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労働災害事例

倉庫の中2階の床端から2.6メートル下のコンクリート床面に墜落

倉庫の中2階の床端から2.6メートル下のコンクリート床面に墜落
業種 貨物軽自動車運送業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 作業床、歩み板
災害の種類(事故の型) 墜落、転落
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 設計不良
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 危険場所に近づく

No.100421

発生状況

 この災害は、道路貨物運送会社の倉庫において、フォークリフトで運搬する荷を倉庫の中2階の床端に置かれたパレットに積付けする作業中に、2.6メートル下の1階コンクリート床面に墜落したものである。
 災害発生当日、作業者Aは、同僚3人とともに倉庫責任者の指示により、倉庫の中2階に上がり、中2階の荷置場に置かれていた荷の入った段ボール箱(重量13.5kg)を1階に降ろすため、パレットに段ボール箱を積付けする作業に従事していた。
 作業は、フォークリフトにより中2階の床端に置かれた木製のパレットの脇にAが位置し、同僚から手渡しされた段ボール箱をパレットに、2個×3列×5段のブロック積みで、30個積付けたところで1階に待機していたフォークリフトを倉庫責任者が運転してパレットごと1階床に降ろすものであった。
 3回目の作業が終わり、4回目の作業に入り、8個の段ボール箱をパレットの端に2列に4段積み上げたとき、同僚の作業者から「低く積むように」と言われたため、パレット上に乗り段ボール箱を積み直していたところ、パレット上から1階コンクリート床面に墜落した。

原因

 この災害は、倉庫中2階の床端に置かれたパレットに荷を積付ける作業中に発生したものであるが、その原因としては、次のようなことが考えられる。
1 中2階の床端全体に手すりを設けるなどの墜落防止のための防護措置がなかったこと
2 中2階の床端の近くで作業が行われていたこと
3 安全帯、保護帽など墜落災害防止のための保護具を着用していなかったこと
4 墜落危険のおそれのある場所での作業についての作業手順が定められていなかったこと
5 倉庫責任者が作業を指示する際に、作業の安全を確保するため、安全帯を使用するなどの墜落災害を防止するための具体的な内容で指示が行われなかったこと
6 安全衛生管理体制が整備されていなくて、安全衛生管理が十分に行われていなかったこと
 安全衛生を担当する者が明確に定められてなく、作業手順書も作成されていなかった。

対策

 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 倉庫の中2階の床端には、墜落防護のための中さん付きの手すりを設けること
 なお、小物などの落下防止のための幅木を床端に設けることが望ましい。
2 荷の上げ下ろしに必要な箇所には、着脱可能な手すりを設け、命綱が使用しやすいように命綱のフックを容易に掛けることができる堅固な取り付け設備を設けること
3 中2階での作業の際に、手すりをはずして荷の上げ下ろしの作業を行うときには、保護帽を着用し、命綱を使用させること
4 作業の方法、保護具の使用など安全作業手順を定めること
5 作業開始前に、作業指揮者は、安全作業手順に沿った作業が行われるように具体的な作業指示を行うこと
6 安全設備、保護具などは、担当者を定めて定期的に点検を実施すること
7 安全衛生推進者を選任し、その者に日常の安全衛生管理業務として、作業手順の作成状況およびその履行状況の確認など作業の危険または健康障害を防止するための措置に関することを行わせること