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グラビアコーターの接着剤の受皿に接着剤をひしゃくで補給作業中、トルエン中毒

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発生状況
 この災害は、ビニールシートの表面に接着剤を塗布するグラビアコーターに接着剤を補給する作業中に急性トルエン中毒にかかったものである。
 この工場には、ビニールシートと布を貼り合わせたテーブルクロスなどのプラスチック製品を製造する設備として、布や紙にビニールシートを貼り合わせ、型押しするなどのラミネートエンボス機、グラビアコーターなどの機械装置が設置されていた。
 災害が発生した日、班長と作業者との2名により、ビニールシートと布を貼り合わせたテーブルクロスを製造する作業を始めた。まず、ビニールシートにコーティングする有機溶剤を含有する接着剤をグラビアコーターの接着剤の受皿に補給することとした。そのため、被災者である作業者が、有機溶剤貯蔵庫に入り、トルエンを約60%含有する接着剤が5kg入っていたふたを切り取った一斗缶に、酢酸エチル約3kg、トルエン約3kg、硬化剤を入れ、グラビアコーターの前に運び、一斗缶内をひしゃくでかき混ぜ、グラビアコーターの接着剤受皿に接着剤を補給しているとき、気分が悪くなり、病院へ搬送し診察を受けたところ、急性トルエン中毒と診断された。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 取り扱っていた接着剤には、第2種有機溶剤である酢酸エチルが約3kg、トルエン約6kgが含まれていたこと。
2 床に置いた一斗缶の中をひしゃくでかき混ぜていたため、一斗缶内から相当量の有機溶剤の蒸気が発生していたこと。
3 排気能力が不十分であったため一斗缶内で発生した有機溶剤の蒸気が作業環境気中に拡散し、呼吸域が有機溶剤の蒸気が拡散する濃度の高い位置になっていたこと。
4 換気不十分な場所で、保護具を着用しないで、酢酸エチルおよびトルエンを含有する接着剤を取扱う作業を行っていたこと。
5 作業の手順を示すマニュアルが整備されていなかったため、有機溶剤を含有する原材料を取扱う作業方法について作業者の判断に委ねられていたこと。
6 有機溶剤作業主任者として工場長が選任されていたが、実務的にその職務を十分に果たせる立場になかったこと。
7 有機溶剤の有害性およびその取扱方法などについての教育が行われていなかったこと。
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 酢酸エチルおよびトルエンは、有機溶剤中毒予防規則に定める第2種有機溶剤に該当することから、有機溶剤の蒸気の拡散を防止するための発散源を密閉する設備、局所排気装置またはプッシュプル型換気装置を設けること。
2 接着剤を小分けする作業、接着剤を混合する作業は、局所排気装置を備えたチャンバー内で行えるように設備の改善が必要であること。
 また、接着剤の受皿に接着剤を補給する作業は、作業者が有機溶剤蒸気にばく露されないような補給装置が必要であること。
3有機溶剤など有害物を含有する原材料を取り扱う作業は、ドラム缶などから小分けする作業、混合する作業などについて、作業場所の特定、作業方法、局所排気装置の稼働、局所排気装置などの設備の点検要領などについてマニュアルを作成し周知徹底すること。
4 取り扱う有機溶剤の有害性およびその防止対策などについての労働衛生教育を実施すること。
5 有機溶剤作業主任者は、その職務を実務的に行える者のうちから資格者を育成、選任すること。
業種 無機・有機化学工業製品製造業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:− 休業者数:1人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.100760
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