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冷凍庫の扉を閉めてドライアイスを散布中に、扉が開かなくなり酸素欠乏となる

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発生状況  この災害は、アイスクリームを積んでいた冷凍運搬車で、扉を閉じてドライアイスを散布したために酸素欠乏症となったものである。
 災害発生当日、被災者は、冷凍者の運転手として同僚2名とともに20店舗にアイスクリームを配送するため、配送センターを19時30分頃に出発した。
 いくつかの店への商品配送を行った後、23時20分頃にK店に到着したが、駐車場が混んでいたので店の入口から約20m離れた路上に駐車し、同僚2名は店に商品を搬入する作業を行っていた。
 その間に、被災者はこの店を出発する前に冷凍庫内に保冷用として散布していたドライアイスを補充しようと考え、庫内に入って外気が侵入しないように自分で中から扉を閉めて粒状のドライアイス約6kgを散布し、散布が終わったので、外に出ようとしたところ扉が開かなくなってしまい外に出られなくなった。
 そこで、庫内にある警報装置(車のクラクションが鳴る)を作動させたが、同僚2人は店の中に居たために届かず、ドライアイスから発生した二酸化炭素ガスのため庫内が酸欠状態となり意識を失いかけた。
 約10分後に店から車に戻ってきた同僚の一人が庫内の異常に気づき急いで扉を開放して被災者を救出するとともに救急車の手配をし、病院に移送した。
原因  この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  冷凍庫の扉を閉めてドライアイスを散布したこと
 ドライアイスは、配送センターを出発するときに6〜7kg散布し、途中でほぼ同量を補給することになっているが、冷却効率を上げるために、補給作業を扉を閉めて行った。
2  扉が庫内から開放できる構造でなかったこと
 冷凍庫への出入扉の開放は、外からのみ操作できる構造で、閉じるとロックされるようになっていたために自力で脱出できなくなった。
 なお、通常、この作業は複数人で行うか、扉が閉じないように介在物をかませていた。
3  ドライアイスの危険性を知らなかったこと
 この会社では、事業者を含めて、ドライアイスによって酸素欠乏症になるとの認識が全くなかった。
 したがって、作業主任者の選任や特別教育も実施していなかった。
対策 同種災害を防止するためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。
1 冷凍庫の扉を内部から開放できる構造とすること
 冷凍庫の中にドライアイスを散布する作業が常態的にある車については、風などにより扉が閉じても内部から開放できる構造の扉とする必要がある。
 また、そのように改造するまでの間は、開放後のレバーを固定するストッパーを設けるか、扉が完全に閉じないように確実な介在物をかませることを徹底することが必要である。
2 作業主任者を配置し、また、安全衛生教育を実施すること
 ドライアイスを使用する冷凍庫、保冷貨物車の内部は酸欠危険場所であり、次の措置を行う必要がある。
(1) 第1種酸素欠乏危険作業主任者(技能講習修了者)を選任し、作業方法の決定、作業環境測定などを行わせる。
(2) ドライアイスを使用している冷凍庫などに立ち入る作業者に対して、酸素欠乏の危険、症状、事故の場合の退避方法などについて特別教育を実施する。
業種 特定貨物自動車運送業
事業場規模 1〜4人
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の危険物、有害物等
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:− 休業者数:1人
不休者数:− 行方不明者数:1人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.100485
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