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アルミダイカスト製品の洗浄装置内に入り中毒・熱傷

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発生状況 本災害は、金属製品塗装業の工場において、アルミダイカスト製品の洗浄作業中、トリクロロエチレンによる中毒のため死亡したものである。
 被災者はトリクロロエチレン洗浄装置を使用して製品の洗浄作業をしていた。作業は洗浄用バスケットに製品を入れて、洗浄装置の上昇リフトに挿入し、洗浄装置より出てきた洗浄後のバスケットから製品を取り出して、他のバスケットに移すものであった。
 被災者の上司が洗浄装置の側を通った際洗浄装置に付属の設備であるトリクロロエチレンの蒸留装置から煙が出ていたので、被災者を呼んだが返事がなかったため洗浄後のバスケット付近に行ってみると洗浄装置は止まっていた。装置内をのぞいてみたところ、被災者が積み重なった2つの洗浄済バスケットと装置内壁との間に倒れていた。
 急いで被災者を装置から引っぱり出したが、すでに意識はなく死亡していた。被災当時は装置内にバスケットが2つ入っており、構造上このままでは装置が動かないため、被災者はバスケットの位置を直そうと装置内に立ち入ったものと思われる。装置内ではトリクロロエチレンを80〜100℃に加熱しており、被災者は高濃度のトリクロロエチレンの蒸気を吸って意識を失い、転倒して熱傷を負いショック死したものと思われる。
 この災害時と同様なトラブルは過去何度かあり、そのたびに被災者は上司を呼び、上司の指揮の下、2人で対処していた。また、有機溶剤作業主任者は、選任されていなかった。
原因 [1] 本件と同様なトラブルは、過去何度か発生しているにもかかわらず、トリクロロエチレンを洗浄槽から排出する等の非定常作業における作業標準を定める等の措置がなされていなかったこと。
 また、トラブルを防止するための構造的な改善措置が講じられていなかったこと。
[2] 有機溶剤作業主任者が選任されておらず、作業指揮が行われていなかったこと。
[3] 有機溶剤の危険有害性等についての教育が徹底されていなかったために、安易に洗浄装置内に立ち入ったこと。
対策 [1] 有機溶剤を排出してから洗浄槽内に立ち入る等の有機溶剤中毒予防規則に基づく措置を徹底させること。
[2] 洗浄槽内でのトラブルに際し、その対応について作業標準を作成し、適切な作業手順を徹底させること。
 また、送気マスクまたは防毒マスクの使用についても作業標準においてその使用を明確にすること。
[3] 抜本的に同様なトラブルを防ぐために洗浄バスケットが洗浄槽で詰まらないような構造的改善を図ること。
[4] 有機溶剤作業主任者を選任し、作業指揮を行わせること。
[5] 有機溶剤の危険有害性等についての教育を徹底すること。
業種 その他の金属製品製造業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.922
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