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ジアゾ化反応を行った反応釜内で発生した窒素酸化物を吸入して呼吸困難

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発生状況
 被災者は、化学製品製造工場2階の反応釜で亜硝酸ナトリウム、塩酸等を用いてアニリンをジアゾ化して塩化ジアゾニウムを製造する作業に従事していた。
 析出した塩化ジアゾニウムは、パイプで接続している1階の遠心分離機に落とし込まれてろ過される。
 被災者は、反応の終わった反応釜の内壁に残った製品を洗い流すため、柄の長さ約30cmのひしゃくをマンホールから内部に突っ込み、水道水を内壁にかけて反応釜の洗浄を行った。
 反応釜の洗浄作業が終わり、1階の遠心分離機の傍で同僚と話しをしていたところ被災者は突然倒れ、救急車で病院へ運ばれた。
 被災者は、洗浄作業中に窒素酸化物を吸引し、これが血液中のヘモグロビンと反応してメトヘモグロビン血症(ヘモグロビンの酸素運搬機能がなくなる症状)により呼吸困難に陥り、被災したものである。
原因
1  亜硝酸ナトリウムと塩酸が反応して、気体の窒素酸化物が反応釜内に生成し充満していたこと。
(想定される化学反応)
2NaNO2+2HCl→N2O3+NaCl+H2O
N2O3→NO+NO2
(いずれも気体の窒素酸化物)
2  マンホールを開放して反応釜の内部洗浄を行ったため、窒素酸化物が反応釜の外へ漏洩し、これを吸入したこと。
3  吸入した窒素酸化物がヘモグロビンの2価鉄に結びついて3価鉄に酸化し、酸素運搬機能のないメトヘモグロビンに変化し、被災者が呼吸困難の症状を示すメトヘモグロビン血症に罹患したこと。
4  ジアゾ化反応において窒素酸化物(NO、NO2)が発生する危険性についての認識が事業場、被災者ともに乏しく、対策に効果のない防毒マスクを使用させるなど適切な対策を講じられていなかったこと。
5  適正な作業標準の作成、作業員に対する有害性に関する教育が実施されていなかったこと。
対策
1  反応釜内部の洗浄作業は、マンホールを開放することなく、反応釜内部への洗浄水の充填、排水を繰り返す方法により実施すること。
2  マンホールを開放する必要がある場合には、作業員に送気マスク等の呼吸用保護具を着用させること。
3  製造工程における化学反応で発生する可能性のある有害物について総点検し、その性状、有害性等に対応した適正な作業標準を作成し、作業員に対する教育を実施すること。
業種 その他の化学工業
事業場規模 100〜299人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 防護措置・安全装置の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) 危険な状態を作る
NO.101276
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