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変電所の断路器の機能試験中に封入ガスが噴出

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発生状況 この災害は、電力会社が2系統ある送電支線の1系統を停電して、ガス絶縁開閉装置の修繕作業を行っていた際に、当該開閉装置の内部から気体が噴出し、労働者が火傷を負ったものである。
ガス絶縁開閉装置は、高圧の電流を開閉するための装置であり、各種電力機器の運転停止の際の回路の開閉等に使用されるもので、本事例のガス絶縁開閉装置の内部は、上流側から、[1]接地開閉器A→[2]断路器A→[3]接地開閉器B→[4]遮断器X→[5]断路器Bの順に配列されていた。
災害発生当日の朝、a班は、母線を通電状態のまま、支線の作業場所のみを停電するために、遮断器X([4])を「切」→遮断器A([2])を「切」→断路器B([5])を「切」→接地開閉器A([1])を「入」、という手順で、作業場所を停電にして断路器Bの修理作業に取りかかった。
その後、b班が現場に到着し送電線の点検作業を開始した。この点検作業にあたり、誘導電流防止のため、b班の依頼により遮断器X([4])と断路器B([5])の間に接地開閉器Cを接続した。
両班の作業は順調に進み、b班の作業が終了間近となった時、a班の現場代理人は、断路器Bの作動試験を行うため、班員に断路器Bのスイッチを入れるよう指示した。この作動試験を行うに当たっては、接地開閉器Cは「切」の状態でなければならず、現場代理人は接地開閉器Cは「切」であると思い込んでいたが、実際は「入」の状態であった。
これにより、母線に大電流が流れ、もう一方の支線の遮断器Yがトリップ(遮断)した。
このため、現場代理人はすぐに断路器Bを「切」にするよう班員に指示したが、断路器Bは内部が破損し、「切」にした後も通電状態になっていた。
もう一方の支線側の遮断器Yは1分後に自動復帰したが、再びトリップした。そこで、遮断器Xを手動で「入」にしたが、すぐにトリップした。
その直後に、断路器Bを内臓しているガス絶縁開閉装置の接合部から、絶縁のため封入している気体(六フッ化硫黄)が噴出し、付近で配線等の点検作業を行っていた電力会社の社員2名と関係会社の社員1名がそれを浴びて手や脚に火傷を負った。
原因  この災害原因としては、次のことが考えられる。
1 ガス絶縁開閉装置内に大きな電流が流れたため、断路器Bの刃が溶着し、母線と電気溶接された状態になるとともに、封入されていた六フッ化硫黄の温度、圧力が上昇したこと
2 遮断器が再三にわたってトリップしたのに、断路器の刃の溶着等の原因調査を行わせずに遮断器の再投入のみ行ったこと
3 断路器の修繕作業と同時に点検作業が行われていたのに、断路器の操作前に双方の連絡調整が不十分であったこと
4 作業を行っていたガス絶縁開閉装置について、接地を取っている箇所を離れた位置から確認できる表示を行っていなかったこと
5 安全教育、避難体制等が不十分であったこと
対策  この災害は、変電所での断路器の修繕作業後に接地装置を取り付けたまま断路器を投入したため地絡事故が発生し、その復旧作業中に発生したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策が必要である。
1 二つの作業を同時に行うような場合には、作業間の連絡調整を徹底すること
2 停電回路を回復する時には、作業の終了、工具等の撤去、作業者の危険区域からの撤退、短絡接地器具の撤去等を確認すること。
3 適正な作業手順の作成と徹底を図ること。また、停電した開閉器、回路等については、施錠、表示札での明示を行うこと
4 遮断器がトリップした場合には、その原因の究明を行うこと。
5 作業者に安全教育を徹底すること。
6 開閉器の封入ガス、パッキン材質の変更、安全装置の取り付け等を検討すること。
業種 電気業
事業場規模 100〜299人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 電力設備
災害の種類(事故の型) 破裂
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:3人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 区画、表示の欠陥
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 合図なしに物を動かし又は放す
NO.100141
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