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液化塩素の供給作業中、塩素ガスが噴出

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発生状況 本災害は液化塩素をタンクローリー車から、納入先の工場内塩素タンクに供給する作業において、フランジ(仕切り板)を取り外す作業をしていた際、残留していた塩素ガスが噴出し、そのガスを吸引した作業者が声門水腫のため窒息し、被災死したものである。災害発生当日、被災者Aは作業者Bとタンクローリー車を運転し、納入先の工場まで液化塩素を運んできた。AはBの補助者であり、本来の業務は運送である。
 2名は、工場到着後塩素タンクへの送給の準備作業に取りかかった。塩素タンクへの送給は、まず、塩素受け入れ配管の仕切り板およびタンクローリー車側の塩素供給口の仕切り板を取り外し、そして「銅管」と呼ばれる接続管をそれぞれの配管出入り口につないで、タンクローリー車から工場タンクに供給するという手順を採用していた。
 Bがタンクローリー車側の仕切り板を外す作業に従事し、被災者Aは塩素受け入れ場の作業床で、受入れ配管の仕切り板の締めボルトを緩め、仕切り板を取り外す作業を行った。
 Aが仕切り板の止めボルトを緩めた際、塩素受入れ配管入口から残留していた塩素ガスがAの顔面方向に噴出し、そのガスをAは吸引した。Aは「気分が悪い」と言って休憩していたが、その後息ができないと訴えたため、直ちに病院に運ばれたが発症から2時間半後に塩素ガスの吸引により窒息死した。
 なお災害発生当日は、この事故の発生した塩素ガス納入に先だって他の塩素搬入業者により塩素ガス納入が行われていたが、その際には塩素ガス漏洩等の異常はみられなかった。
 また、この運送業者と納入先事業場との間で取り決められていた作業分担表においては仕切り板の取外し作業は運送業者が、受入れ側バルブの開閉は納入先事業場が実施することになっていたが、納入先事業場の作業者は立ち会っていなかった。
原因 (1) 前回の納入作業の後、塩素受け入れ配管の仕切り板直近のバルブが確実に閉じられていなかったため、仕切り板の箇所まで塩素ガスがきていたものと判断される。
(2) 塩素受入の作業は、仕切り板を取り外す前に出入り口バルブを閉めて、配管内の残留塩素ガスを空気と置換したうえで仕切り板を取り外す必要があるが、このような手順をとらなかったこと。
(3) 特定化学物質等作業主任者の指揮のない状態で、かつ塩素の取扱いに十分に慣れていない被災者を当該作業に従事させたこと。
(4) 防毒マスク等の保護具を使用していなかったこと。
対策 (1) 運送業者と納入先事業場との連絡を十分とり、開閉バルブは、締め具等の器具を用いて閉めるなど作業を確実に行うこと。
(2) 適切な作業手順を作成し、作業者に周知すること。
(3) 有害ガスを吸引する恐れのある作業については、作業者に防毒マスク等の保護具を使用させること。
(4) すベての塩素取扱作業従事者に、作業につかせる前に十分な安全衛生教育を実施すること。
業種 道路貨物運送業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.770
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