛生学会
等で化学物質等の発がん性についてポテンシャルが定性的に分類がされている。
【発がん性物質】
はつがんせいぶっしつ
Carcinogen
がんを誘発し、またはその発生頻度を増大させる化学物質または化学物質の混合物をいう。
【発がん性分類】
はつがんせいぶんるい
IARC
、
日本産業衛生学会
、
ACGIH
、
NTP
等の機関が疫学調査、動物実験等から発がん性物質を分類している。
●
IARCの分類
グループ 1
ヒトに対して発がん性がある
グループ 2A
ヒトに対しておそらく発がん性がある
グループ 2B
ヒトに対して発がん性があるかもしれない
グループ 3
ヒトに対する発がん性については分類できない
グループ 4
ヒトに対しておそらく発がん性がない
●
日本産業衛生学会の分類
第1群
人間に対して発がん性のある物質
第2群A
人間に対しておそらく発がん性があると考えられる物質 証拠がより十分な物質
第2群B
人間に対しておそらく発がん性があると考えられる物質 証拠が比較的十分でない物質
●
ACGIHの分類
A1
ヒトに対する発がん性が確認された物質
A2
ヒトに対する発がん性が疑わしい物質
A3
動物実験では発がん性が確認されたが、ヒトの発がん性との関連が未知の物質
A4
ヒトに対する発がん性と分類しかねる物質
A5
ヒトに対する発がん性の疑いのない物質
●
NTPの分類
K
ヒトに対して発がん性があることが知られている物質
R
合理的にヒト発がん性があることが懸念される物質
【半数致死濃度】
はんすうちしのうど
Lethal Concentration 50(LC
50
)
短時間の吸入ばく露(通常1時間から4時間)で1群の実験動物の50%を死亡させると予想される濃度
【半数致死量】
はんすうちしりょう
Lethal Dose 50(LD
50
)
1回の投与で1群の実験動物の50%を死亡させると予想される投与量
【皮膚感作性物質】
ひふかんさせいぶっしつ
Skin sensitizer
皮膚への接触によりアレルギー反応を誘発する物質をいう。「皮膚感作性」の定義は、「接触感作性」と同義である。
→GHSの区分
【皮膚刺激性】
ひふしげきせい
Skin irritation(Dermal irritation)
試験物質の4時間以内の適用で、皮膚に対して可逆的な損傷が発生することをいう。
→GHSの区分
【皮膚腐食性】
ひふふしょくせい
Skin corrosion(Darmal corrosion)
試験物質の4時間以内の適用で、皮膚に対して不可逆的な損傷が発生することをいう。
→GHSの区分
【
腐食性
】
ふしょくせい
危険有害性を表す絵表示のひとつ
【(生体)腐食性】
(せいたい)ふしょくせい
corrosive
化学物質により皮膚や粘膜に対して不可逆的な組織障害を起こすことで、強酸(pHが2以下)や強アルカリ(pHが11.5以上)物質の多くはこの特性を有する。組織の有機成分、特に蛋白質と化学物質が直接反応し、これを溶解し(アルカリの場合)、沈殿し(強酸、重金属塩の場合)、酸化し(酸化剤等の場合)、あるいは結合して(ハロゲン化合物等の場合)その局所を破壊させる。壊死組織は周囲からの浸出液と腐食剤そのものと合わさって不溶性の塊となり、これを痂皮(かひ)という。これに対して可逆的な炎症性の変化を刺激性という。
【物質】
ぶっしつ
Substance
自然状態にあるか、または任意の製造過程において得られる化学元素およびその化合物をいう。製品の安定性を保つ上で必要な添加物や用いられる工程に由来する不純物も含むが、当該物質の安定性に影響せず、またその組成を変化させることなく分離することが可能な溶媒は除く。
【粉じん】
ふんじん
Dust
ガス(通常空気)の中に浮遊する物質または混合物の固体の粒子をいう。
【分類基準】
ぶんるいきじゅん
日本方式は、危険有害性を該当する各法律における対象化学物質などとして定義している。国際的には2003年国連勧告としてGHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals : 化学品の分類および表示に関する世界調和システム)が承認された。法的拘束力はないが、世界的な分類表示システムが構築された。
【変異原性】
へんいげんせい
mutagenicity
生物の遺伝子に突然変異を引き起こす性質を変異原性といい、突然変異を引き起こす因子(物理学的、化学的、生物学的)を変異原(mutagen)という(変異原物質ともいう。)。突然変異が生じる現象が変異である。物質の発がん性スクリーニング試験として変異原性の有無を探索する方法が種々開発されている。
化審法、安衛法に基づく新規化学物質届出時の変異原性試験は微生物を用いる復帰突然変異原性試験(エームス試験という。)とほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験である。
【変異原性物質】
へんいげんせいぶっしつ
Mutagen
細胞の集団または生物体に突然変異を発生する頻度を増大させる物質をいう。
【補助的ラベル要素】
ほじょてきらべるようそ
Supplemental label element
危険有害性のある製品の容器に付される情報であって、GHSにおいて要求または指定されていない追加情報をいう。こうした情報は、他の所管省庁による要件のこともあれば、製造業者/流通業者の自由裁量で提供される追加情報のこともある。
【
炎
】
ほのお
危険有害性を表す絵表示のひとつ
【慢性毒性(長期毒性)】
まんせいどくせい(ちょうきどくせい)
chronic toxicity
長期間ばく露又は繰返しばく露によって現れる毒性をいい、1回又は短時間ばく露の急性毒性、期間の比較的短い亜急性毒性と対比して用いる。
被験物質を実験動物に長期間(化学物質の場合には12ヶ月以上)反復して投与し、その際に発現する動物の機能及び形態等の変化を観察することにより、物質による何らかの毒性影響が認められる量(毒性発現量)及び影響が発現しない量(無影響量、無有害影響量)を明らかにする試験を慢性毒性試験という。
無影響量
No Observed Effect Level(NOEL)
無毒性量
No Observed Adverse Effect Level(NOAEL)
12ヶ月未満の場合は亜急性毒性試験又は亜慢性毒性試験という。
【ミスト】
みすと
Mist
ガス(通常空気)の中に浮遊する物質または混合物の液滴をいう。
【水反応可燃性物質】
みずはんのうかねんせいぶっしつ
Substance which, in contact with water,emits flammable gases
水との相互作用によって自然発火性となり、または危険な量の引火性ガスを放出する固体、液体または混合物をいう。
【無影響量】
むえいきょうりょう
No Observed Effect Level(NOEL)
毒性試験において影響が認められなかった最高のばく露量。
【無毒性量】
むどくせいりょう
No Observed Adverse Effect Level(NOAEL)
毒性試験において有害な影響が認められなかった最高のばく露量。無有害影響量ともいう。
【眼刺激性】
めしげきせい
Eye irritation
眼の表面に試験物質をばく露した後に生じた眼の変化で、ばく露から21日以内に完全に回復するものをいう。
→GHSの区分
【眼に対する重篤な損傷性】
めにたいするじゅうとくなそんしょうせい
Serious eye damage
眼の前表面に対する試験物質のばく露にともなう眼の組織損傷の発生、または視力の重篤な低下で、ばく露から21日以内に完全に回復しないものをいう。
→GHSの区分
【有機過酸化物】
ゆうきかさんかぶつ
Organic peroxide
二価の−O−O−構造を持ち、1個または2個の水素原子が有機ラジカルによって置換された過酸化水素の誘導体と見なすことができる液体または固体の有機物質をいう。また、有機過酸化物組成物(混合物)も含む。
→GHSの区分
【溶解ガス】
ようかいがす
Dissolved gas
加圧充填によって液相溶媒中に溶解するガスをいう。
【ラベル】
らべる
Label
危険有害な製品に関する書面、印刷またはグラフィックによる情報要素のまとまりであって、目的とする部門に対して関連するものが選択されており、危険有害性のある物質の容器に直接、あるいはその外部梱包に貼付、印刷または添付されるものをいう。
【ラベル要素】
らべるようそ
Label element
ラベル中で使用するために国際的に調和されている情報、たとえば、絵表示(ピクトグラム)、注意喚起語(シグナルワード)をいう。
【リスク】
りすく
risk
ある危険/有害な事象が発生する確率。化学物質の場合、それぞれの固有の影響(危険/有害性)と化学物質に接する機会(特定事象の発生確率、暴露可能性)とから算出される。
【リスクアセスメント】
りすくあせすめんと
risk assessment
ハザード評価の結果および暴露評価の結果から各化学物質のリスクについて評価すること。
【量―反応関係】
りょうはんのうかんけい
dose-respons
化学物質等が生体に作用した量又は濃度と、当該化学物質等にばく露された集団内で、一定の健康への影響を示す個体の割合
【臨界温度】
りんかいおんど
Critical temperature
その温度を超えると圧縮の程度に関係なく、純粋なガスを液化できない温度をいう。
【労働安全衛生法(安衛法)に基づく】
ろうどうあんぜんえいせいほう(あんえいほう)にもとづく
労働安全衛生法第57条の2第1項
に基づき
労働安全衛生法施行令別表第9
に
SDS
を提供すべき物質が規定されている。SDS対象物質は
日本産業衛生学会
および
ACGIH
において職場でのばく露に関する許容濃度が勧告された物質及び労働災害の原因となった物質から選定された。
化学物質(更新情報)
新規化学物質関連手続きの方法
安衛法名称公表化学物質等
GHSモデルラベル・SDS情報
GHSモデルラベル作成法
国際表示マーク(GHSとは)
強い変異原性が認められた化学物質
がん原性に係る指針対象物質
リスク評価実施物質
化学物質による災害事例
がん原性試験実施結果
変異原性試験
(エームス・染色体異常)
結果
日本バイオアッセイ研究センター
有害性・GHS関係用語解説