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タンカー船の修理作業中、廃液タンク内の引火性液体の蒸気がガス切断の火花により着火爆発

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発生状況  この災害は、ケミカルタンカー船の定期修理において、廃液ポンプの点検・修理を行ったときに発生したものである。
 修理を行う廃液ポンプは、甲板の1階下の甲板倉庫(約75m3)に設置されており、その倉庫の下に廃液タンク(約35m3)が設けられている。また、甲板倉庫床にはマンホールがあり、廃液タンクと繋がっていたが、換気のため開放されていた。
 災害発生当日、造船所の下請企業である作業員3人が甲板倉庫内に入ってポンプをスパナ等で取り外し、甲板上で点検・修理を行った。その後2人の作業員が再び甲板倉庫内に入ってポンプの取付け作業を行っていた。
 一方、造船所への派遣作業員であるAは、甲板と甲板倉庫との出入口扉を交換することになり、扉の枠をガス切断器で切断するため、甲板倉庫内から甲板へ登るための階段上部付近で切断していた。その切断火花が倉庫床に飛散し、その一部がマンホールを通って廃液タンク内に入ったため、廃液タンク内に滞留していたトルエン等の可燃性蒸気に着火・爆発した。そのため、爆風が倉庫内部にもおよび、内部にいた3人の作業員が爆風で打撲や火傷を受けた。
原因  この災害の原因として次のようなことが考えられる。
1 廃液タンク内に残存していたトルエンを含む廃液の除去が不十分であったため、トルエンの蒸気が発生し、爆発範囲になったこと。
2 廃液タンク内の通風・換気が不十分であったこと。
3 爆発性ガスの濃度測定が不十分であったと。
4 可燃性の蒸気及び引火性の液体が付近に存在していたにもかかわらず、ガス切断器を使用し、また適切な火花の飛散防止対策を行わなかったこと。
5 元請の造船所の担当者、下請Z社の派遣作業員および下請Y社の作業員の間において、安全に関して連絡・調整が取れていなかったこと。特に爆発・火災等の危険性の有無、危険・有害物質の除去、火気の使用制限、作業中の換気等について事前に情報交換を行わず、バラバラに作業を行ったこと。
対策  この災害は、ケミカルタンカー船の廃液ポンプ等の点検・修理作業中に、ガス切断の火花が廃液タンクに入り、同タンク内でガス爆発を起こしたものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 元請企業と下請企業とが混在して、点検・修理作業を行う場合には、作業方法・作業手順に関して、互いに事前に調整し、また打合わせを実施しておくこと。
2 危険物が作業場付近に存在し、かつ、ガス切断のような火気を使用する場合には、
作業許可を元請企業から得るような制度を確立すること。
3 このような火気作業においては、できるだけ作業監視人又は作業指揮者を配置しておくことが望ましいこと。
4 火気作業を行う周辺の危険物の存在を確
認し、可能なかぎり危険物を除去しておき、また有機溶剤の蒸気など危険なガスが連続的に発生している場合には、強制的な通風・換気とガス濃度の測定を行うこと。
5 ガス切断火花にように、点火源が広範囲に広がる可能性のある時は、防炎シートを使用する等点火源をできるだけ局所に封じ込めるような作業方法をとること。
業種 造船業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 引火性の物
災害の種類(事故の型) 爆発
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:3人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業環境の欠陥(部外の)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.100206
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