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柱の洗浄作業中、二酸化塩素中毒となる

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発生状況 災害のあった工事は、木造家屋の室内の木部の洗浄を行うもので、シミ、汚れ落とし用の薬剤1(フッ化水素を含有する酸性水溶液)と、日焼け、カビ落とし、仕上げ用の薬剤2(過酸化水素水溶液と亜塩素酸ナトリウム水溶液を混合したもの)を使用していた。
 当日の作業手順としては、まず、天井、柱、張り等の木部に薬剤1をスポンジにしみ込ませて塗布し、乾燥した後に薬剤2を重ね塗りするというものであった。被災者は、薬剤が濃いほうが効果が高いものと考え、両薬剤とも通常は薄めて使うところを原液のまま使用した。このとき、ビニール手袋を着用していたが、呼吸用保護具は使用していなかった。
 2時間後、薬剤2を柱に塗布していたとき、喉がいがらっぽくなり咳き込んだが、さらに1時間ほど我慢して作業を続けたところ、症状がひどくなってきたので、作業を中止することにした。同僚の運転する車で帰社途中、息苦しくなってきたため、そのまま病院に行ったところ、二酸化塩素中毒と診断され、入院した。
 なお、作業を行っていた部屋は6畳間で、作業時には、北側、東側の窓、西側のカーテンウォールを取り外し、南側の開戸を開放して作業していたが、構造上風通しが悪かった上に、当日は屋外に風がなかったため、通風はほとんどなかった。
原因 (1) 酸性の薬剤1が十分乾かないうちに亜塩素酸ナトリウムを含む薬剤2を塗ったため、二酸化塩素ガスが発生したこと。なお、通常より高い濃度で薬剤を使用したため、発生した二酸化塩素ガスの量が通常想定されるより多くなったことも考えられる。
(2) 換気が不十分な室内で作業を行っていたこと。
(3) 作業時に呼吸用保護具を使用していなかったこと。
(4) 作業者が使用する薬剤の有害性について十分認識していなかったこと。
対策 (1) 酸を含んだ薬剤と亜塩素酸ナトリウムを含んだ薬剤を重ね塗りする場合は、一方が十分乾いてからもう一方を塗る等、これらができるだけ混合しないよう取り扱いに注意すること。また、定められた使用量・濃度を守ること。
(2) 有害なガスが発生する恐れがある場合、全体換気装置を使用する等十分な換気を行うこと。
(3) 有害なガスが発生する恐れがある作業を行う場合、適切な呼吸用保護具を使用すること。
(4) 事業者は、作業者に対し、使用する薬剤の有害性や取り扱い方法について十分な教育を行うこと。そのため、化学物質等安全データシート(MSDS)を活用すること。
業種 その他の建築工事業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
建設業のみ 工事の種類 その他の建築工事
災害の種類 中毒
被害者数
死亡者数:− 休業者数:1人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.810
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