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労働災害事例

電動ベッドの下部に寄っていた入居者を、適正な位置に戻すため抱え上げようとした際、腰部を痛めた

電動ベッドの下部に寄っていた入居者を、適正な位置に戻すため抱え上げようとした際、腰部を痛めた
業種 保健・衛生業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 起因物なし
災害の種類(事故の型) 動作の反動、無理な動作
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業方法の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) その他及び不安全な行動のないもの

No.101389

発生状況

 被災者は、高齢者施設の居室にて、入居者の食事介助を行うため、電動ベッドでギャッチアップ(電動ベッドに寝た状態の入居者の上体を起こすこと)を行っていた。入居者の位置が電動ベッドの下部に寄っていたため、適正な位置に戻そうと、入居者の身体の下に両手を差し込み、電動ベッドの上部に抱え上げようとした際、腰部を痛めた。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 入居者の位置を直そうとした際、深い前かがみや中腰、若しくはベッドサイドに立ち、腰をひねった状態で抱え上げようとしたこと。
2 ベッドが、介助者が作業しやすい高さに調整されていなかったこと。
3 座位を保持するためのクッション等を用いていなかったこと。

対策

 類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 入居者の抱きかかえは、原則一人では行わないこと。
2 入居者を抱え上げる際は、腰椎の生理的な前弯(腰椎を最大に反った状態から少し戻し、前弯が残っている状態)を保つこと。
3 介助者は、自身の身体を、常に入居者の身体に近づけて介助することを意識すること。
4 入居者の状態を常に観察し、入居者が手足に力を入れることができず、ギャッチアップ時の座位の保持が困難になった場合は、速やかに作業標準の見直しを行うこと。
5 腰部保護ベルト等の補装具について医師から正しい使用方法の指導を受け、必要に応じ、着装すること。