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炭酸ガスアーク溶接法による溶接作業中、一酸化炭素中毒

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発生状況
 この災害は、ステンレス管内に上半身を乗り入れてステンレス管の継手部を炭酸ガス溶接法により溶接する作業中に発生したものである。
 被災者は、構内下請業者の常駐の作業員として溶接作業に従事していた。
 災害発生当日、親企業の作業長から指示を受け、被災者は仮付けされたステンレス管(内径470mm、長さ5m)の継手部の溶接作業を炭酸ガスアーク溶接法により行っていた。
 溶接作業は、ステンレス管の周継手および長手継手を両側(内側および外側)から行うもので、小口径側(内径470mm)のフランジ部の周継手の溶接から始めた。
 溶接作業中は、防じんマスクを着用し、掃除機のホース吸気口を溶接部の近くに置き、常時、溶接ヒュームを掃除機に吸引していた。
 小口径の継手部の外側の溶接を終え、掃除機のホース吸気口を大口径側の内部へ移し、大口径側(内径550mm)の管内部に上半身を乗り入れ、大口径側の周継手および長手継手の内面の溶接に取りかかった。この姿勢で、4時間ほど作業を続けていたところ、体調不良を訴え帰宅した。帰宅後、体調が回復しないため病院へ行き、診察を受けたところ、一酸化炭素中毒と診断された。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  炭酸ガスアーク溶接作業時に、炭酸ガスの熱分解により発生した一酸化炭素ガスを長時間にわたり吸入したこと。
2  掃除機のホース吸気口を溶接部に置いてヒュームを吸引していたが、溶接時に発生した一酸化炭素ガスが管外へ排出されずに管内に滞留していたこと。
3  換気の不十分な管内のアーク溶接作業において、防じんマスクを使用していたが、送気マスク等発生する一酸化炭素に有効な呼吸用保護具を使用していなかったこと。
4  炭酸ガス溶接作業を行う際の換気方法、保護具の使用などについてのマニュアルが作成されていなかったこと。
5  事業者および作業員にアーク溶接作業に際して一酸化炭素が発生するという認識がなかったこと。
6  親企業の構内下請業者に対する安全衛生に関する技術的指導援助が十分に行われていなかったこと。
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  通風が不十分な場所で炭酸ガスアーク溶接を行うときは、作業場所の空気中の酸素濃度を18%以上に保つように換気するとともに、空気中の一酸化炭素濃度を50ppm以下に保つこと。
2  一酸化炭素用防じん機能付き防毒マスク、酸素呼吸器、空気呼吸器または送気マスクなどの保護具を備え付け、換気を行うことが困難な場合に使用させること。
3  換気の方法、使用する保護具の種類などを記載した作業マニュアルを作成し、周知徹底すること。
4  通風が不十分な作業場所においてアーク溶接を行うときの一酸化炭素中毒および酸素欠乏症の防止に関して、災害事例を含めた再教育を溶接作業に従事する作業員に対して実施すること。
5  親企業は、構内下請業者が行う作業員に対する安全衛生教育について、教材の提供など技術的な指導援助を行うこと。また、構内下請業者が作業マニュアルを作成するときは、作業の危険および有害性に関する情報提供など技術的な指導を行うこと。
業種 その他の金属製品製造業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:− 休業者数:1人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.100774
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