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労働災害事例

換気扇を作動させずに炭の「火付け作業」を行っていた被災者は、めまい及び嘔吐のため搬送され、一酸化炭素中毒と診断された

換気扇を作動させずに炭の「火付け作業」を行っていた被災者は、めまい及び嘔吐のため搬送され、一酸化炭素中毒と診断された
業種 飲食店
事業場規模 1〜4人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業方法の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) 危険な状態を作る

No.101360

発生状況

 被災者は、厨房内の炭焼き台で使用する木炭に火を付けるため、ガスコンロ上に火起こし器を載せ、その中に消し炭(前日使用し、閉店時に消した炭)を入れ、ガスコンロに着火した。この時、換気扇は作動させていなかった。
 その後、被災者は消し炭が着火するまでの間、厨房内の冷蔵庫の下付近の床を掃除していたところ、めまい、嘔吐のためそのまま作業を続けることが困難になったため、救急を要請し、搬送先の病院で一酸化炭素中毒と診断された。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 通風が不十分な店舗内において、換気装置を作動させずに、炭の「火付け作業」を行ったこと。尚、「火付け作業」の手順は、消し炭を5個程度火起こし器に入れ、ガスコンロにかける。すると、10〜15分程度で火が消し炭全体にまわるので、これを炭焼き台に移し、それを種火として新しい炭を入れ、火を大きくしていく。
2 一酸化炭素中毒防止に関する、作業手順の整備と関係労働者への周知が徹底されていなかったこと。

対策

 類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 ガス燃焼機器、及び木炭等を使用する場合は、換気扇等の換気設備を作動させ、換気の徹底を図ること。
2 炭の「火付け作業」等にあたっての換気設備の作動手順、ガスの燃焼状況、及び換気設備についての定期点検、一酸化炭素警報装置作動時の対応等について作業手順書を作成し、その内容について安全衛生教育等を実施することにより、関係労働者への周知を図ること。