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労働災害事例

トイレの清掃作業中、フッ化水素中毒となり入院

トイレの清掃作業中、フッ化水素中毒となり入院
業種 ビルメンテナンス業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:3人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.101498

発生状況

 本災害は、トイレの清掃作業中に発生した。
 出張先での換気の不十分なトイレ清掃作業中、便器、床等の水垢洗浄のため、洗浄剤(フッ化水素含有)を使用して作業者3名で作業をしていたところ、咳、発熱、関節痛、倦怠感など体調不良を訴えたが、午前中に予定していた作業を全て終えた。午後からも清掃作業を再開し、水垢除去作業は行わなかったが、体調不良は改善せず、ふらつき等の症状が激しくなったため、救急搬送され、フッ化水素中毒と診断された。

原因

1 危険有害性の高い洗浄剤を使用する清掃作業において、換気が不十分であったこと。
2 適正な呼吸用保護具を使用していなかったこと。
3 特定化学物質作業主任者を選任しておらず、作業方法等の適切な指揮、管理等がなされていなかったこと。
4 フッ化水素の危険性の概要については一般論として把握していたものの、SDS等による詳細な把握がなされておらず、かつ、そのばく露防止対策の必要性に対する認識が不十分であったこと。

対策

1 危険有害性の高い洗浄剤を使用する清掃作業においては、作業場の気積、薬品の性質、使用量等を踏まえ、換気対策を十分に講じること。
2 有害性に応じて、法令に基づく適正な呼吸用保護具を確実に使用すること。
3 危険有害性の高い洗浄剤中に含まれる化学物質をSDS等により、確実に把握した上で、法令に基づく特定化学物質作業主任者を選任し、適正な指揮、管理等を行わせること。
4 危険有害性の高い洗浄剤を使用する際には、SDS等により危険有害性、必要なばく露防止対策等を確実に把握するとともに、その対策を確実に実施すること。また、リスクアセスメントの実施により、リスク低減措置の実施を行うこと。