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金属製品の洗浄装置における、非定常作業中の有機溶剤中毒

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発生状況 本災害は、ガス機器等の電磁弁等の製造を行っている事業場で、ダイカスト製品の洗浄を行う超音波自動洗浄装置(以下「洗浄装置」という)内で発生した有機溶剤中毒である。
 被災者は当該事業場の設備のメンテナンス等を担当している者である。災害発生当日、被災者は、洗浄担当の作業者より、洗浄装置内の浴洗槽にて回転中のかごの蓋がはずれ、洗浄中の製品が槽内で散乱したとの連絡を受け、現場に出向いた。
 被災者は、散乱した製品を回収するには、洗浄装置内に入る必要があると判断し、洗浄装置内の洗浄液を排出する作業を行った。洗浄液をすべて排出するのには約1時間かかるが、早く回収作業を始めるため、洗浄液が半分ほど残っている状態で洗浄液の排出作業をやめ、洗浄装置上部の開口部より、脚立を用いて洗浄装置内に入った。その際装置は停止していた。
 被災者は頭を下げ、火箸を用いて浴洗槽内に散乱した製品を拾い上げていたところ、残留している洗浄液の蒸気を吸入し気を失い、洗浄装置内でハンガーに引っかかった状態でいるところを、洗浄担当作業者に発見され、救出された。医師によりジクロロメタン中毒と診断され、15日間休業した。
 災害が発生した洗浄作業用の超音波自動洗浄装置は、超音波によりゴミ等を落とす超音波槽、常温で洗浄を行う浴洗槽、加熱洗浄を行う蒸気洗浄槽、エアーブローにより乾燥を行う乾燥槽の四槽からなり、乾燥槽以外は、洗浄液の有機溶剤が入っている。洗浄装置の入口および出口にはコンベヤーが設置されており、専用のかごに製品等を入れ、蓋をしてハンガーに乗せると、コンベヤーにより洗浄装置内へ自動的に運ばれ、出口のコンベヤーより排出される。超音波槽、浴洗槽にはかごを回転させる装置が設置されている。かごの蓋は、かご本体の側面に爪が入る構造であり、通常はかごを回転させても爪がはずれないようになっている。
 洗浄担当部門では、本災害が発生した洗浄装置の洗浄液に「ジクロロメタン」を使用していた。
 事業場内のほかの部門には有機溶剤用防毒マスクが保管されていたが、洗浄担当部門には防毒マスク等の保護具の備えはなく、被災者は保護具を着用していなかった。なお、有機溶剤作業主任者は当該作業を行っていることは知っていたが、当該作業は被災者の属するメンテナンス等担当部門が行うため直接指揮はしておらず、災害発生時には別の通常作業を行っていた。
原因 1 洗浄装置内に入っている洗浄液をすべて排出せずに、また、空気を送気する等の措置を講じないまま当該装置内に立ち入ったこと。
2 洗浄液の入っている洗浄装置内に、送気マスク、防護服等の保護具を着用せずに立ち入ったこと。
3 製品を入れたかごの蓋の爪が、確実にかかっていなかったため、洗浄装置内で製品が散乱する原因になったこと。
4 洗浄装置等の有機溶剤設備について、非定常作業の作業手順が作成されていなかったこと。
5 有機溶剤作業主任者が直接当該業務を指揮しなかったこと。
6 有機溶剤の危険性に関する教育が不十分であったこと。
対策 1 洗浄装置内に入る場合は、当該装置内の洗浄液をすべて排出し、十分な換気を行い送気マスク等の保護具を着用すること。
2 洗浄装置等の有機溶剤設備について、非定常作業時の作業手順を作成し、関係作業者に周知すること。
3 洗浄作業に使用するかごは、洗浄装置内で回転させてもかごの蓋が開かないように、蓋の爪の掛かりを十分確認すること。
4 洗浄装置内で作業を行うときは、有機溶剤作業主任者に当該業務を直接指揮させること。
5 有機溶剤業務にかかわる作業者に十分な衛生教育を実施すること。
業種 その他の電気機械器具製造業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:− 休業者数:1人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.807
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