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労働災害事例

木材加工工場の集じん装置で火災が発生し火傷

木材加工工場の集じん装置で火災が発生し火傷
業種 その他の木材・木製品製造業
事業場規模 16〜29人
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の装置、設備
災害の種類(事故の型) 火災
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:3人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 設計不良
発生要因(人) 分類不能
発生要因(管理) 不安全な行動のないもの

No.101213

発生状況

 この災害は、木材加工工場の木粉を集める集じん装置で火災が発生し、作業者2人が火傷を負ったものである。
 災害発生当日、工場内では、通常の木材加工作業が行われていたが、突然、工場内の集じん装置から爆発音が起こり、集じん装置から炎が上がった。
 この火災で、集じん装置自体が破裂することはなかったが、近くで作業を行っていた作業者と消火作業にあたった作業者計2名が火傷を負った。
 当該集じん装置は、木材加工を行うベルトサンダー(ベルトの回転で木材を研磨する機械)により発生した木粉を集め、集じん装置下部のスクリューコンベア(ケーシング内のスクリュー軸が回転して木粉等を搬送するコンベア)を経由して、別のタンクに木粉を運ぶ構造であった。
 なお、当該工場では、摩擦熱が発生する可能性が高いスクリューコンベアを使用する集じん装置等の機械設備の発火源対策が不十分であり、火災発生に備えた消火体制や連絡体制も定めていなかった。また、作業者全員が参加する消防訓練も行われておらず、作業者に対して、木材加工作業に伴う危険性についての安全衛生教育も十分には行われていなかった。

原因

 この災害の原因としては、次のことが考えられる。
1  当該工場では機械設備の発火源対策が不十分であったことから、集じん装置下部のスクリューコンベア内に堆積した木粉が、スクリューの摩擦熱で発火し、これが着火源となって、集じん装置内部に浮遊する木粉が粉じん爆発を起こすとともに、内部に堆積した木粉が燃焼したこと
2  火災発生に備えた消火体制や連絡体制を定めておらず、また、作業者全員が参加する消防訓練も行われていなかったこと
3  作業者に対して、木材加工作業に伴う危険性についての安全衛生教育が十分に行っていなかったこと

対策

 同種災害の防止のためには、次のような対策が必要である。
1  粉じん爆発の対策として、摩擦熱が発生しやすいスクリューコンベアではなく、他の方法により木粉を移動させる設備に改善すること
 集じん装置の内部で浮遊する木粉は、着火すると紛じん爆発等を起こすおそれがあるので、摩擦熱が発生しないような設備とすることが必要であり、スクリューコンベアではなく、他の方法によりタンクに木粉を投入できる設備に改善することが必要である。
2  木材加工工場では火災の危険性が高く、いったん発生すると大きな火災となりやすいことから、機械設備等の発火源対策を十分に行うとともに、火災発生に備えた消火体制や連絡体制を定め、作業者全員が参加する消防訓練を定期的に行うこと
3  作業者に対して、木材加工作業に伴う危険性等についての安全衛生教育を十分に行うこと