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安全データシート
1‐メチルナフタレン
作成日 2015年11月30日
1.化学品等及び会社情報
化学品等の名称1‐メチルナフタレン (1-Methylnaphthalene)
製品コードH27-B-024
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限ナフトエ酸原料、蛍光増白剤・界面活性剤原料、農薬溶剤 (化学工業日報社)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
H27.10.31、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改定版 (ver1.1): JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性引火性液体区分4
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分3 (気道刺激性、麻酔作用)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分2 (肺)
分類実施日
(環境有害性)
H21.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス (H20.9.5版) を使用
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分2
水生環境有害性 (長期間)区分2
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。

GHSラベル要素
絵表示感嘆符健康有害性環境
注意喚起語警告
危険有害性情報可燃性液体
飲み込むと有害
強い眼刺激
呼吸器への刺激のおそれ
眠気又はめまいのおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による肺の障害のおそれ
水生生物に毒性
長期継続的影響によって水生生物に毒性
注意書き
安全対策熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
口をすすぐこと。
眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。
漏出物を回収すること。
保管換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
涼しいところに置くこと。
施錠して保管すること。
廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性データなし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名1‐メチルナフタレン
別名α‐メチルナフタレン (α-Methylnaphthalene)
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)C11H10 (142.2)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号90-12-0
官報公示整理番号(化審法)4-80
官報公示整理番号(安衛法)データなし
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状皮膚 : 発赤。
眼 : 発赤、痛み。
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別な注意事項データなし

5.火災時の措置
消火剤泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類、水噴霧
使ってはならない消火剤棒状放水
特有の危険有害性熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。
激しく加熱すると燃焼する。
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
容器が熱に晒されているときは、移動させない。
安全に対処できるならば着火源を除去すること。
消火を行う者の保護適切な空気呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置全ての着火源を取り除く。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
密閉された場所に立入る前に換気する。
環境に対する注意事項環境中に放出してはならない。
この物質は水生環境に有害である
封じ込め及び浄化の方法及び機材危険でなければ漏れを止める。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
安全取扱い注意事項 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
炎や高温のものから遠ざけること。−禁煙。
取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
皮膚との接触を避けること
飲み込まないこと
眼に入れないこと
接触回避酸化物
衛生対策取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件容器を密閉して換気の良い冷所で保管すること。
施錠して保管すること。
炎や高温のものから離して保管すること。−禁煙。
安全な容器包装材料データなし

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2015年度版)未設定
ACGIH(2015年版)TLV-TWA: 0.5 ppm (3 mg/m3)
(1-メチルナフタレン及び2-メチルナフタレン)
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
作業場には全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
保護具
呼吸用保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体 (20℃, 1気圧) (GHS判定)
無色 (ICSC (1997))
臭い芳香 (GESTIS (2015))
臭いのしきい(閾)値0.02 ppm (室温) (HSDB (2015))
pHデータなし
融点・凝固点-22℃ (ICSC (1997))
沸点、初留点及び沸騰範囲245℃ (ICSC (1997))
引火点82℃ (ICSC (1997))
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
燃焼性(固体、気体)データなし
燃焼又は爆発範囲下限:0.7 vol% 40 g/m3
上限:6.5 vol% 380 g/m3 (GESTIS (2015))
蒸気圧7.2 Pa (ICSC (1997))
蒸気密度4.9 (空気 = 1) (ICSC (1997))
比重(相対密度)1.02 (水 = 1) (ICSC (1997))
溶解度水: 25.8 mg/L (25℃) (HSDB (2015))
アルコール、水: 可溶 (HSDB (2015))
n-オクタノール/水分配係数logP = 3.87 (ICSC (1997))
自然発火温度529℃ (ICSC (1997))
分解温度データなし
粘度(粘性率)データなし

10.安定性及び反応性
反応性可燃性の液体で、加熱すると引火しやすくなる。
わずかに引火性の液体。
水に不溶。
わずかに揮発する。
可燃性。強い酸化物と反応し、加熱によりより鋭敏になる。
化学的安定性データなし
危険有害反応可能性強い酸化物及び酸化物と激しく反応する。
避けるべき条件加熱
混触危険物質酸化物
危険有害な分解生成物加熱時に、刺激性の煙及びヒュームを生じる。

11.有害性情報
急性毒性
経口GHS分類: 区分4
ラットのLD50値として、1,840 mg/kgとの報告 (環境省リスク評価第10巻 (2012)、HSDB (2015)) に基づき、区分4とした。
経皮GHS分類: 区分外
ウサギのLDLo値として、7,500 mg/kgとの報告 (環境省リスク評価第10巻 (2012)) に基づき、区分外とした。新たに入手した環境省リスク評価第10巻 (2012) のデータに基づき、区分を見直した。
吸入:ガスGHS分類: 分類対象外
GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。なお2-メチルナフタレンと本物質との2:1混合物の飽和蒸気をラットの6時間ばく露させた結果、毒性影響はみられなかったとの報告 (IRIS Tox. Review (2003)) がある。
吸入:粉じん及びミストGHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性GHS分類: 区分外
ウサギを用いた試験において本物質を4時間又は24時間閉塞適用した結果、4時間適用群では回復性のある弱い発赤と浮腫がみられ、24時間適用群では中等度から強度の刺激性がみられたとの報告がある (BUA 47 (1990))。また、本物質と2-メチルナフタレンの混合物をウサギの皮膚に適用した結果、刺激性はみられたが腐食性はみられなかったとの記載がある (IRIS Tox. Review (2003))。なお、具体的な情報ではないが本物質は皮膚刺激性を持つのとの記載があるものの、刺激の程度について記載はない (環境省リスク評価第10巻 (2012)、HSDB (2015))。以上より、4時間適用の結果軽度の刺激性がみられたとの結果から、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性GHS分類: 区分2
本物質は眼に刺激性を持つ (環境省リスク評価第10巻 (2012)、HSDB (2015)) との記載から区分2とした。なお、本物質と1-ナフタレンの混合物をウサギの眼に適用した結果、刺激性はみられたが腐食性はみられなかったとの記載がある (IRIS Tox. Review (2003))。
呼吸器感作性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。なお、本物質を含む一般流通品 (本物質40%、2-メチルナフタレン60%) を用いたマキシマイゼーション試験 (OECD TG406、GLP準拠) において感作性はみられなかったとの報告がある (BUA 240 (2005))。
生殖細胞変異原性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、ヒトリンパ球の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性である (環境省リスク評価第10巻 (2012)、ACGIH (7th, 2007)、ATSDR (2005)、NTP DB (2015))。
発がん性GHS分類: 分類できない
マウスに81週間混餌投与した試験において、雄では細気管支/肺胞の腺腫、又は腺がんの発生率の増加が認められたが、雌ではみられなかった (ACGIH (7th, 2007)、環境省リスク評価第10巻 (2012)、ATSDR (2005))。国際機関による発がん性分類結果としては、ACGIHが本物質と異性体の2-メチルナフタレンの発がん性に対し、A4に分類しているのみである (ACGIH (7th, 2007))。以上より、本項は「分類できない」とした。
生殖毒性GHS分類: 分類できない
ラットに強制経口投与した反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、最高用量の250 mg/kg/dayで雌雄ともに肝臓重量の増加がみられたが、親動物の性機能、生殖能、児動物の生後4日までの発生・発達への有害影響はみられなかった (経済産業省による安全性試験結果 (2015))。ただし、スクリーニング試験結果であるため、これのみでは「区分外」と判断しない。この他、マウスに81週間混餌投与した試験で、143.7 mg/kg/day相当量まで雌雄の生殖器官への影響はみられないとの報告がある (ATSDR (2005)、環境省リスク評価第10巻 (2012))。以上より、本項はデータ不足のため、「分類できない」とした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)GHS分類: 区分3 (気道刺激性、麻酔作用)
本物質は気道刺激性がある (ACGIH (7th, 2007)、環境省リスク評価第10巻 (2012)、HSDB (2015))。実験動物では、マウスの吸入ばく露で、50%呼吸数低下濃度 (RD50) が129 mg/m3 (0.129 mg/L) であるとの報告があり (ACGIH (7th, 2007)、環境省リスク評価第10巻 (2012))、これは刺激性による呼吸変化と判断した。ラットの吸入ばく露 (0.25〜0.41 mg/L) で、熱刺激に対する前脚なめ反応時間が増加したため痛覚低下としたとの報告がある (ATSDR (2005)、BUA 240 (2005))。この痛覚低下については、麻酔作用と判断した。
以上より、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)GHS分類: 区分2 (肺)
実験動物では、マウスを用いた81週間経口投与毒性試験において、雄で71.6 mg/kg/day、雌で75.1 mg/kg/dayの用量で、肺の肺胞蛋白症がみられている (ATSDR (2005)、ACGIH (7th, 2007)、環境省リスク評価第10巻 (2012))。この用量は区分2の範囲であった。
したがって、区分2 (肺) とした。
なお、1-メチルナフタレンと2-メチルナフタレンの混合物をマウスに2回/週の頻度で30週間 (総投与量: 119 mg/kg)、あるいは61週間 (総投与量: 30、119 mg/kg) 経皮投与した試験において、いずれも119 mg/kgで肺胞蛋白症がみられ、死亡例においては死因と考えられる内因性脂質性肺炎 (リポイド肺炎) がみられている (ATSDR (2005)、ACGIH (7th, 2007)、環境省リスク評価第10巻 (2012))。
吸引性呼吸器有害性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)GHS分類: 区分2
甲殻類 (ブラインシュリンプ) の24時間IC50 = 1.61 mg/L (環境省初期リスク評価第2巻 (2003)) から区分2とした。
水生環境有害性(長期間)GHS分類: 区分2
@急速分解性が無く (難分解性; 4週間標準法でBODによる分解度: 2% (既存点検 (2004))、甲殻類 (オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.22 mg/L (環境庁生態影響試験 (1999)) から、区分2とした。
A急速分解性が無く (難分解性; 4週間標準法でBODによる分解度: 2% (既存点検 (2004))、急性毒性区分2であることから、区分2とした。
ともに区分2であるため、区分2とした。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、または地方公共団体が廃棄物処理を行っている場合はそこに委託して処理する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号3082
国連品名ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, LIQUID, N.O.S
国連危険有害性クラス9
副次危険
容器等級L
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法に従う。
航空規制情報航空法に従う。
陸上規制情報消防法、道路法に従う。
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号171

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
化審法旧第3種監視化学物質
航空法[有害物質]
消防法第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体
船舶安全法[有害性物質]
大気汚染防止法有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質
海洋汚染防止法有害液体物質
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第1種指定化学物質
外国為替及び外国貿易管理法輸出貿易管理令別表第1の16の項
輸入貿易管理令第4条第1項第2号輸入承認品目「2の2号承認」
輸出貿易管理令別表第2
特定廃棄物輸出入規制法
(バーゼル法)
廃棄物の有害成分・法第2条第1項第1号イに規定するもの

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。