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溶融酸化アルミニウムが電気炉から流れ出し、水蒸気爆発

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発生状況
 この災害は、酸化アルミニウムを溶融する電気炉の運転中に、炉の一部が破損し、流れ出た高温のアルミニウムの溶湯が冷却水と接触し、水蒸気爆発を起こしたものである。
 災害発生当日、夜勤についた作業者Aは、粉末の酸化アルミニウムを溶融する電気炉の運転監視作業を昼勤の作業者から引き継いだ。Aは、まず電気炉内の酸化アルミニウムの溶融状況、湯面の高さ等について測定を行ったが、特に異常は認められなかった。その後、Aは操作室に戻ったが、まもなく電気炉の温度が異常上昇していることを知らせる警報が鳴ったため、再度、電気炉の状況を確認したところ、炉内の溶けたアルミニウムが吹き上がっており、炉壁の一部が高熱のため赤くなっているのを目撃した。
 危険を感じたAは操作室に戻り、当該電気炉と隣で稼動中の電気炉の電源を切り、屋外へ退避するとともに関係者に状況を通報した。その後、再び電気炉を見たところ、熱せられた炉壁が溶融して開口し、中から溶けた酸化アルミニウムが流れ出ているのを目撃したため、急いで退避したところ、爆発が発生した。なお、この災害による人的な被害はなかった。
 後日の調査で電気炉の温度が異常上昇したのは、電気炉を冷やす水噴霧口が目詰まりし、十分な冷却ができなかったためと判明した。そのため、電気炉の炉壁が高温により溶融し流れ出た酸化アルミニウムの溶湯が冷却水と接触して水蒸気爆発を起こしたものである。
 電気炉の冷却水が流れにくくなるトラブルは、災害発生当日の昼勤においても発生していたが、夜勤のAには引き継がれていなかった。
 また、電気炉には温度の異常上昇を知らせる警報は備わっていたが、同時に電源が切れるような安全装置は備わっていなかった。さらに、電気炉の運転状況を確認するための点検項目は定められていたが、点検した結果は記録されていなかった。
原因
 この災害の原因として、次のようなことが考えられる。
1  異常高温になったときに電気炉の電源が自動的に切れるような安全装置が設置されていなかったこと
2  電気炉の冷却水の配管および噴霧口の点検および修理が適切に行われていなかったこと
3  電気炉の点検項目は、細部にわたり定められていたが、作業者が点検をした記録を残していなかったこと
4  交替勤務で行う作業について、前の作業者が後の作業者に対し、作業中発生した問題点を伝えていなかったこと
対策
 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  炉壁等、炉の部材の温度が異常に上昇したときに電気炉の電源が自動的に切れるような安全装置を設置すること
2  電気炉の冷却水の配管等、安全上極めて重要な設備については作業開始前に確実に点検を行い、異常があれば修理を行うこと
3  電気炉の点検項目を定め、点検結果を確実に記録し、保管すること
4  交替勤務で作業を行う場合には前の作業者は後の作業者に対し、作業中発生した問題点を確実に伝えること
業種 非鉄金属製造業
事業場規模 100〜299人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 炉、窯
災害の種類(事故の型) 爆発
被害者数
死亡者数:− 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物) 防護・安全装置が不完全
発生要因(人) コミュニケーションなど
発生要因(管理) その他の不安全な行動
NO.101093
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