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塗装工場の清掃時における水酸化ナトリウムによる皮膚障害

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発生状況 本災害は、塗装工場(A工場)における上塗ブースの槽内において、槽内の沈殿物を取り除く作業をしていた作業者(C業者からB請負業者へ派遣された労働者)が槽内の水酸化ナトリウムが溶解している水溶液を浴び、化学熱傷を負ったものである。
 当工場内の塗装ブースは4基あり、槽ごとに余剰の塗料を受ける槽が設置されており、上塗ブースは250×580cm(深さ70cm)であった。槽内には、常時50cmくらいの深さまで水道水が入れられ、また、2カ月ごとに、槽内に落下した塗料の粘性の除去と塗料を沈殿させるため、水酸化ナトリウムが入れられており(槽内の水溶液のpHは9〜11になるように管理されていた)、塗装ブースの清掃工事は6カ月に1度定期的に行われていた。
 災害発生当日は、まず、C社の作業者がバキュームカーを使用し槽内の水溶液を吸い上げた。次にB請負業者の作業者(現場責任者)の指示により、C業者の4名の作業者が上塗ブースの槽内の沈殿物(主として廃塗料)を除去するため、スコップですくってバケツに入れる作業を行った(沈殿物の深さは約30cm)。約1時間後、作業者の1名が、残っていた水溶液を顔、足、手に浴び、その部位に痛みを訴えたため、槽外の作業に変更した。変更させた後、現場責任者はこの作業者の水溶液が付着した部分が黒く変色しているのを見て、水溶液に皮膚に障害を与えるものが含まれていることに気が付いたが、そのまま作業を継続させた。その後、槽内の2名が水溶液を浴びた部位に痛みを訴えたが、上塗ブースの槽内作業はそのまま継続された。
 なお、災害発生当日、作業前に作業者全員にビニール手袋が配布されたが、皮膚障害防止用の労働衛生保護具は全く備えられておらず、また、作業者も作業衣、ビニール製のヤッケ、ゴム長靴以外は身に付けていなかった。
 その後、水溶液による痛みを訴えた3名は医療機関を受診し、水酸化ナトリウムによる化学熱傷と診断され、治療を受けたものである。
原因 [1] 作業開始前に、塗装ブース内の物質の有害性に関し、A工場からの説明がなく、B請負業者も確認しなかったこと。
[2] 作業開始前に、B請負業者が皮膚に障害を与えるものを取扱う業務において、当該業務に従事する作業者に使用させるための、適当な保護具(塗布剤、不浸透性の保護衣、履物など)を備えていなかったこと。
[3] 作業に従事する作業者に対して取り扱う物質の有害性、講ずべき対策等について教育を実施していなかったこと。
[4] B請負業者及び現場責任者は、1名の作業者が水溶液を浴びた部位に痛みを訴えた後も、保護具を着用させることなく作業を継続させたこと。
対策 [1] 産業廃棄物、有害物を取扱う業務を発注する場合は、発注者は施工業者に対して事前に取扱う物質の有害性等を通知すること。
[2] 施工業者は発注者からの情報に基づいて、適切な保護具を備え付けるなど講ずべき対策を検討すること。
[3] 作業に従事する作業者に対して取り扱う物質の有害性、講ずべき対策等について教育を実施すること。
業種 その他の廃棄物処理業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:− 休業者数:3人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.764
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