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キュポラ補修作業中のCO中毒

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発生状況 鋳鉄融解用に使用されるキュポラは、通常2基が1組となり、図に示すように1本の煙突を共有している。キュポラは毎日交互に使用され、片方のキュポラを稼働しているときに、他方の補修が行われる。
 補修作業では、火落とし後の残土・コークスの処理、炉底付近の側壁耐火物の補修、キュポラの底への砂の敷き詰め等を行う。そのときには、稼働しているキュポラからのガス等の流入を防ぐために、補修するキュポラの煙道に仕切り板(ダンパー)を差し込んでから作業を行う。
 災害発生当日、通常通り1人で補修作業を行っていた作業者Aは、キュポラ内部を点検したところ、材料の投入口付近のレンガの損傷が激しかったので同箇所の補修をすることとした。
 投入口付近の補修作業では、キュポラ内部に突出したレンガに、10cm幅の板を2枚掛け置き、それを足場とした。キュポラの外からレンガを手渡す作業を同僚のBに頼み、Aがキュポラ内に入りレンガを張り替える作業を始めた。レンガの張り替えは、投入材の当たる箇所の12枚を対象としており、所要時間は20分間ほどの予定であった。
 作業を開始してまもなく、Aの頭上から煙やコークス粉が落ちてきたので上を見上げると、仕切り板が完全には閉まっておらず3cm程度の隙間が開いていた。そのまま作業を続けていたが、10分間ほど作業を続けレンガ9枚を張り替えたところで、気分が悪くなった。作業を中止して投入口にもたれるようにして外に顔を出したが気分が良くならず、ぐったりしているところをBに助け出された。
 なお、災害発生後に行われた発生場所の測定では、CO濃度200ppm以上(測定器測定限界オーバー)、酸素濃度21%であり、測定時には仕切り板は、1cm程度開いていた。
原因 (1) 2基のキュポラが煙道でつながっていたこと。
(2) 仕切り板の通し溝に異物がたまり、仕切り板が完全には閉まらなかったこと。
(3) 仕切り板の差し込みが不十分であったことを確認していながら改善しなかったこと。
(4) 稼働しているキュポラから発生した排気ガスが仕切り板の隙間から流入したこと。
(5) COガス用の防毒マスクを着用しなかったこと。
対策
(1) 補修の作業においては、
 [1] 作業の方法等を決定し、あらかじめ作業者に周知させること。
[2] 一酸化炭素による健康障害の予防について必要な知識を有する者のうちから指揮者を選任し、作業を指揮させること。
[3] 仕切り板(ダンパー)を二重に設け、確実に閉止すること。
[4] 二重に閉止した仕切り板(ダンパー)には、施錠をし、これらを開放してはならない旨を表示するか監視人を置くこと。
[5] 補修するキュポラの開口部で排ガスが流入する恐れのないものをすべて開放すること。
[6] 換気装置により、補修するキュポラの内部を十分換気すること。
[7] 測定等により、補修するキュポラの内部において一酸化炭素により健康障害を受けるおそれのないことを確認すること。
[8] 非常の場合に、直ちに、補修中のキュポラの内部の作業者を退避させるための、命綱、梯子等の器具を備えること。
[9] 一酸化炭素用防毒マスクを使用させること。
(2) キュポラの稼働作業においては特定化学物質等作業主任者を選任すること。
業種 鋳物業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:− 休業者数:1人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.836
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