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硫酸製造工程において配管から噴出した硫酸をあびて火傷

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発生状況  この災害は、非鉄金属製錬工場において、亜鉛鉱石を焙焼(ばいしょう)して得られた亜硫酸ガスから硫酸を製造する設備の定期修理中に発生した化学火傷である。
 災害発生当日、硫酸工程用機械設備の年に1 回行う定期修理がほぼ終了したので、作業者Aは、同僚BおよびCとともに、運転再開に向けての最終段階の点検を行うため、貯酸タンクから循環酸タンクと酸冷却装置に硫酸を試しに送給して、連結する配管・バルブの漏洩試験を行った。
 作業は、酸冷却装置のa系列、b系列、c系列の順で行うこととし、最初に、 [貯酸タンク→循環タンク系] を閉じて、酸冷却装置a系列に送酸したところ、配管の腐食による酸漏れが認められたので、酸冷却装置系を閉じ、 送酸を[貯酸タンク→循環酸タンク系] に切り替えた。a系列の酸をドレンタンクに移した後、酸冷却装置のb 系列を点検するため、 酸冷却装置系に送酸を切り替えるバルブ操作をA、B、C、3名が分担して行った。
 Aが循環酸タンク手前のバルブを閉じたとき、貯酸タンクと循環酸タンクの間のフレキシブルチューブが破裂して硫酸が噴出した。 Aは逃げたが、体の後方から硫酸を浴びた。
原因  この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 配管・バルブの漏洩試験に硫酸を使用したこと
2 特定化学物質等作業主任者を選任しないで、有害な物質を取り扱う作業を行わせたこと
3 非定常作業についての作業手順が定められていなかったこと
 定期修理終了後の運転再開作業は危険性が高いにもかかわらず、作業者の経験に任せて作業を行わせていた。
4 作業開始前の打ち合わせが不十分であり、また、それぞれの作業の実施状況を確認しなかったこと
 作業開始前に、関係作業者間でミーティングを実施していたが、バルブ操作を作業者が分担して行ったとき、操作の順序の確認が十分行われていなかった。
5 保護衣などを着用させていなかったこと
6 作業者に対する安全衛生教育が不十分であったこと
7 定期修理時における安全衛生管理体制が確立されていなくて、安全衛生管理が不十分であったこと
対策 この災害は、亜硫酸ガスから硫酸を製造する設備の定期修理工事において発生したものであるが、同種災害の防止のためには、 次のような対策の徹底が必要である。
1 特定化学物質等作業主任者の選任など安全衛生管理体制を整備して、安全衛生管理を徹底させること
特に、定期修理時には下請事業場に発注する作業も含む安全衛生管理体制を確立する必要がある。
なお、作業主任者には法令で定められている職務を遂行させることが大切である。
2 有害な物質の取り扱い等を行う作業者に対して安全衛生教育を十分に行うこと
3 作業の安全に関するマニュアル等を整備し、関係作業者に周知徹底すること
定修終了時の配管等の漏洩試験など非定常作業について、作業手順を作成し、 その徹底を図ること
4 定期修理時にリスクアセスメントを実施し、危険有害場所作業を特定するとともに、リスクの低減策を定めること
配管・バルブの漏洩試験に硫酸等特定化学物質を使用しない方法などについて検討する必要がある。
業種 非鉄金属精練・圧延業
事業場規模 100〜299人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) その他服装を指定していない
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 不安全な服装をする
NO.100452
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