アンケートにご協力お願いします。

排水槽内に落とした工具を引き上げる作業中、排水槽に転落してフェノールを吸い込み中毒

  労働災害事例イラスト イラストをクリックすると拡大表示されます
発生状況  この災害は、排水槽に計器を取り付けるための配線工事作業中に、槽内へ転落し、排水に含まれているフェノールを吸い込んで急性中毒にかかったものである。
 被災者は、この配線工事を排水槽近くに行っていたが、腰に差していたドライバーを排水槽内へ落としてしまった。そこで、同僚と二人でパイプの先に網を付けてすくい上げようとして、被災者は槽の脇に置いた脚立にまたがり、同僚は槽の上面のデッキプレートから手すり越しに、それぞれ落としたドライバーを探していた。
 昼休みになり作業を中止し、被災者が脚立から下りようとした時、足を滑らし槽内に転落し、1.3mの深さの廃液に胸まで浸かってしまった。同僚に引き上げられた被災者は、排水で汚れた身体を着衣のまま水で洗い流し、着替えのため更衣室へ向かう途中気分が悪くなり、病院へ収容され、フェノール中毒と診断されて、入院治療を受けた。
 また、槽内へ転落した時、着用の作業服が不浸透性でなかったため、下肢を中心に下半身が薬傷を受けていた。
原因  この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 排液等化学物質を入れた装置、設備の周辺における作業において、装置等の覆い又はシート等による養生をしていなかった。
2 槽の脇等に、墜落防止のための措置が取られていなかった。
3 作業用の工具が落ちないために、吊り紐、チャック等で保護していなかった。
4 作業服が不浸透性の物でなかったため、体の皮膚にまで薬液が浸透した。
5 電気関係の作業者なので、化学物質の危険有害性についての知識がなかった。
6 発注者、元請業者、下請業者の間での、作業方法についての打ち合わせにおいて危険有害物についての話し合いはなかった。
対策  この災害は、配線工事作業中に、排水槽内へ転落し、フェノールを吸い込んで急性中毒にかかったものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。
1 化学工場内で作業をする場合は、設備の危険性、化学物質の危険性・有害性について知識のある者を選任するか、工場の作業責任者の立ち合いを求めること。
2 開放された容器、タンク、槽等が数多いので、作業前にシート掛けや移動できるものはその場所から排除する等の安全対策を取ること。
3 作業者に対して、化学工場における作業の危険性・有害性について安全衛生教育を実施すること。
4 発注者は、工場内の危険・有害物等についての防止対策を、請負業者およびその作業員に対して説明すること。
5 元請業者は、発注者の製造工程と工事の作業の係り具合を十分検討し、安全衛生対策の実施方法を指導することが必要である。
6 下請は、元請の指示により、会社の責任者が立ち会い、元請との連絡調整を取り、その結果を作業員に周知すること。
7 作業者は、作業場所には、いつも危険性、有害性が多くあることを自覚し、作業については作業指示に従い、ムリのないよう作業を進めること。
業種 電気通信工事業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 化学設備
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
建設業のみ 工事の種類 電気通信工事
災害の種類 中毒
被害者数
死亡者数:− 休業者数:1人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物) 防護・安全装置がない
発生要因(人) 場面行動
発生要因(管理) 不意の危険に対する措置の不履行
NO.100196
このページのトップへ戻ります
アンケートにご協力お願いします。