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労働災害事例

平面研削盤で研削作業中、といしに過大な力が加わって、といしが破裂し飛散

平面研削盤で研削作業中、といしに過大な力が加わって、といしが破裂し飛散
業種 一般機械器具製造業
事業場規模 300〜999人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 研削盤、バフ盤
災害の種類(事故の型) 飛来、落下
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 設計不良
発生要因(人)
発生要因(管理) 機械、装置等を不安全な速さで動かす

No.101224

発生状況

 この災害は、平面研削盤で研削作業中に、といしに過大な力が加わって、といしが破裂したものである。
 作業は、使用によって高さが不揃いとなったマグネット付き鋼製スタンド(縦60×横120×高さ85mm)7個の高さを揃えるため、マグネットによってテーブルに並べて固定した7個のスタンドを研削するものであった。
 研削作業を始めて10分ほど経過したとき、端の2個のスタンドの位置がずれ、浮き上った状態となり、研削といしに局所的に過大な力が加わったため、研削といしが破裂し、周囲に飛散した。研削盤の操作者および周囲の作業者に被害はなかった。
 位置がずれた端のスタンドは、マグネットのスイッチが緩んだ状態となり、研削する際に加わった力でガタが発生し、マグネットのスイッチがOFFとなっていた。
 研削盤にはカバーがついており、研削といしの破裂によるカバーの損傷は見られなかった。といしは、外形が405mm、最高使用周速度は1,800m/分でのものであったが、研削盤のモーターの回転数は1,450rpmで、この回転数では、といしの最高使用周速度を超えていた。
 この事業場では、作業者に対し、研削盤による危険や安全な使用方法等についての安全衛生教育を実施していなかった。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  スタンドのマグネットのスイッチが緩んだ状態となっていたこと
 鋼製スタンドのマグネットのスイッチが緩んだ状態となっていたため、研削の際に加わった力でガタが発生し、スイッチがOFFとなった。
2  研削作業の前に、スタンドがテーブルに確実に固定されていることを確認しなかったこと
3  といしの最高使用周速度を超えて使用していたこと
4  作業者に対し、研削盤の安全な使用方法等についての安全衛生教育を実施していなかったこと

対策

 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  スタンドの固定方法については、マグネット以外の確実に固定される方法を採用することを検討すること
2  研削作業の開始前にスタンドを点検し、確実に固定されていることを確認すること
3  といしを最高使用周速度を超えて使用しないこと
4  作業者に対し、研削盤による危険や安全な作業等について、安全衛生教育を実施すること