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「のど飴」の製造中に3人が火傷

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発生状況  この災害は、のど飴の製造中に火傷を負ったものである。
 この飴は玉状であるが、中心部(1層目)が芋飴層、中間部(2層目)がのど飴層、外側(3層目)がプロポリス(ミツバチが樹脂と分泌物で作る物質)層の3層構造となっており、次のような工程により製造される。
[1]
1層目になる芋飴を釜で煮てから、釜から取り出してミキサーで練った後、保存
[2]
2層目になる水飴を釜で煮てから、冷やし鍋に移し香料を加えて捏ねた後、保存
[3]
3層目になる水飴を釜で煮てから、冷やし鍋に移しプロポリス溶液を加えて捏ねた後、保存
[4]
保存してある3種の飴を3層に重ねて、機械で丸めてから、包装する
 災害発生当日、朝からこの工程で作業を行っていたが、午前11時頃、4名の作業者で3層目のプロポリス入りのど飴作りに取り掛かった。重油バーナーで加熱した釜に原料の飴を入れ、加熱して溶けたところでバーナーを止め、ある程度冷えるのを待って平らな「冷やし鍋」へ「ひしゃく」で移した後、A、B2名の作業者が熊手で攪拌する水飴に、Cが180ミリリットルのコップでプロポリス溶液を混入した。5杯目を釜に入れ終わったとき、突然、「ボッ」という音がして釜で撹拌中の飴が燃え出した。
 火は約1分間程燃え続けたが、釜のところで作業を行っていた作業者3名が顔面、腕などに火傷を負った。
原因  この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  プロポリスの溶液にアルコールが含有されていたこと
 この工場では、約30種類の飴を製造していたが、以前はそれらの原料には引火性の物は使われていなかった。
 しかし、このプロポリス入りのど飴は約1ヶ月前から委託されて製造していたもので、委託者から支給されたプロポリス入り溶液にはエチルアルコールが約60%含有されていたため、これに引火したものと推定される。
2  作業場の換気、通風が不十分であったこと
 作業場の天井最上部(約7m)の個所には換気扇が設置されていたが、加熱鍋付近は無風状態であり、釜の付近は30℃を超えていたため、釜で加熱されてエチルアルコールの蒸気(爆発範囲の3.3%〜19%)が多量に発生滞留し、重油バーナーは消火されていたが、発生した蒸気が空気とともに煙道に繋がっている火室内に吸い込まれ、高温の火室灰や壁の熱で引火燃焼したものと推定される。
3  安全衛生教育が行われていなかった
 この工場は、少人数で飴一筋の生産を行ってきたが、新たに委託で製品を作るに当たって、支給される原料の成分等の確認も行わず、また、新たな製品の工程で発生する危険有害性についての検討とその結果に基づく教育も行っていなかった。
対策  同種災害防止のためには、次のような対策の徹底が必要であると考えられる。
1  委託者は材料を支給するときには含有成分の通知を行うこと
 新たな製品の製造を原材料の支給とともに委託する場合には、提供する材料(プロポリスなど)に含まれている有機溶剤等の成分とその危険有害性を受注者に通知することが必要である。
2  工場内の換気を十分に行うこと
 工場内で原油バーナー等を使用する場合には、工場内の換気を十分に行うことが必要であるが、特に、エチルアルコール等の危険性の高い物質またはその含有物を使用する場合には局所排気装置等により発散する蒸気を安全な場所に排気することが必要である。
3  安全衛生教育を実施すること
 新たな製品の製造に伴い原材料の一部提供等を受ける場合には、その危険有害性について情報の提供を受け、あるいは検討し、必要な措置を行うとともに、あらかじめ関係作業者に災害の防止に必要な安全衛生教育を実施することが重要である。
 また、日頃から作業者に対して、作業に関する一般的な安全衛生教育を必ず実施しておく必要がある。
4  作業手順を作成し徹底すること
 作業を安全で正確、能率的に行うためには、それぞれの作業に応じた安全な作業手順を定めて安全衛生教育を行うとともに、作業場へ掲示するなどにより徹底させることが必要である。
業種 パン、菓子製造業
事業場規模 1〜4人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 引火性の物
災害の種類(事故の型) 火災
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:3人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.100551
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