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LSI工場分析室で廃液処理容器が破裂・熱傷等の被害

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発生状況 この災害は、半導体集積回路(LSI)製造工場の製品分析室において発生したものである。
 分析室においては、品質管理、製品の異常等を検査するため、完成したLSIの樹脂モールディングをりん酸、硝酸等で溶解除去したり、回路の金やアルミニュウムの被覆を除去したりする作業をドラフトチャンバーの中で行なっている。
 災害当日、午前9時頃から分析室内では、工場の職員3名及び関連会社の職員1名が溶解作業等を行なっていた。
 モールディング除去作業の区切りがついたので、製品の写真撮影のため、品質管理部の分析室に運ぶことになったが、出かける前に関連会社の職員が次の作業の準備、使用した機材の片づけを行ない、続いて午前9時50分頃、溶解の後製品の洗浄に使用したメチルエチルケトンの残りが放置してあったので、チャンバー内にある酸類廃棄用容器の漏斗に投入した。
 すると、漏斗から空気とオレンジ色の煙が噴き出し、その後、酸類の廃棄用容器及びそれを格納するアクリル製の箱が破壊され、中の硝酸等が室内に飛散した。
 そのため、室内にいた4名が化学熱傷等の被害を受け、また、室外で異常を知って室外への誘導に入った関連会社の職員が急性気管支炎の被害を受けた。
原因 この災害の直接原因は、ドラフトチャンバーIIで使用されたメチルエチルケトンの残りを、関連会社のCがチャンバーIの作業台にある酸類の廃液貯蔵容器の漏斗に誤って投入したため、ここの容器内で激しい化学反応がおこり、急激な圧力上昇によって容器が破裂し、内容物が分析室内に飛散したことによるものである。
 メチルエチルケトンは、労働安全衛生法で引火性の危険物に指定されているものであり、揮発性が大きく、極めて引火しやすいほか、酸化剤(ここでは硝酸)と接触すると激しく反応し発火する性質を持っており、廃液容器内への投入はその状況を作り出したものと考えられる。なお、災害発生後の分析室内の状況では、爆発火災の形跡は認められていないが、急激な反応による圧力上昇の過程で容器が破裂したものと考えられる。
 また、間接的な原因としては、分析室内で会社の職員と関連会社の職員が混在して作業を行なうようになっているが作業分担、安全管理体制等の面で不備があったものと考えられる。
対策 新しい生産技術の導入、新規の化学物質の導入等に伴う危険有害性対策としての機械設備の本質安全化等については、近年かなり改善が進められているが、実験室、分析室等における安全衛生対策は遅れていると言われている。この災害は、その例とも言える。
 災害の原因でも述べたように、LSIの洗浄に使用したメチルエチルケトンの残りを所定のチャンバーIIの廃液ビンに捨てずにチャンバーIの酸類の廃液容器に投棄したことが多くの者に被害を及ぼしたが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が望まれる。
1 協力会社を含めた安全衛生管理体制の整備
2 安全衛生教育の徹底
3 安全作業マニュアル等の整備と徹底
4 機械設備等の安全化と安全点検の実施
業種 その他の電気機械器具製造業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 破裂
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:2人
不休者数:3人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 構成材料の欠陥
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 組合せては危険なものを混ぜる
NO.1068
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