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労働災害事例

材木を積み込もうとしたところ、荷が揺れ激突される

材木を積み込もうとしたところ、荷が揺れ激突される
業種 製材業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 移動式クレーン
災害の種類(事故の型) 激突され
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業方法の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) 危険な状態を作る

No.101291

発生状況

 この災害は、伐採された材木をトラッククレーンで積み込もうとしていたところ、荷が荷台に当たりその反動で被災者に激突したものである。
 災害発生時の作業は、伐採された材木が積み上げられた材木搬出現場にトラッククレーンで行き、材木をトラッククレーンの荷台に積み込み、製材工場に持ち帰るものであり被災者は、単独で作業を行っていた。
 被災者は、伐採された材木が積み上げられた場所の横にトラッククレーンを止め、荷台に積み込む作業を開始した。
 被災者は、1本の材木(長さ約9m、直径約0.6m、重さ約2t)の先端部分に目通しでワイヤーロープを取り付け、ワイヤーロープの一方のアイをクレーンのフックに掛けた。そして、トラッククレーンの荷台中央に上り、クレーンの無線式ラジコン装置を操作して材木を巻き上げ、旋回させていたところ、木材がトラッククレーンの荷台にぶつかり、その反動で、木材が大きく揺れ、被災者に激突し、被災者は跳ばされ、荷台前方に取り付けてある鉄製の鳥居に頭部を強打した。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  つり上げた材木の近くでクレーンの操作を行ったこと
 材木は、先端部分に目通しの一本吊りで玉掛けをされ、回転や揺れが生じやすい状態で釣り上げられていた。このため、荷に激突される恐れがあったのにもかかわらず、被災者は吊り荷の近くでクレーンの操作を行っていた。
2  保護帽を着用していなかったこと
 被災者は、保護帽を支給されていたにもかかわらず、これを使用していなかった。
3  事前に、作業方法などが定められていなかったこと
 作業方法などは定められておらず、全て被災者の判断に任されていた。
 また、入社以来、被災者に対し安全衛生教育はなされていなかった。

対策

 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  荷との接触、挟まれ等による危険のある場所でクレーンの操作を行わないこと
 一本吊りで玉掛けされた荷などについて、接触や挟まれなどにより労働者に危険を及ぼす恐れがある場所では、クレーンの操作を行わせない。
2  保護帽を使用させること
 労働者に対し、保護帽の使用を徹底する。
3  作業方法等を定め、それに基づき作業を実施すること
 あらかじめ、荷や場所などの状況を踏まえ、作業方法等を定め、それに基づく作業を徹底する。
 また、労働者に対し、作業による危険性、危険を防止するための方法、作業手順等について、安全衛生教育を実施する。