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硫酸製造工程の熱交換器補修作業における亜硫酸ガスおよび水銀中毒

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発生状況 本災害は、亜鉛鉱(酸化亜鉛)の精錬の過程で生じる亜硫酸ガスから硫酸を製造する工程の熱交換器の補修作業において発生した。
 この作業は、熱交換器の鋼管(チューブ)をガスバーナーで溶断、交換するものである。熱交換器は外側は亜硫酸ガス、内側は無水硫酸ガスが流れ、チューブの内外で熱交換をしている。今回の補修工事に先立ち、空運転をし亜硫酸ガスを排気した後、亜硫酸ガスおよび無水硫酸ガスのそれぞれの配管部のフランジに遮蔽板を入れ溶断作業を行ったものである。
 パイプの溶断作業開始後5日目頃から体の不調を訴える者が出ていたが、そのまま作業を続け、開始後1週間目の作業終了後には、作業者のうち1名が感冒(肺炎)様の症状を呈して入院した。翌日以降同様の症状を示す作業者が続出し、次々に入院したため、翌々日には作業を中止した。その後残りの作業者を受診させたところ、亜硫酸ガス中毒と診断され入院し、うち3名の作業者が死亡した。
 作業は直結式小型防毒マスク(亜硫酸・硫黄用吸収缶)を着用して行われており、災害後の調査により吸収缶内の劣化が認められた。
 その後の調査で亜硫酸ガス中毒のみならず水銀中毒による腎機能障害も発生していたことがわかった。
原因 [1] 硫酸製造工程では、硫酸鉄塩類が配管内部に付着することが知られており、硫酸鉄塩類が溶断により加熱分解され亜硫酸ガスが発生したこと。
[2] 直結式小型防毒マスク(亜硫酸・硫黄用吸収缶)の劣化があったこと。
[3] 水銀化合物がスラッジに含有されており、溶断の際に水銀蒸気が発生したと考えられること。
[4] 溶断の際に水銀蒸気を吸入したり、スラッジ中の水銀化合物が皮膚に付着し、水銀の皮膚吸収があったと考えられること。
[5] 体の不調を訴えていた者が出ていたのに、十分な原因調査をせず作業を続行したこと。
対策 [1] あらかじめ設備内の付着物の分析を行うこと等により、作業者が暴露するおそれのあるすべての有害物(直接取り扱うものおよび加熱等により発生するもの)について、その有害性の把握に努め、作業開始前に労働衛生教育を行うこと。
[2] 発生するおそれのある有害物の種類、濃度および作業時間等を考慮し、適切な保護具を使用させること。特に、呼吸用保護具については、送気マスクを使用させること。
[3] 発生するおそれのある有害物による中毒が疑われる症状を有する者が発見された場合には、直ちに作業を中止するとともに、作業に従事した者すべてに適切な健康診断を受診させること。
業種 その他
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
建設業のみ 工事の種類 その他の建設工事
災害の種類 中毒
被害者数
死亡者数:3人 休業者数:24人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.902
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