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塗装工場で発生した火災の消火作業中に焼死

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発生状況
 この災害は、工芸品の塗装工場で発生した火災の消火作業中に発生したものである。
 この工場は、木造2階建てで、1階は塗装場と事務所、2階は食堂、更衣室および製品倉庫となっており、塗装場では、鋳造された花瓶等の工芸品の塗装を行っており、実質的な作業はAおよびBの2人で行っていた。
 災害発生当日、Aは、静電塗装を行う準備作業として、静電塗装装置の水洗ブース内で使用する塗料をスプレーガンに注入していた。準備作業が終わり、花瓶の塗装を始めようとしたとき、静電塗装装置の水洗ブース付近から火が出ていることに気がつき、Aは近くで作業していたBに消火器を持ってくるよう指示した。Bは、建屋の入口付近にあった消火器をAに手渡したが、火勢が強くなったので、建屋の外に逃げてバケツで建屋の外壁に水を掛け消火作業を行った。
 その後、消防車が到着して消火にあたり、出火してから約2時間後に鎮火したが、建屋の中で消火作業をしていたAの姿がなく、翌日になってがれきの下から焼死体で発見された。また、Bは消火作業中に軽い火傷を負った。
 この工場には責任者が常駐しておらず、作業者に対する安全衛生教育も実施していなかった。
原因
 この災害の原因としては、次のことが考えられる。
1  スプレーガンへの塗料の注入作業中に発生した有機溶剤の蒸気に着火したこと
 火災発生直前に静電塗装の準備として行っていた塗料をスプレーガンに注入する作業中に、塗料に含まれる有機溶剤の蒸気が発生し、それに何らかの原因で着火し、火災になった。
 なお、着火源としては、塗料の撹拌中に発生した静電気、作業服で発生した静電気、スプレーガンからの放電火花、水循環ポンプのモーターから発生した火花等が考えられる。
2  安全衛生管理を実施していなかったこと
 この工場には、責任者が常駐しておらず、安全衛生管理が行われていなかった。
 そのため、静電塗装装置の点検や作業者に静電靴や帯電防止作業服を着用させる等の対策が講じられていなかった。
3  作業者に対し安全衛生教育を実施していなかったこと
 作業者に対して安全衛生教育を実施していなかったため、作業者は塗料に含まれる有機溶剤の危険性についての知識が乏しかった。
対策
 同種災害を防止するためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  有機溶剤を含む塗料を取り扱う際の着火源対策を講じること
 有機溶剤を含む塗料を取り扱う作業では、発生した有機溶剤の蒸気に着火することを防止するための対策を講じることが重要である。
 具体的には、火花を発生しないように加工された容器や道具を使用する、作業者に静電靴や帯電防止作業服を着用させる、静電塗装装置を定期的に点検する等である。
2  安全衛生管理を実施すること
 一定の知識を有する者を安全衛生の担当者として指名して、工場内の安全衛生管理を実施させる。
3  作業者に対し安全衛生教育を実施すること
 作業者に対し安全衛生教育を実施し、取扱物質の危険有害性、安全な作業方法等について周知徹底する。
業種 その他の金属製品製造業
事業場規模 1〜4人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 可燃性のガス
災害の種類(事故の型) 火災
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:1人 行方不明者数:0人
発生要因(物) その他の不安全な状態
発生要因(人) 分類不能
発生要因(管理) その他の不安全な場所へ乗る
NO.101121
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