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安全データシート
イタコン酸
作成日 2013/2/22
1.化学品及び会社情報
化学品の名称イタコン酸 (Itaconic acid)
製品コード24A6078
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急時の電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限 カーペットや紙用のSBRラテ ックス、不織布用のアクリルエマルジョン、セロハンおよびポリエステルフィルム用のポリ塩化ビニリデン、濃色染め用アクリル繊維などの生産にコモノマー等
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
健康に対する有害性眼に対する重篤な損傷/眼刺激性区分1
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)分類実施中
水生環境有害性 (長期間)分類実施中
オゾン層への有害性分類実施中
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。
GHSラベル要素
絵表示腐食性
注意喚起語危険
危険有害性情報重篤な眼の損傷
注意書き
安全対策保護眼鏡、保護面を着用すること。
応急措置眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
直ちに医師に連絡すること。
保管
廃棄内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
他の危険有害性粉塵の発生を避ける。微粉末の場合は粉塵爆発の危険性も考えられるので、多量の取扱いには注意する。

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名イタコン酸
別名2-メチレンコハク酸、2-メチレンブタン二酸、プロピレン-1,2-ジカルボン酸、2-Methylenesuccinic acid、2-Methylenebutanedioic acid、Propylene-1,2-dicarboxylic acid
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)C5H6O4(130.099)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号97-65-4
官報公示整理番号(化審法)(2)-1125
官報公示整理番号(安衛法)(2)-1125
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし。

4.応急措置
吸入した場合気分が悪いときは医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合多量の水と石けんで洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状データなし。
応急措置をする者の保護データなし。
医師に対する特別な注意事項データなし。

5.火災時の措置
消火剤水噴霧、粉末消火薬剤
使ってはならない消火剤情報なし。
特有の危険有害性燃焼ガスには、一酸化炭素などの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙の吸入を避ける。
特有の消火方法消火作業は、風上から行う。
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。
関係者以外は安全な場所に退去させる。
消火を行う者の保護消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。
必要に応じた換気を確保する。
環境に対する注意事項漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。
封じ込め及び浄化の方法及び機材少量の場合、吸着剤(土・砂など)で吸着させ取り除いた後、残りを大量の水で洗い流す。
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。
盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてからドラムなどに回収する。
必要があれば消石灰、ソーダ灰などで中和する。
粉末の場合は、電気掃除機(真空クリーナー)、ほうきなどを使用して回収する。
粉塵が飛散しないようにして取り除く。
微粉末の場合は、機器類を防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。
漏出物の上をむやみに歩かない。
火花を発生しない安全な用具を使用する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
安全取扱い注意事項保護眼鏡、保護面を着用すること。
接触回避データなし。
衛生対策取扱い後は手などをよく洗うこと。
保管
安全な保管条件換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
アルカリ性物質と一緒に保管しない。
安全な容器包装材料データなし。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2012年度版)未設定
ACGIH(2012年版)未設定
設備対策蒸気、ヒューム、ミストまたは粉塵が発生する場合は、局所排気装置を設置する。
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
保護具
呼吸用保護具必要に応じて、適切な呼吸用保護具を着用すること。
手の保護具必要に応じて、適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具保護眼鏡、保護面を着用すること。
皮膚及び身体の保護具保護眼鏡、保護面を着用すること。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状結晶(HSDB (2002))
白色(溶剤ポケットブック (1994))
臭い特異臭(Merck (14th, 2006) )
臭いのしきい(閾)値データなし。
pH2 (80 mg/L) (SIDS (Access on Aug. 2012))
融点・凝固点162-164℃(分解); mp 172℃(Merck (14th, 2006) )
沸点、初留点及び沸騰範囲268℃(SIDS (Access on Aug. 2012))
引火点800-900℃(測定法不明)(溶剤ポケットブック (1994)) 215℃(estimated)(測定法不明)(NITE総合検索 (Access on Aug. 2012)元文献:Carl L..Yaws: Handbook of Chemical Compound Data for Process Safety, Gulf Publishing Company)
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし。
燃焼性(固体、気体)データなし。
燃焼又は爆発範囲10-70vol%(溶剤ポケットブック (1994))
蒸気圧0.0000896 mmHg(25℃)(SRC Phys Prop (Access on Aug. 2012))
蒸気密度データなし。
比重(相対密度)1.630g/cm3(Merck (14th, 2006))
溶解度水:8.3 wt%(Ullmanns(E) (6th, 2003))
水、エタノール、THFに易溶,酢酸、アセトンに可溶、エーテル、クロロホルム、炭化水素に微溶(有機化合物辞典 (1985))
n-オクタノール/水分配係数-0.4 ( 25℃)(SIDS (Access on Aug. 2012))
自然発火温度430℃(MSDS(Merck) (2010))
分解温度162-164℃(Merck (14th, 2006) )
粘度(粘性率)データなし。

10.安定性及び反応性
反応性縮合重合モノマーとして反応する。
化学的安定性情報なし。
危険有害反応可能性粉塵爆発の危険性がある
避けるべき条件情報なし。
混触危険物質情報なし。
危険有害な分解生成物情報なし。

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットのLD50値は 2969 mg/kg(Directive EEC 84/449-B1; GLP)(SIDS (Access on Aug. 2012))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5に相当)とした。GHS分類:区分外
経皮ラットのLD0値は >2000 mg/kg(Directive EEC 84/449-B3; GLP)(SIDS (Access on Aug. 2012))に基づき、区分外とした。GHS分類:区分外
吸入:ガスGHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミストデータなし。GHS分類:分類できない
皮膚腐食性及び刺激性ウサギに本物質0.5 mLを24時間適用した試験(Directive 84/449/EEC, B.4; GLP)で刺激性なし(not irritating)との結果(PATTY (5th, 2001)、IUCLID (2000))に基づき、区分外とした。GHS分類:区分外
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性ウサギを用いた眼刺激性試験で、適用後24、48、72時間における評価の平均スコアは角膜混濁で4であり、角膜の損傷は約25%眼の下の部分に目視で確認され、また上皮の損傷(蛍光処理による角膜染色最大50%)が観察されたことから区分1とした。なお、本物質は劇物に指定(指定令第2条)されている(毒劇部会公開資料)。GHS分類:区分1
呼吸器感作性データなし。GHS分類:分類できない
皮膚感作性モルモットのマキシマイゼーション試験(Directive 84/449/EEC, B..6; GLP)において、感作性なし(not sensitizing)との結果(PATTY (5th, 2001)、IUCLID (2000))に基づき、区分外とした。GHS分類:区分外
生殖細胞変異原性マウスに経口投与による小核試験(in vivo変異原性試験)(Directive 84/449/EEC, B.12 GLP)で陰性の結果(IUCLID (2000))に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験として、エームス試験(Directive 84/449/EEC, B.14; GLP)、CHO細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG 473; GLP)、チャイニーズハムスター肺由来V79細胞を用いたHGPRT試験(OECD TG 476、GLP)の各試験でいずれも陰性の結果(IUCLID (2000))が報告されている。GHS分類:区分外
発がん性データなし。GHS分類:分類できない
生殖毒性ラットを用いた発生毒性・催奇形性試験(OECD TG415: GLP)でNOELが雌雄とも1000 mg/kg/dayと報告されている(SIDS (Access on Aug. 2012))が、それ以上の記載はなく詳細不明のため「分類できない」とした。GHS分類:分類できない
特定標的臓器毒性(単回ばく露)ネコに500 mg/kgを経口投与により、消化管での刺激性によると思われる嘔吐と下痢を起こしたが、1000 mg/kgまで全身性の毒性は認められず、また、ガイダンス値範囲を超えた5000 mg/kgは致死量であり、重度の消化管障害、痙攣、虚脱が見られている(PATTY (5th, 2001))。以上の結果のみでは分類には」データ不足であり、「分類できない」とした。GHS分類:分類できない
特定標的臓器毒性(反復ばく露)ラットの13週間混餌投与試験のNOAELは14000 ppm (1001〜1088 mg/kg/day)(PATTY (5th, 2001))、ラットの4週間経口投与試験のNOAELは500 mg/kg/day (90日換算値:154 mg/kg/day)(SIDS (Access on Aug. 2012))、ラットの90日間混餌投与試験のNOAELは2.0% (1748〜2158 mg/kg/day)(食品既存添加物 (2000))、ネコの14週間経口投与試験は100 mg/kg/dayで影響なし(NOAELは100 mg/kg/day以上)(PATTY (5th, 2001))との報告があり、複数の反復投与試験でNOAELがいずれもガイダンス値範囲上限を超えていることから、経口経路では区分外に相当する。しかし、他経路についてはデータがなく影響が不明のため、.特定標的臓器毒性(反復ばく露)の分類としては「分類できない」とした。GHS分類:分類できない
吸引性呼吸器有害性データなし。GHS分類:分類できない

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)分類実施中
水生環境有害性(長期間)分類実施中
オゾン層への有害性分類実施中

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。
国際規制 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。
国連番号特定できない。
国内規制
海上規制情報特定できない。
航空規制情報特定できない。
陸上規制情報毒劇法の規定に従う。
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
毒物及び劇物取締法劇物

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
<モデルSDSを利用するときの注意事項>
本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、 新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。 また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。