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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
メチルビニルケトン
作成日 2008年10月06日
改訂日 2016年03月31日
改訂日 2021年03月12日
1.化学品等及び会社情報
化学品の名称メチルビニルケトン (Methyl vinyl ketone)
製品コードR02-B-004
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限アルキル化剤,合成樹脂原料、ステロイド,レチノールの合成原料 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
物理化学的危険性引火性液体区分2
自己反応性化学品タイプG
健康に対する有害性急性毒性 (経口)区分2
急性毒性 (経皮)区分1
急性毒性 (吸入: 蒸気)区分1
皮膚腐食性/刺激性区分1
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分1
皮膚感作性区分1
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)区分1 (中枢神経系、呼吸器、腎臓)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)区分1 (呼吸器)
分類実施日
(環境有害性)
平成27年度、政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分1
水生環境有害性 (長期間)区分1
GHSラベル要素
絵表示炎どくろ腐食性健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報引火性の高い液体及び蒸気
飲み込むと生命に危険
皮膚に接触すると生命に危険
重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
重篤な眼の損傷
吸入すると生命に危険
中枢神経系、呼吸器、腎臓の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性
注意書き
 安全対策熱、高温のもの、火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
容器を密閉しておくこと。
涼しいところに置くこと。
容器を接地しアースをとること。
防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する措置を講ずること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
眼、皮膚、衣類につけないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
呼吸用保護具を着用すること。
 応急措置火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ちに医師に連絡すること。
皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
漏出物を回収すること。
 保管容器を密閉しておくこと。
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名メチルビニルケトン
別名3-ブテン-2-オン
エテニルメチルケトン
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C4H6O (70.09)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号78-94-4
官報公示整理番号
(化審法)
2-567
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ちに医師に連絡すること。
半座位をとる。
人工呼吸が必要なことがある。
皮膚に付着した場合直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
飲み込んだ場合直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
コップ1、2杯の水を飲ませる。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入: 灼熱感、咳、咽頭痛、息切れ、息苦しさ、頭痛、めまい、振戦、症状は遅れて現われることがある。
皮膚: 吸収される可能性あり!発赤、痛み、皮膚熱傷。他の症状については、「吸入」参照。
眼: 流涙、充血、痛み、重度の熱傷。
経口摂取: 灼熱感、腹痛、ショック/虚脱。他の症状については、「吸入」参照。
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項肺水腫の症状は 2〜3時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。
添加された安定剤や抑制剤がこの物質の毒性に影響を与える可能性があるので、専門家に相談する。

5.火災時の措置
適切な消火剤水噴霧、粉末消火薬剤、耐アルコール性泡消火薬剤、二酸化炭素
使ってはならない消火剤棒状注水
特有の危険有害性引火性が高い。
蒸気/空気の混合気体は、爆発性である。
特有の消火方法水を噴霧して容器類を冷却する。
消火を行う者の保護自給式呼吸器を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり)
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材すべての発火源を取り除く。
漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める。
残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる。
地域規則に従って保管処理する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項裸火禁止、火花禁止、禁煙。
容器を密閉しておくこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
眼、皮膚、衣類につけないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
環境への放出を避けること。
作業時のどの時点でも、許容濃度(天井値)を超えてはならない。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
涼しいところに置くこと。
施錠して保管すること。
耐火設備で保管すること。
暗所に保管すること。
強還元剤、強酸化剤および強塩基から離しておくこと。
安定化した状態でのみ貯蔵すること。
安全な容器包装材料消防法、国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会 (2020年度版)未設定
ACGIH (2020年版)TLV-Ceiling limit: 0.01 ppm, 0.029 mg/m3
設備対策容器を接地しアースをとること。
防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する措置を講ずること。
取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。
適切な局所排気装置・換気装置等を使用する。
保護具
呼吸用保護具状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式呼吸器を使用することとの記載あり)
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡/保護面を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣 (化学防護服) を着用する。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式呼吸器付化学保護衣を使用することとの記載あり)

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態液体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色から黄色
臭い刺激臭
融点/凝固点-7℃ (ICSC (2003))
沸点、初留点及び沸騰範囲81℃ (NFPA (14th, 2010))
可燃性可燃性 (爆発限界より) (ICSC (2003))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界2.1〜15.6 vol% (NFPA (14th, 2010))
引火点 -7℃ (c.c.) (NFPA (14th, 2010))
自然発火点491℃ (NFPA (14th, 2010))
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率0.807 cP (21℃) (粘性率) (HSDB (Access on April 2020))
溶解度60.6 g/L (25℃) (推算値) (Howard (1997))
n-オクタノール/水分配係数log Pow = 0.41 (est) (HSDB (Access on April 2020))
蒸気圧152 mmHg (25℃) (HSDB (Access on April 2020))
密度及び/又は相対密度0.83 g/cm3 (GESTIS (Access on April 2020))
相対ガス密度2.42 (空気=1) (ホンメル (1991))
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性過酸化物、熱、光、酸化剤の影響下で、重合する。
危険有害反応可能性強塩基、強還元剤および強酸化剤と反応する。
避けるべき条件熱、光、混色危険物質との接触
混触危険物質強塩基、強還元剤、強酸化剤
危険有害な分解生成物情報なし

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 23.1 mg/kg (ACGIH (7th, 2019)、GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020))
(2) ラットのLD50: 31 mg/kg (MAK (DFG) vol.9 (1998))
経皮【分類根拠】
(1) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: 約10〜50 μL/kg (約8.3〜41.5 mg/kg) (GESTIS (Access on April 2020))
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (200,016 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): 7 mg/m3 (2.4 ppm) (ACGIH (7th, 2019)、GESTIS (Access on April 2020))
(2) ラットのLC50 (4時間): 22.4 mL/m3 (22.4 ppm) (MAK (DFG) vol.9 (1998))
(3) 本物質の蒸気圧: 152 mmHg (25℃) (飽和蒸気圧濃度換算値: 200,016 ppm) (HSDB (Access on April 2020))
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)〜(4) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質はヒトの皮膚、眼、気道に対する強い刺激物であり、特に眼や呼吸器の粘膜に対してさらに強い刺激性を示す (ACGIH (7th, 2001))。
(2) 本物質は粘膜に対して強い刺激性を有し、皮膚に接触すると激しい壊死を引き起こす (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(3) 本物質は皮膚と粘膜に対し強い刺激性及び腐食性作用を示し、眼と肺に重大な損傷を与える (GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020))。
(4) ウサギの皮膚に本物質 (0.2 mL) を適用した試験 (適用時間不明) で、1時間後に充血及び浮腫、2日目には浮腫は消失したが、深い化膿性潰瘍を生じ、回復に28?30日を要した (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)〜(5) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質はヒトの皮膚、眼、気道に対する強い刺激物であり、特に眼や呼吸器の粘膜に対してさらに強い刺激性を示す (ACGIH (7th, 2001))。
(2) 本物質は粘膜に対して強い刺激性を有し、皮膚に接触すると激しい壊死を引き起こす (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(3) 本物質は皮膚と粘膜に対し強い刺激性及び腐食性作用を示し、眼と肺に重大な損傷を与える (GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020))。
(4) ウサギの眼に本物質1滴を適用した試験で、重度の角膜変性及び眼瞼の組織損傷を生じ、最終的に眼の欠損を生じた (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(5) 本物質は皮膚腐食性物質 (区分1) に区分されている。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1)〜(3) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質は動物実験の結果に基づき感作性物質と報告されている (ACGIH (7th, 2001))。
(2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (Polak法及びOpen epicutaneous test) で陽性と報告されている (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(3) 本物質は皮膚感作性を有する (GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020))
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)、(2)より、in vivo、in vitroとも明確な陽性知見がなく、データ不足で分類できない。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、ラットを用いた小核試験は不確かな結果であり、マウスを用いた小核試験の結果は雌で陰性、雄で不確かな結果の報告がある (CEBS (Access on April 2020))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性の結果が得られているが、それは特殊な条件下または標準的な方法でもハムスターS9を用いた場合のみである (MAK (DFG) vol. 9 (1998)、ACGIH (7th, 2001)、CEBS (Access on April 2020))。
発がん性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
生殖毒性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
(1)〜(6) より、区分1 (中枢神経系、呼吸器、腎臓) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質は粘膜、特に眼や気道の粘膜に強い刺激作用があり、気管支肺炎と急性肺水腫を引き起こす。動物実験での経口または経皮投与後の主な影響は、中枢神経抑制 (無関心、協調性障害、四肢麻痺) である。本物質の主な全身影響は重度の腎障害である (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(2) ラット、マウスに41.3 mL/m3の濃度で15〜20分間 (4時間換算値: 0.03 mg/L、区分1の範囲) 吸入ばく露した結果、死亡、重度の粘膜刺激、呼吸困難、中枢神経障害、内臓と脳の充血及び浮腫がみられた (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(3) ラット、マウス、モルモットに100 mL/m3の濃度で60分間 (4時間換算値: 0.15 mg/L、区分1の範囲) 吸入ばく露した結果、致死 (ウサギの半数、モルモットの3分の1)、気管支肺炎 (生物種の記載なし) がみられた (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(4) マウス、ラットに10〜60 mg/kg (区分1の範囲) を経口投与した結果、食欲不振、呼吸困難、被毛の乱れ、四肢の麻痺がみられた (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(5) ウサギに約17 mg/kg (区分1の範囲) を経口投与した結果、致死がみられたほか無関心、食欲不振、胃粘膜の刺激、腎臓の障害がみられ、約9〜13 mg/kg (区分1の範囲) を経口投与した結果でも腎臓の障害が報告されている (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(6) ネコに約4 mg/kg又は約2.5 mg/kg (いずれも区分1の範囲) を単回経口投与した結果でも、腎臓の障害が報告されている (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1 (呼吸器) とした。

【根拠データ】
(1) ラットに13週間吸入ばく露 (6時間/日、5日/週) した結果、0.5 ppm (ガイダンス値換算: 0.001 mg/L、区分1の範囲) 以上で鼻腔の病変 (呼吸上皮の過形成等) がみられた (ACGIH (7th, 2019))。
(2) マウスに13週間吸入ばく露 (6時間/日、5日/週) した結果、0.5 ppm (ガイダンス値換算: 0.001 mg/L、区分1の範囲) 以上で白血球数の減少 (雄のみ) が、2 ppm (ガイダンス値換算: 0.004 mg/L、区分1の範囲) 以上で鼻腔の病変 (移行上皮及び呼吸上皮の扁平上皮化生) がみられた (ACGIH (7th, 2019))。

【参考データ等】
(3) 本物質の主な全身影響は重度の腎障害であるとの記載がある (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(4) ラットに6.9 mL/m3を2.5ヵ月間 (4時間/日) 吸入ばく露した試験で、一般的な中毒症状のほか、肝臓及び腎臓の機能障害が生じたと報告されているが詳細は不明である (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
誤えん有害性*【分類根拠】
(1) と(2) より、国連分類基準による区分2に該当するため、現行分類ガイダンスに従い、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 13を超えない炭素原子で構成されたケトンである。
(2) 動粘性率が21℃で0.97 mm2/s (21℃での粘性率0.807 mPa・s(HSDB (Access on April 2020)) と密度0.83 g/cm3 (GESTIS (Access on April 2020)) から算出)であることから、40℃の動粘性率が14 mm2/s以下である。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 (急性)藻類 (Pseudokirchneriella subcapitata) の96時間EC50 (biomass) = 0.12 mg/L (HSDB (2007) 、AQUIRE (2016)) であることから、区分1とした。
水生環境有害性 (長期間)信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性に関する適切なデータが得られておらず、急性毒性区分1であることから、区分1とした。
オゾン層への有害性データなし

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。
国際規制
国連番号1251
国連品名METHYLVINYLKETONE, STABILIZED
国連危険有害性クラス6.1
副次危険3,8
容器等級I
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質-
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報消防法、道路法の規定に従う。
特別な安全上の対策消防法、道路法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*131P (P:爆発的な重合を起こすおそれ)
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)【4の2 その他の引火点−30℃以上0℃未満のもの】
名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【588 メチルビニルケトン】
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【588 メチルビニルケトン】
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)
作業場内表示義務(法第101条の4)
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)-
毒物及び劇物取締法-
消防法第4類引火性液体、第一石油類水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)【2 第一石油類水溶性液体】
道路法車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【5 第一石油類水溶性液体】
航空法輸送禁止(施行規則第194条)【【国連番号】1251 メチルビニルケトン(安定化されたもの)】
船舶安全法毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】1251 メチルビニルケトン(安定剤入りのもの)】
運送禁止(危規則第7条、危険物告示第5条)【4−ト メチルビニルケトン】
港則法その他の危険物・毒物類(毒物)(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)【2チ メチルビニルケトン(安定剤入りのもの)】

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)
International Chemical Safety Cards (ICSC)
Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
GESTIS Substance database (GESTIS)
ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用