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石油精製工場における定期修理工事中の火災

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発生状況 石油精製工場の精製装置の定期修理工事は、精製工程の各部門を順次運転停止し、油・ガス類を抜いたうえで火気を用いた修理工事を行い、これらの終了後、検査を行い運転を再開し全体を通常運転に戻すというものである。
 各部門での修理工事は次のように行われていた。
 〈常圧蒸留部門〉原油をLPG、ナフサ、軽油、重油等に分留する部門
[1] 運転再開のためスチームを用いた気密テストを行った結果、蒸留装置の塔頂部にある空気式熱交換器のフィンチューブ取付部に漏えいを発見し、その修理工事を行うこととなった。
[2] この修理工事は、ヘッダーボックスカバーの開放作業、フィンチューブの拡管作業、同カバーの取付作業に分かれ、被害者は取付作業に従事していた。
[3] 作業は、次のように行われた。
 (i) 装置内にあるスチームの除去のため窒素ガスを導入する。
(ii) ヘッダーボックスカバーの開放後、漏えいの発見されたチューブを手動工具を用いて拡管し漏れ止めをする。
(iii) ヘッダーボックス内を清掃する。
(iv) カバーを所定の位置に取り付ける。
 災害が発生したのは、(iv)の作業においてナットを電動インパクトレンチで締め付けた(最初の1個目)際に火炎が吹き出し付近にいた作業者2名が火傷を負ったものである。
 〈減圧軽油脱硫部門〉常圧蒸留部門の軽油を脱硫する部門
 反応系の気密テストとして、窒素ガスの導入による7.28及び48kg/cm2Gの圧力のもとでのテスト、次いで接触改質部門からその副生成分である水素を主成分(70〜80%)とする可燃性ガスの導入による78kg/cm2Gの圧力による最終テストを行っていた。一連の作業は次のとおりだった。
(i) 窒素ガスの導入は1インチ又は2インチのバルブを用いて行い、可燃性ガスの導入は8インチのバルブを用いて行う。
(ii) 7及び28kg/cm2Gの圧力での気密テストは2インチバルブを用いて行った。
(iii) 48kg/cm2Gの圧力での気密テストは、2インチバルブ系の窒素ガスが不足したため1インチを用いて行った。
(iv) (iii)のテスト後窒素ガスの圧力を44kg/cm2Gに降圧し、次いで8インチバルブを用いて可燃性ガスを追加導入して78kg/cm2Gの圧力での気密テストを行っていた。
 前述の火炎が吹き出したのは、この(iv)の作業中である。災害発生後に確認したところでは、8インチバルブを開放した際には1インチバルブも開放となっており、これらの供給系が連結された状態となっていた。なお、窒素ガス、可燃性ガスの元圧は、それぞれ7kg/cm2G、12kg/cm2Gであった。
原因 [1] 1インチバルブを開放のまま可燃性ガスを導入したため、可燃性ガスが窒素ガスの代わりに常圧蒸留部門の熱交換器に逆流して供給されたこと。(可燃性ガスの供給圧は12kg/cm2Gで窒素ガスの7kg/cm2Gより高いため)
[2] 同熱交換器の補修工事に用いた電動インパクトレンチが火源となって可燃性ガスに着火した。
[3] 各部門で相関連して修理工事が行われているにもかかわらず、作業間の連絡が十分でなかった。特に、減圧軽油脱硫部門では可燃性ガスを用いた気密テストが予定されていたわけで、この間の火気の使用禁止も含め、徹底した連絡調整がなされる必要があった。
[4] バルブ操作に当たっての操作基準等の的確な指示がなされていなかった。
対策 [1] バルブ操作を誤ることがないよう操作基準の明確化と作業指示の徹底を図ること。また、万一操作に誤りが生じた場合においても安全が確保されるよう二重の安全対策を講じること。(この場合には、可燃性ガスの逆流を防止する逆止弁の設置等)。
[2] たとえテストのためとは言え可燃性ガスを用いる場合には、関連する施設の修理工事も含め火気を使用する工事は禁止する等火気管理を徹底すること。やむなく工事を行う場合には使用する電気機械器具は防爆構造のものとすること。
[3] 相関連する工事が並行して行われる場合には、発注者との緊密な連携を図るとともに、作業間の連絡調整を徹底すること。
業種 機械器具設置工事業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 可燃性のガス
災害の種類(事故の型) 火災
建設業のみ 工事の種類
災害の種類
被害者数
死亡者数:− 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.642
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