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自動車整備業におけるリスクアセスメントのすすめ方

8.リスクアセスメントの導入・実施手順

6 リスク低減措置の検討及び実施

リスク低減措置の優先順位

リスク低減措置は、法令に定められた事項がある場合にはそれを必ず実施するとともに、次に掲げる 優先順位(可能な限り高い優先順位のもの)で検討し、実施することが重要です。

法令に定められた事項の実施(該当事項がある場合)
下矢印
1 危険な作業の廃止・変更

危険な作業の廃止・変更、危険性や有害性の低い材料への代替、より安全な施行方法への変更等

危険性又は有害性の除去又は低減のイメージイラスト
下矢印
リスク低減措置の優先順位の高低イメージイラスト
2 工学的対策

ガード、インターロック、局所排気装置等の設置等

工学的対策イメージイラスト
3 管理的対策

マニュアルの整備、立ち入り禁止措置、ばく露管理、教育訓練等

管理的対策イメージイラスト
4 個人用保護具の使用

上記1 〜 3 の措置を十分に講じることができず、除去・低減しきれなかったリスクに対して実施するものに限られます。

管理的対策イメージイラスト

リスク低減に要する負担がリスク低減による労働災害防止効果よりも大幅に大きく、リスク低減措置の実施を求めることが 著しく合理性を欠く場合を除き、可能な限り高い優先順位のリスク低減措置を実施する必要があります。


危険予知(KY)活動との違い

KY 活動もリスクアセスメントと同じく災害防止対策のための予防的手段として事業場で広く活用されています。KY 活動は、その日その日、現場で作業を始める前に「どんな危険が潜んでいるか」を作業者がお互いに出し合い、話し合って共有化し、危険のポイントと行動目標を定め、作業の要所要所で指差呼称を行って安全を確認してから行動する活動です。つまり、日々実践することにより作業者のリスクに対する感受性を鍛え、リスクを回避することで労働災害を生じないようにする活動です。
 一方、リスクアセスメントは、職場のリスクを定量的に見積もり、対策の優先度を決め、リスク低減措置としてリスクそのもの(機械設備や化学物質等)の除去や低減、適切なマニュアルの作成、保護具の使用などの措置を管理者や経営層を含めて検討し、措置を実施することで労働災害が生じないようにする取り組みです。リスクアセスメントとKY 活動を一体的に活用すると、より一層有効なものとなります。

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