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冷蔵室の冷却コイルの霜除去中にアンモニアガスを吸入

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発生状況
 この災害は、冷蔵室の冷却コイルに付着した霜の除去作業中に発生したものである。
 この会社は、わかめ、ひじき等の食料品の受託冷蔵と製氷を行っているところで、業務は取締役専務(被災者)とその妻および労働者の3名で実施している。
 災害発生当日、朝8時15分頃には3名が出勤し、被災者は機械室で各冷蔵室(全部で10室)の温度調整を行った後、6,7号室の荷物の搬出入作業を行い、労働者は氷の配達に出かけた。
 被災者は午後も他の冷蔵室の荷物の搬出入作業を行っていたが、午後2時頃に労働者が帰ってきたので、荷物の搬出入作業は労働者に任せた。被災者は「3時30分から氷の製造を始めるからそれまでの1時間位冷蔵室に入って掃除をしてくるわ」と妻に言って、7号室の方へ移動していった。
 この掃除は、冷蔵室上部にある冷却用コイルに付着した霜をハンマーとドライバーで除去する作業で、作業は7号室で行われていた。
 午後3時15分頃、事務所にいた被災者の妻が、「バカン」という大きな破裂音が聞こえたので、音のした6号冷蔵室の方へ行こうとしたが、アンモニアガスが充満していて前に進めなかったので、直ぐに消防署に連絡した。
 その後、消防職員が駆けつけてきて中に入ったところ、被災者が6号室の中2階でうつ伏せに倒れていたので救出し病院に移送したが、アンモニア中毒で1月の休業となった。
 なお、アンモニアガスは放水によって希釈されたが、会社の周辺300mの範囲に拡散したことから、付近住民に窓を閉めるよう広報された。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 冷却コイルが天井から脱落したこと
 被災者は、当初7号室で作業を行っていて、そこの作業が終了して6号室へ移動した。6号冷蔵室内は木造で、冷却コイルは3箇所で固定されていた。
 設置されていた冷却コイルの質量は約1tで、付着した霜の質量も約0.5tと想定されることから、天井およびその梁が水分の吸収で腐食していた状況下でハンマーによる衝撃が加わって冷却コイルが脱落し、そのときに破断したコイル(配管)の中のアンモニアガスが噴出したものである。
2 冷蔵室内の点検を行っていなかったこと
 1に記述したように冷却コイルが固定されていた天井およびそれが取りつけられていた梁は木材で構成されていて、水分の吸収等により一部が黒ずんでいたにもかかわらず、コイルの取り付け部分、室内全体についての点検が全く行われていなかった。
 なお、機械室(制御室)については、外部の検査業者によって3年ごとに点検されていた。
3 アンモニアの有害性を十分に認識していなかったこと
 アンモニアは、爆発範囲が16〜25%であるほか、高濃度のガスを吸入すると肺水腫を起こし呼吸が停止するほどの有害な物質(特定化学物質第3類)であるが、被災者はその有害性について十分な認識がなかった。
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 冷蔵室内の定期点検を実施すること
 冷蔵倉庫等については、高圧ガス部分およびそのコントロール機能だけではなく、冷却コイルおよびその取り付け部分についても定期に点検し、補修等を行うことが重要である。
 また、冷却コイルの取り付け部分は、コイルの質量のほか付着する霜の質量が加算されるので、それらの質量に耐えられるか否かの観点で点検することが必要である。
2 霜の除去作業の手順を定めること
 霜が冷却コイルに付着するのは常態的なことで、冷却効率アップのため霜の除去作業は避けられない。その除去作業については過度の振動を与えない方法、工具の使用等について検討するとともに、万一冷却コイルの脱落、コイルの破損が生じた場合は内部のガスが噴出しないようガスの停止等についても検討することが必要である。
3 保護具を使用すること
 霜の除去作業中にアンモニアの噴出が予測される場合には、アンモニア用の防毒マスク(濃度が3%以上の場合には送気マスク)をあらかじめ用意しておき着用させる。(安衛則第593条関係)
 また、関係作業者に対しては、作業手順、保護具の着用等についてあらかじめ教育を実施する。(安衛則第35条関係)
業種 倉庫業
事業場規模 1〜4人
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の装置、設備
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.100763
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