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浴室防水工事における有機溶剤中毒

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発生状況 被災したA、B2名の防水工が所属する会社は、元請けの建設会社から、3つの浴室の防水工事を請け負った。
 被災者A、B及び他の1名は、災害発生前日の午前9時30分に工事現場に到着し、男子浴室、女子浴室、特別浴室の順序でビニールシートを用いて窓、出入口戸等を養生し、男子浴室及び女子浴室にはビニールシートをカッターで切断し開口部を作ったが、特別浴室は窓のみに開口部を作った。その後、前述の順序で浴室にプライマーを塗布した。男子浴室のプライマーが乾燥したのでこれにのみ上塗りのウレタン防水塗布作業を行い、終了後に帰宅した。
 災害発生当日の午前9時30分に被災者A、Bが工事現場に到着し、午前中に、2人で女子浴室のウレタン防水塗布作業を行った。午前11時30分頃、Aが特別浴室壁面部のウレタン防水塗布作業を開始し、その後、Bが午後0時10分頃より、浴槽部の塗装を開始した。
 午後0時30分頃、Aは浴室の四方の壁のうち半分程塗装した状態で、Bは浴槽部の上半程度を塗装した状態で、2人共浴室で意識を失い倒れているのが、元請けの大工により発見され、救急車により病院に搬送された。
 ウレタン防水塗布作業は、主剤、硬化剤及び希釈剤を混合したものをローラーで塗布する作業である。また、被災時の特別浴室の開口部は、窓部の30cm×30cmのみで、出入口の戸はビニールシートで養生してあり、換気装置は設置されていなかった。なお、特別浴室の塗布予定面積は全体で14m2であったが、被災時点では9m2の塗布面積であった。
 使用されたウレタン防水溶剤は、主剤、硬化剤及び希釈剤(トルエン及びキシレンを含む)を混合したもので、被災時の塗布面積から有機溶剤の消費量を計算すると、トルエン約380g、キシレン約20gであった。浴室の気積、当日の気象条件等を勘案すると、トルエン及びキシレンの気中濃度は許容濃度をはるかに超えていたものと推定される。
 また、被災者の血液等の検査結果でもトルエンの数値が高く検出されたことから、トルエンが本災害の主因と推定される。
原因 1 通風が不十分な屋内作業場で換気をせずに有機溶剤を含む防水剤を塗布する作業を行ったこと。
2 通風が不十分な屋内作業場で有効な呼吸用保護具を使用せずに有機溶剤を塗布する作業を行ったこと。
3 有機溶剤作業主任者を選定しておらず、その業務である適切な作業方法の決定及び作業指揮が行われていなかったこと。
4 作業者に対して、労働安全衛生教育を十分実施していなかったこと。
5 有機溶剤業務の作業標準を作成していないこと。
対策 1 通風が不十分な屋内作業場については局所排気装置を設け、十分な換気を行うこと。
2 有効な呼吸保護具を使用すること。
3 有機溶剤業務については、作業主任者を選任し適切な作業方法の決定及び作業指揮を行わせること。
4 作業者に対し、材料の有害性及び取扱い注意事項、保護具の性能及び取扱い方法を十分教育すること。
5 安全衛生推進者等を選任し、安全衛生管理体制の確立を図ること。
6 有機溶剤業務の作業標準を作成すると共に、作業者に教育させること。
業種 その他の建築工事業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
建設業のみ 工事の種類 その他の建築工事
災害の種類 中毒
被害者数
死亡者数:− 休業者数:2人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.977
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