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増築工事中に洗浄剤使用により発生した二酸化塩素ガス中毒

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発生状況 本工事は、一般住宅の増築工事であり、被災者は外壁塗装と居間の汚れ落としに従事していた。
 塗装工事は通常、
1. 塗装する箇所の周囲に塗料などの汚れが付着しないように紙やビニールシートで養生する。
2. 塗装面のならし、傷埋めをする。
3. 塗装する。
 の手順で行うが、木部の汚れがひどい場合には、塗装を行う前に汚れ落としを行う。
 災害が発生したのは、被災者を含め3名で居間の床の汚れ落としを行っている時であった。
 災害発生当日、午前9時から3名は作業にかかった。居間の台所側と廊下側をビニールシートで閉鎖し、他の出入口の建具を外し、出窓を開放した。ワックスとニスの塗られた床材表面をサンダーで削り始めた。しかし、サンドペーパーに油分がすぐ付着し、削ることができなくなるため、一旦サンダーがけを中止した。そこで、剥離剤(成分クロロメタン系溶剤80〜90%)を床表面に2度はけ塗りした。その結果、ワックスとニスが浮き上がったので金属ヘラを用いて剥ぎ取り、床表面を平たんにしたところで午前中の作業を終了した。
 午後1時から汚れ落としをするため、洗浄剤A液(成分過酸化水素35%)、洗浄剤B液(成分メタケイ酸ソーダ20%)を約90c.c.づつ、混ぜ、さらに180c.c.の水を加えて希釈したものをはけを用いて床表面に塗った。3名横に並んで北側から南側に向かって塗り始め約10分程で終了した。
 洗浄剤は水溶性であり、当日の天気は雨であり湿度が高く、また、室内の風通しも悪いため乾きが遅く、一時間程作業を中断して待機した。
 午後2時過ぎから染みを抜くため染み抜き液(成分沸化水素9.5%)約180c.c.に水180c.c.を加えて、上記洗浄剤塗布作業と同様の作業を約15分程行った。少し時間をあけて、次に塗る日焼け落とし用のC液(あく洗い液D、E液を混合したもの)を一はけ試し塗りしたところ、鼻につくにおいがしたので、これでは作業はできないと判断し、3時過ぎまでの約1時間待機した。
 床表面が乾いた状態になったのであく抜き用D液(成分過酸化水素5.5%)とあく抜き用E液(成分亜塩素酸ナトリウム23%)とを100c.c.ずつ混ぜそれに200c.c.の水を加えて、上記あく抜きと同様の作業を行った。作業の途中、被災者は、鼻水と涙が出たが、残り作業も多くなかったため我慢して作業を終了させた。他の2人は臭かったという程度であった。はけ塗作業時に、特に換気装置の稼動や保護マスク、保護手袋、保護メガネの使用はしていなかった。
 被災者は、はけ塗り作業終了後、少し具合が悪いと言って2時間程休んでから帰宅した。午後10時頃になっても具合が悪いため、病院へ行ったところ入院加療となった。
原因 1. レブライト液が良く乾いていないうちにノーベル液(A、B)を塗り重ねたため二酸化塩素ガスClO2が発生した。
 4NaClO2+2HF→2ClO2+NaClO3+NaCl+2NaF+H2O
2. 居間の2箇所の入口をビニールで閉鎖していたため、出窓を開けていたものの換気が十分でなかった。
3. 作業者は、使用薬剤の取扱説明書の使用上の注意事項を読んでいたが、レブライト液は一応乾いていたので二酸化塩素ガスが発生したにもかかわらず、面積も狭くすぐに塗り終わると思い、作業を継続した。
4. 換気装置や保護マスク、保護メガネ、保護手袋を使用していなかった。
 亜塩素酸ナトリウムについては、酸の存在下では二酸化塩素の発生がわかっており、この旨、製品のラベルにも記載されている。
対策 1. 下塗りが十分乾燥してから新たな薬剤を塗ること。
2. 換気装置を稼動させ、換気を十分に行うこと。また、天気が悪く特に乾燥の悪い時には、作業を分割して、薬剤を少量づつ使用すること。
3. 作業中、体に異常を認めたら無理をせずに作業を中断すること。
4. 必要に応じ、保護マスク、保護メガネ、保護手袋を使用すること。
業種 その他の建築工事業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
建設業のみ 工事の種類 その他の建築工事
災害の種類 中毒
被害者数
死亡者数:− 休業者数:1人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.945
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