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個人住宅の中庭壁面の塗装作業中に発生した有機溶剤中毒

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発生状況 災害が発生した場所は、四方を建物(高さ7.4m)で囲われた東西4m、南北2.1mの中庭である。
 A塗装店は、この中庭に面した建物の外壁面の塗装を請負った。
 被災者らは、災害発生前日、塗装の準備作業として、中庭部に塗装工事用足場(一側抱き丸太足場)を組み立てた。
 災害発生当日、被災者及び同僚2名は、午前8時半ころ現場に到着した。直ちに、中庭に面した壁面の開口部(窓等)、植栽、庭石等をビニールシートで目張り養生した後、屋上部に吹付け塗装機等の工事機材を運搬し、塗料、溶剤の調合を行った。
 塗料はトルエンを40〜50%、溶剤はトルエンを60〜70%含有しているものを用い、塗料2、溶剤1の割合で調合した。
 準備作業終了後、被災者は壁面の下部から吹付け塗装作業を開始したが、作業開始後まもなく、被災者は倒れた。屋上でローラー塗装作業を行っていた同僚がこれを発見し、直ちに外部に運び、そのまま病院に収容した。
 残っていた塗料及び溶剤の量から、トルエンの消費量は3.5〜4.3kgと推定された。これだけの有機溶剤が30分足らずの間に消費されたため、気中濃度は相当高濃度になったものと考えられる。
 さらに、吹付け塗装作業に当たって、強制換気は行われておらず、呼吸用保護具としては、活性炭入りガーゼマスクを使用していた。
原因 [1] 推定4kg前後のトルエンを30分前後で使用するという、大量に有機溶剤を使用する作業であり、そのうえ、自然換気が期待できない中庭部における作業であるにもかかわらず、強制換気を行わなかったため、高濃度の有機溶剤蒸気が滞留したこと。
[2] 使用していた活性炭入りガーゼマスクは、この作業には不適切な呼吸用保護具であったこと。
 また、直接原因は、[1]及び[2]であるが、このような事態を招来した間接的な原因として、作業主任者を選任していないなど、有機溶剤を用いる塗装作業に関して事業者の有害性についての認識が不十分であったことが上げられる。
対策 [1] 本災害発生場所のような自然換気の不十分な場所において塗装作業を行うときには、その作業の性質、作業場所の構造等に応じて十分な換気を行うこと。
[2] 塗装作業を行うときには、作業の性質に応じて有効な呼吸用保護具を使用すること。本災害のように自然換気を期待することができない場所であって、局所排気装置を設置することが難しい場所において作業を行うときは、作業環境中の有機溶剤蒸気の濃度が高濃度となるとともに酸素濃度が減少することがあるので、できれば送気マスクの使用が望ましい。また、有機ガス用防毒マスクを使用する場合には、その破過時間にも十分注意する必要がある。
 さらに、塗装業務に従事する者が有機溶剤により汚染され、又は吸入しないように適切な作業方法をとる必要がある。
 このために、本災害のような場合には、法定の有機溶剤作業主任者を選任して作業者の指導をさせるほか、全作業者対象として、適切に安全衛生教育を行う必要がある。
業種 その他
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
建設業のみ 工事の種類
災害の種類 中毒
被害者数
死亡者数:− 休業者数:1人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.634
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