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労働災害事例

損傷した6,600Vの高圧配電線を修復中、感電死

損傷した6,600Vの高圧配電線を修復中、感電死
業種 土地整理土木工事業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 送配電線等
災害の種類(事故の型) 感電
建設業のみ 工事の種類 土地整理土木工事
災害の種類 その他の電気
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.780

発生状況

本災害は、被災作業者Aが墓地造成工事現場でドラグ・ショベルを運転作業中、上空の高圧配電線(6,600V)にアームを接触させたため、作業者Bが運転するドラグ・ショベルのバケットにAが乗り、絶縁テープにより損傷した高圧配電線を修復している際に感電、高さ約3mのバケットから地上に墜落したものである。
 災害が発生した現場は、竹やぶの竹を切り、根を掘り起こし墓地の造成を行う工事現場で、工期が約40日の契約となっていた。
 Aは、午後5時頃、作業を終了したためドラグ・ショベルを移動させようと旋回させたところ、上空5.9mの高さにある防護管の設置していない高圧配電線にドラグ・ショベルのアームを接触させた。
 Bは、ドラグ・ショベルのバケットにAを乗せ、高圧配電線の損傷具合を確認させたところ、高圧配電線の被覆(ポリエチレンの絶縁皮膜)がはがれているのを発見した。
 バケットに乗ったAは、修復するため作業者Cに絶縁テープを取りに行かせ、この絶縁テープにより被覆のはがれた高圧配電線を巻き始めたところ、感電し、高さ約3mのバケットから地上に墜落したものである。
 現場上空には、2ラインの高圧配電線があり、各ラインの半分ぐらいまで防護管が設置されていたが、接触した場所には防護管が設置されていなかった。

原因

[1] 本件工事現場の上空に、6,600Vの高圧配電線が通っており、ドラグ・ショベルが接触する危険があったにもかかわらず、防護管をすべてに設置するなど感電防止措置を講じていなかったこと。また、監視人を置き作業を監視させていなかったこと。
[2] ドラグ・ショベルを高圧配電線に接触させたときに、ただちに電力会社に通知せず、自ら絶縁テープにより修理したこと。
[3] ドラグ・ショベルの乗車席以外のバケットに被災者を乗せたこと。

対策

[1] 工事現場に6,600Vの高圧配電線があり、これにドラグ・ショベル等のアームが接触するおそれがある場合、高圧配電線に防護管を設置してから作業を開始すること。
[2] 監視人を置いてから作業すること。
[3] 可能であれば、高圧配電線を工事現場の外に仮設すること。
[4] 高圧配電線を作業等により損傷させたときは、ただちに電力会社に通報し、損傷した高圧配電線には近づかないこと。
[5] ドラグ・ショベルの乗車席以外のバケットに作業者を乗せないこと。
[6] 作業者に対し、感電災害防止等についての安全衛生教育を実施すること。