1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | フッ化ナトリウム(Sodium fluoride) | ||
製品コード | H29-B-005 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 防腐剤,殺菌剤,殺そ剤(失効農薬)、金属表面処理剤、アルカリ中和剤、ムシ歯予防用薬剤 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | - | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分3 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系、心臓、腎臓) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (歯、骨) 区分2 (心臓、肝臓、腎臓、生殖器 (男性)) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分3 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分3 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと有毒 皮膚刺激 重篤な眼の損傷 神経系、心臓、腎臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による歯、骨の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による心臓、肝臓、腎臓、生殖器 (男性)の障害のおそれ 水生生物に有害 長期継続的影響によって水生生物に有害 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 直ちに医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注)”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | |||
保管 | 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | フッ化ナトリウム | ||
別名 | フロリジン フッ化ソーダ | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | NaF | ||
化学特性 (示性式又は 構造式) | |||
CAS番号 | 7681-49-4 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 1-332 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させる。半座位をとる。医療機関に連絡する。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。意識がある場合のみ、吐かせる。多量の水を飲ませる。直ちに医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳、咽頭痛 皮膚:発赤 眼:発赤、痛み 経口摂取:腹痛、灼熱感、痙攣、嗜眠、咳、下痢、咽頭痛、嘔吐、意識喪失 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要である。 |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素 大火災:粉末消火剤、二酸化炭素、耐アルコール性泡消火剤、散水 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
特有の危険有害性 | 火災時に刺激性、腐食性、毒性のガスを発生するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 水を噴霧して容器類を冷却する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な保護具や耐火服を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(有害粒子用フィルター付マスク等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | こぼれた物質をふた付容器内に掃き入れる。 残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 裸火禁止。 高温面との接触禁止。 粉じんを発生させないようにする。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
接触回避 | 「10.安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 酸、食品や飼料から離しておく。 容器を密閉し、乾燥した冷所に保管する。 換気のよい場所で保管する。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2017年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2017年版) | TLV-TWA: 2.5 ppm (Fluorides, as F) | ||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 粉じんが発生する場合、必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 顔面シールド、又は粉末の場合には呼吸用保護具と眼用保護具を併用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 白色の結晶又は粉末 (ICSC (J) (2003)) | ||
臭い | 無臭 (HSDB (2017)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 7.4 (HSDB (2017)) | ||
融点・凝固点 | 993℃ (ICSC (J) (2003)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 1,700℃ (ICSC (J) (2003)) | ||
引火点 | 情報なし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 不燃性 (ICSC (J) (2003)) | ||
燃焼又は爆発範囲 | 情報なし | ||
蒸気圧 | 1 mmHg (1,077℃) [換算値 133 Pa (1,077℃)] (HSDB (2017)) 5.43×10-26 mmHg (25℃) [換算値 7.2×10-24 Pa (25℃)] (EPA RED (2007)) | ||
蒸気密度 | 情報なし | ||
比重(相対密度) | 2.78 (Merck (15th, 2013)) | ||
溶解度 | 水:4.0 g/100 mL (20℃) (ICSC (J) (2003)) アルコールに不溶 (HSDB (2017)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | -0.77 (EPA RED (2007)) | ||
自然発火温度 | 情報なし | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 高温面や炎に触れると分解して、有毒で腐食性のヒュームを生成する。 酸と激しく反応し、フッ化水素を生成する。 | ||
避けるべき条件 | 高温、混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 有毒で腐食性のヒューム(フッ化水素) |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分3 ラットのLD50値として、31 mg fluoride (F)/kg、52 mg F/kg、54 mg F/kg、85.5 mg F/kg、101.3 mg F/kg、126.3 mg F/kg (ATSDR (2003))、32 mg F/kg、51.6 mg F/kg (IARC 27 (1982)) の8件の報告がある。NaFの分子量41.99、F原子の分子量19.00よりフッ化ナトリウム量に換算すると、69 mg/kg、110 mg/kg、120 mg/kg、189 mg/kg、223.9 mg/kg、279.1 mg/kg、71 mg/kg、114 mg/kgとなり、いずれも区分3に該当する。したがって区分3とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分2 ウサギを用いた一次皮膚刺激性試験 (EPA OPPTS 870.2500) で、軽度の刺激性がみられたとの報告がある (EPA Pesticide (2007))。 ラットを用いた24時間適用の皮膚刺激性試験で、表在性の壊死、浮腫、炎症がみられたとする報告がある (ATSDR (2003))。よって、区分2とした。なお、本物質はEU CLP分類においてSkin. Irrit. 2 H315に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on May 2017))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 区分1 EHC 227 (2002) のウサギを用いた眼刺激性試験で、角膜上皮の欠損と、結膜の壊死がみられたとの報告 (EHC 227 (2002)) や、重度の刺激性がみられたとの報告 (EPA Pesticide (2007)) があることから、区分1とした。なお、本物質はEU CLP分類においてEye. Irrit. 2 H319に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on May 2017))。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、EPA Pesticide (2007) には、ビューラー試験で陰性との報告があるが、詳細が不明なため採用しなかった。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 分類できない In vivoでは、マウスの小核試験で陽性、陰性の結果、ラットの小核試験で陰性、マウスの染色体異常試験で陽性、陰性の結果、マウス及びチャイニーズハムスターの姉妹染色分体交換試験で陰性、ラットの精巣細胞のDNA切断試験で陰性の報告がある (ATSDR (2003)、DFGOT (2015) (Access on May 2017)、EHC 227 (2002))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、マウスリンフォーマ試験で陽性、陰性の結果、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性、陰性の報告がある (ATSDR (2003)、DFGOT (2015) (Access on May 2017)、EHC 227 (2002)、NTP TR393 (1990))。しかし、DFGOT (2015) (Access on May 2017) では、本物質はin vitroの10 μg/mL以上で用量依存的な染色体異常を増加させたが、適切なin vivo試験では認められなかった。また、生殖細胞変異原性の証拠はないとしている。以上より、陽性結果が認められるものの適切な結果ではなく、ガイダンスに従い分類できないとした。 | ||
発がん性 | GHS分類: 分類できない ラット及びマウスに2年間飲水投与したNTPの発がん性試験では、雄ラットで骨肉腫の頻度の僅かな増加がみられ、発がん性の不確かな証拠とされたが、雌ラット及び雌雄マウスでは発がん性の証拠なしと結論された (NTP TR393 (1990)、EU-RAR (2001))。また、ラット及びマウスに2年間混餌投与した発がん性試験ではラットでは陰性であったが、マウスでは高用量で骨腫の増加がみられたものの、レトロウイルスによる感染があり、骨腫の増加は決定的ではないとされている (EU-RAR (2001))。既存分類では、EPAが本物質に対しDに (EPA Pesticide (2007))、ACGIHがフッ化物に対しA4に (ACGIH (7th, 2001))、IARCがフッ化物 (inorganic, used in drinkng water) に対しグループ3 (IARC Suppl. 7 (1987)) にそれぞれ分類している。以上、試験成績及び既存分類結果より、分類できないとした。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 分類できない ラットを用いた本物質の飲水投与による2世代試験、並びにラット又はウサギの飲水投与による発生毒性試験はいずれも無影響又は母動物毒性のある用量で分類根拠としない軽微な影響のみであった (EU-RAR (2001)、DFGOT (2015) (Access on May 2017)、ATSDR (2003))。 以上、本物質では経口経路で明らかな生殖発生毒性はみられておらず、データ不足で分類できない。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (神経系、心臓、腎臓) ヒトでは本物質の誤飲又は自殺企図による経口摂取で、吐き気、嘔吐、腹部疝痛、下痢を起こし、一部の例では間代性痙攣と、恐らく嘔吐物の吸引による肺水腫が認められたという報告がある (ATSDR (2003))。本物質の錠剤200錠 (16 mg F/kg、フッ化ナトリウム換算量35.36 mg/kg相当) を誤飲した3歳の小児が7時間後に死亡し、剖検の結果、出血性肺水腫、出血性胃炎、脳浮腫が認められたとの報告がある (ATSDR (2003))。また、自殺企図により、本物質を97%含有する殺虫剤粉末120 gを経口摂取した男性が、約2時間後に筋強直、心室細動、食道狭窄症を示したとの報告がある (ATSDR (2003))。フッ素イオンは、血中カルシウムと結合して低カルシウム血症を起こすことにより、筋強直、心筋収縮能の低下を起こし、心血管虚脱を起こす可能性があるとの記述がある (ATSDR (2003))。 実験動物では本物質を含むフッ化物の経口投与の致死量は20〜100 mg F/kgの範囲であり、急性中毒症状として、流涎、流涙、嘔吐、下痢、筋細動、及び呼吸器、心臓、全身の機能低下が報告されている (EHC 36 (1984))。また、ラットにおいて本物質50 mg/kgの単回経口投与により、多尿症と尿中への無機リン、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムの排泄量の増加が報告されている (EHC 36 (1984))。これらの用量は区分1に相当する。 以上の情報を総合すると、本物質は神経系、心臓及び腎臓を標的臓器とすると考えられる。また旧分類はATSDR (2003) の小児の誤飲による死亡例の剖検結果で肝臓に混濁性腫脹がみられたことを根拠として肝臓も標的臓器としていたが、症例1例のみの結果であり詳細も不明なことから採用しなかった。以上より区分1 (神経系、心臓、腎臓) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (歯、骨)、区分2 (心臓、肝臓、腎臓、生殖器 (男性)) ヒトについては、本物質に関する情報はないが、ACGIH の「フッ化物」において、無機のフッ化物の職業ばく露によるフッ素沈着症に関連する骨の病変の報告がある (ACGIH (7th, 2001))。 実験動物については、ラット、マウスを用いた飲水投与による26週間反復経口投与毒性試験において、ラットでは区分2のガイダンス値の範囲内である100 ppm (ガイダンス値換算: 12.5 mg/kg/day) で胃粘膜の過形成、300 ppm (ガイダンス値換算: 37.5 mg/kg/day) で体重増加抑制、切歯のエナメル質の限局性変性、胃の潰瘍がみられ、マウスでは区分1のガイダンス値の範囲内である50 ppm (ガイダンス値換算: 10 mg/kg/day) 以上で骨の類骨増加、区分2のガイダンス値の範囲内である300 ppm (ガイダンス値換算: 60 mg/kg/day) で、切歯のエナメル質の限局性変性、同群の早期死亡例で急性腎炎、肝臓の病変 (多核巨細胞)、心筋の病変 (変性、鉱質沈着)、精巣の病変 (壊死、精細管変性、精細管の多核巨細胞) がみられ、ラット、マウスを用いた飲水投与による103週間反復経口投与毒性試験において、ラットでは区分1の範囲内である25 ppm (ガイダンス値換算: 3.1mg/kg/day) 以上で切歯の象牙質の形成異常、象牙芽細胞の変性、エナメル芽細胞の変性、区分2の範囲内である175 ppm (ガイダンス値換算: 21.9 mg/kg/day) で骨硬化症、マウスでは区分2の範囲内である175 ppm (ガイダンス値換算: 35 mg/kg/day) で歯の肉眼的異常 (摩損、変色、斑点)、象牙質の形成異常がみられたとの報告がある (NTP TR393 (1990))。マウスを用いた14日間吸入毒性試験 (4時間/日) で、区分1相当の10 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.001 mg/L) で肺の水腫の報告がある (ATSDR (2003))。 | ||
この吸入のデータについてはばく露日数が少ないこと、情報が十分でないことから分類に用いなかった。 以上のうち、胃の変化については刺激性に基づく所見として分類に用いなかった。 したがって、区分1 (歯、骨)、区分2 (心臓、肝臓、腎臓、生殖器 (男性)) とした。 | |||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類 (ミシッドシュリンプ)の96時間EC50 = 23.3 mg/L (IUCLID (2000))から、区分3とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いものの (BCF < 6.4 (既存化学物質安全性点検データ))、水中での挙動が不明であるため、区分3とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1690 | |||
国連品名 | SODIUM FLUORIDE, SOLID | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | L | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別な安全上の対策 | イエローカードの携行が望ましい。 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) (弗素及びその水溶性無機化合物) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(ふっ化水素及びその水溶性塩) | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)(フッ化ナトリウム(固体)) | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)(フッ化ナトリウム) | |||
水道法 | 有害物質(法第4条第2項)、水質基準(平15省令101号)(フッ素及びその化合物)(ナトリウム及びその化合物) | |||
下水道法 | 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)(ふっ素及びその化合物) | |||
水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、施行令第2条、排水基準を定める省令第1条)(ふっ素及びその化合物) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申)(フッ化物(水溶性無機化合物に限る)) | |||
土壌汚染対策法 | 特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条)(ふっ素及びその化合物) | |||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)(弗素及びその無機化合物(弗化水素酸を除く)) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |