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自動洗浄装置内での修理作業中、有機溶剤で中毒

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発生状況 本災害は、自動車用配管部品等を製造している事業場のメッキ工場内にある自動洗浄装置の修理作業中に発生した。
 自動洗浄装置は内部に3つの槽があり、円筒状のカゴに洗浄するものを入れ、チェーンコンベアを使用して第1、第2、第3槽の順に自動的に送ることにより洗浄を行うものである。第1槽は水切り槽でジクロロメタンが入れてあり、そこで浸漬洗浄を行う。第2槽は液切り槽で、第1槽で洗浄した製品から落ちるジクロロメタンを受ける。第3槽はジクロロメタンの蒸気槽で、そこで蒸気洗浄される。
 災害発生当日の午後1時頃、自動洗浄装置の各槽内で製品かごを回転させるためのチェーンが切れたため、被災者Aはチェーンの掛け直し作業を補助者Bと開始した。
 2時半頃からAが、1人で修理作業を行っていた。5時頃、Bが修理の様子を見にいったところ、第2槽の中に座り込むように倒れているAを見つけた。Bは別の作業者3名C、D、Eと被災者を助けようと自動洗浄槽に入った。まず、Cが被災者の様子を確認しようと同槽に降りたところ、気を失って倒れたので、Dが同じ槽内に入り、槽の上からB、Eの2名がCを引き上げた。次にDが槽内でAを引き上げようとしたところ、Dも槽内で倒れてしまった。その後、外壁をはがしてA、Dを救出し病院に運んだが、Aは既に死亡、C、D及び救出作業を手伝っていた別の作業者Fの3名が入院加療となった。原因はいずれも有機溶剤による中毒であった。なお、AもDも有機溶剤作業主任者技能講習の修了者であった。
 また、修理作業を開始するにあたってAの指示によりBは第1槽、第2槽のジクロロメタンを除去したものの、第1槽、第2槽の槽の内部はジクロロメタンで濡れている状態で、第3槽はジクロロメタンが抜かれず、100l入ったままの状態であった。
原因 [1] 自動洗浄装置内で作を行う前に第3槽(蒸気槽)内のジクロロメタンを排出しなかったこと。また第1槽(水切り槽)、第2槽(液切り槽)に付着していたジクロロメタンを換気などにより取り除かなかったこと。
[2] 何らの換気等も行わず、作業を行ったこと。
[3] 有効な呼吸用保護具の備え付け、使用がなかったこと。
[4] 有機溶剤作業主任者がいて、有機溶剤に対処すべき事項は熟知していたはずであるが、必要な措置をとらなかったこと。
対策 [1] 自動洗浄装置の修理等洗浄槽の内部に入り作業を行う必要がある場合には、あらかじめ、緊急時を含めた作業標準を定め、関係作業者に教育訓練を実施すること。
[2] 有機溶剤作業主任者に、作業を開始する前に具体的な作業の方法を作業者に指示する等の措置を講じさせること。また、関係作業者に対し、有機溶剤の性状、取り扱い上の注意事項等を周知させること。
[3] 槽中の有機溶剤を全て排出し、槽の中に入る前に槽中の有機溶剤濃度を測定して中毒の恐れのないことを確認するとともに、槽の床、壁面から蒸発する有機溶剤による中毒を防止するため、作業中は換気を続けること。
[4] 換気が充分できない場合あるいは緊急時の救出のため、ホースマスク、エアラインマスク等の呼吸用保護具を用意すること。
業種 自動車・同付属品製造業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:3人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.879
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