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加工品をアルマイト表面処理槽から引き上げる作業中、槽内に倒れ込み熱傷

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発生状況  この災害は、アルマイト加工工場において、アルマイトの表面処理を行う作業中に発生したものである。
 災害が発生した日、アルマイト製品の表面処理の作業を行っていたところ、工場内が全停電となったため、酸化皮膜の微細孔を塞ぎ、耐食性を高めるための液温が90℃の処理槽で処理中の加工品を直ちに引き上げなければならなくなった。
 加工品の封孔槽への出し入れは、通常、処理する加工品の取付け枠(重量約20kg)のラック棒に加工品を掛け、ホイスト式天井クレーンにより電極棒に取り付けたフックに玉掛けして行われていた()。しかし、停電でクレーンが動かないため、処理槽に隣接する湯洗槽との間に製造責任者ら5人の作業員と構内下請の作業員である被災者が乗り、人力によりラック棒に掛けてある6個の加工品(1個の重量10kg)を引き上げることにした。この引き上げ作業の最中に、被災者が足を滑らして倒れ込み、処理槽内の液の中に右腕が手首から10cmほど肘側部まで浸かり熱傷を負ったので、すぐ病院で手当を受け、全治3週間の通院加療を要するとの診断を受け通院加療中、被災してから5日後に様態が急変し入院治療中2日後に死亡した。
原因  この災害は、アルマイトの表面処理を行う作業中に高温の液槽に手を突っ込み、火傷したものであるが、その原因としては、次のようなことが考えられる。
1
 加工品の表面処理を行っていた処理槽内の液温が、90℃という高温であったこと
2
 停電したことにより、通常のクレーンによる引き上げが行えなかったため、人力による引き上げ作業を行ったこと
3
 引き上げ作業を行っていた処理槽に隣接する湯洗槽との間が22cmと極めて狭く、かつ、滑りやすかったため、安定した作業姿勢が保持できなかったこと
4
 作業場所の床面から処理槽の縁の上端までの高さが75cmであったため、倒れ込んだとき、容易に処理槽内の液面に上腕などの身体の一部が到達する距離にあったこと
5  停電時の突発的な作業であったため、作業方法、作業手順の事前検討が行われなかったこと
6  停電などの異常時に、処理槽内から処理中の加工品を引き上げる設備が設けられていなかったこと
7  停電時などの異常事態が発生したときに処理槽内の処理中の加工品を引き上げるための作業手順が作成されていなかったこと
対策  この災害は、処理槽内から処理中の加工品を引き上げる作業で発生したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1
 処理槽内で処理中の加工品の引き上げは、停電時にクレーンなどの設備が使用できない場合を想定し、手動により操作できるチェーンブロックなどの設備を予備として備えること
2
 高温の処理液の入った処理槽の周囲は、囲いまたは柵を設けるなど作業中または通行中に処理槽内へ倒れ込むまたは処理液の飛散などにより熱傷などの危険を防止するための設備改善を行うこと
3
 停電時などの異常事態に対処するための作業方法、作業の順序などを定めた作業手順を作成すること
4
 通常運転時における工程の危険性および異常事態の発生の可能性を把握するためのアセスメントを確実に行い、その結果に基づく設備的な対応、作業手順の作成など組織的に対応できる体制を構築すること
5
 作業手順に基づいた作業が確実に履行されるように、作業の危険性およびその対策について構内下請の作業員を含めて教育・訓練を実施すること
業種 その他の金属製品製造業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の装置、設備
災害の種類(事故の型) 高温・低温の物との接触
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.100702
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