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トイレ掃除で2種類の洗剤を併用し発生した塩素ガスによる中毒

 
発生状況 本災害は、菓子の製造、販売を行う甲事業場において事業場内のトイレの清掃中に発生したものである。
 工場内の清掃は同事業場の営繕部が担当し、本件の被害者であるAが専従で従事していた。被害者Aは入社後約1週間は掃除場所や方法を覚えるために前任者と二人で、その後は単独で清掃を行っていた。清掃場所は、工場内、店のトイレ、更衣室、通路、洗面所など広い範囲におよんでいた。
 災害発生当日、Aはいつものように午前9時より店のトイレ、地下従業員トイレ、経理営業職員用トイレという順に掃除を行った。
 店用トイレでは、Aは洗剤を使用せず、地下従業員トイレでは次亜塩素酸ナトリウムを含む洗剤一種のみを使用した。その後、経理営業職員用トイレの清掃を行ったが、男子用トイレ清掃作業中、タイルの目地の汚れと男子用便器の一部の汚れがひどかったことから、二種類の洗浄剤を併用することにした。
 まず、次亜塩素酸ナトリウムを含む住宅用洗浄剤をタイル部分のほとんどすべての部分と便器の内、外側に対してスプレーで吹き付けた。
 その後、塩酸を含むトイレ用洗浄剤を便器の内側および外側の一部に流し、スポンジたわしで汚れ部分をこすり落とす作業を行った。しばらくして異臭に気付き、また涙が出るなどして苦しくなってきたのでトイレの窓を開け、戸も半開きにして、がまんをして男子用トイレの清掃を終えたが、その直後に胸が痛み吐き気がし咳が出て、一時呼吸困難な状態に陥った。
 Aは医院へ行き、塩素ガス吸入による症状と診断され入院した。なお、男子用トイレにおける作業時間は、約15分であった。
原因 本災害の直接の原因は、次亜塩素酸ナトリウムを含む洗剤と塩酸を含む洗剤とを併用し、接触混合させたために、塩素ガスが発生、それを吸入したことである。
 なお、被災者はこの2種の洗剤を家から持ってきて使用していたため、管理者は被災者がこれらの洗剤を使用していることを知らなかった。
対策 [1] 作業者に対し当該作業者が従事する業務に関する安全または衛生のため必要な事項について教育を実施すること。特に取り扱う化学物質の危険性または有害性や取り扱い方法に関することについての教育を徹底すること。
 また併せて、事故時等における応急措置や退避に関する事項についての教えを徹底すること。
[2] 有害ガスが発生した場合は、退避し、その後立ち入る場合には、有効な強制換気を行うか、適切な保護具を着用すること。
[3] 有害物の社内持ち込み使用については、管理者への届出、チェックなど十分な管理体制を確立すること。
業種 パン、菓子製造業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:− 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.657
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