安全データシート
N,N‐ジメチルホルムアミド
作成日 2001年3月12日
改訂日 2009年3月30日
改定日 2014年11月1日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称N,N‐ジメチルホルムアミド、(N,N-Dimethylformamide)
製品コード20A2376
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
緊急時の電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
メールアドレス    
推奨用途及び使用上の制限合成皮革製造溶媒,電子工業用洗浄剤,ブタジエン抽出溶媒,有機合成反応溶媒
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H21.3.27、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)を使用、(環境に対する有害性についてはH18.2.10、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用)
物理化学的危険性火薬類分類対象外
 可燃性・引火性ガス分類対象外
 可燃性・引火性エアゾール分類対象外
 支燃性・酸化性ガス類分類対象外
 高圧ガス分類対象外
 引火性液体区分3
 可燃性固体分類対象外
 自己反応性化学品分類対象外
 自然発火性液体区分外
 自然発火性固体分類対象外
 自己発熱性化学品分類できない
 水反応可燃性化学品分類対象外
 酸化性液体分類対象外
 酸化性固体分類対象外
 有機過酸化物分類対象外
 金属腐食性物質分類できない
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分外
 急性毒性(経皮)区分外
 急性毒性(吸入:ガス)分類対象外
 急性毒性(吸入:蒸気)区分3
 急性毒性(吸入:粉じん)分類できない
 急性毒性(吸入:ミスト)分類対象外
 皮膚腐食性・刺激性区分外
 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性区分1
 呼吸器感作性分類できない
 皮膚感作性分類できない
 生殖細胞変異原性区分2
 発がん性区分1B
 生殖毒性区分1B
 特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)区分1(肝臓)
 特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)区分2(呼吸器)
 特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)区分1(肝臓)
 吸引性呼吸器有害性分類できない
環境に対する有害性水生環境急性有害性区分外
 水生環境慢性有害性区分外
ラベル要素
絵表示又はシンボル炎どくろ腐食性健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報引火性液体及び蒸気
 吸入すると有毒
 重篤な眼の損傷
 遺伝性疾患のおそれの疑い
 発がんのおそれ
 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
 肝臓の障害
 呼吸器の障害のおそれ
 長期又は反復ばく露による肝臓の障害
注意書き
 【安全対策】
 使用前に取扱説明書を入手すること。
 すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
 熱、火花、裸火のような着火源から遠ざけること。−禁煙。
 容器を密閉しておくこと。
 容器および受器を接地すること。
 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器等を使用すること。静電気放電に対する予防措置を講ずること。
 火花を発生させない工具を使用すること。
 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
 適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
 適切な個人用保護具を使用すること。
 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 【応急措置】
 火災の場合には適切な消火方法をとること。
 皮膚又は毛に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぎ又は取り除くこと。皮膚を流水又はシャワーで洗うこと。
 吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 吸入した場合、医師に連絡すること。
 眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼に入った場合、直ちに医師に連絡すること。
 ばく露した場合、医師に連絡すること。
 ばく露した時、又は気分が悪い時は、医師に連絡すること。
 ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 【保管】
 換気の良い冷所で保管すること。
 施錠して保管すること。
 容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
 【廃棄】
 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報
 

3.組成及び成分情報
化学物質
化学名又は一般名N,N‐ジメチルホルムアミド
別名ホルミルジメチルアミン、Formyldimethylamine
分子式 (分子量)C3H7NO(73.09)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号68-12-2
官報公示整理番号(化審法・安衛法)(2)-680
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし
濃度又は濃度範囲100%
 

4.応急措置
吸入した場合医師に連絡すること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合皮膚を流水またはシャワーで洗うこと。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
目に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 直ちに医師に連絡すること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状データなし
最も重要な兆候及び症状データなし
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別注意事項データなし
 

5.火災時の措置
消火剤泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤棒状放水、水噴霧
特有の危険有害性極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。
 消火後再び発火するおそれがある。
 火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
 容器が熱に晒されているときは、移さない。
 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
消火を行う者の保護適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。
 

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置全ての着火源を取り除く。
 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
 関係者以外の立入りを禁止する。
 密閉された場所に立入る前に換気する。
 作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項環境中に放出してはならない。
回収・中和不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。
封じ込め及び浄化方法・機材危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
 

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項使用前に使用説明書を入手すること。
 すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 眼に入れないこと。
 皮膚との接触を避けること。
 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
接触回避データなし
保管
技術的対策消防法の規定に従う。
混触危険物質『10.安定性及び反応性』を参照。
保管条件容器を密閉して換気の良い冷所で保管すること。
 施錠して保管すること。
容器包装材料データなし
 

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度10ppm
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
日本産衛学会(2007年版)10ppm(30mg/m3)(皮)
ACGIH(2007年版)TWA 10 ppm(Skin)
設備対策防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。
 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
 この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。
保護具
呼吸器の保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。
衛生対策取扱い後はよく手を洗うこと。
 

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体
無色〜黄色
臭いデータなし
pH6.7
融点・凝固点-61℃:HSDB(2005)
沸点、初留点及び沸騰範囲153℃:HSDB(2005)
引火点58℃(密閉式):NFPA(13th,2002)
自然発火温度445℃:HSDB(2005)
燃焼性(固体、ガス)データなし
爆発範囲2.2 〜 15.2vol%(100℃):HSDB(2005)
蒸気圧3.87mmHg(25℃) [換算値 515Pa(25℃)]:HSDB(2005)
蒸気密度2.52(空気=1) 計算値
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
比重(密度)0.9445(25℃/4℃):Merck(13th,2001)
溶解度水、ほとんどの一般的な有機溶媒と混和する。:Merck(13th,2001)
オクタノール・水分配係数logPow=-1.01(測定値):SRC:KowWin(2005)
分解温度データなし
粘度データなし
粉じん爆発下限濃度データなし
最小発火エネルギーデータなし
体積抵抗率(導電率)データなし
 

10.安定性及び反応性
安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる
危険有害反応可能性酸化剤、硝酸塩、ハロゲン化炭化水素と激しく反応する。
 ある種のプラスチックやゴムを侵す。
避けるべき条件データなし
混触危険物質酸化剤、硝酸塩、ハロゲン化炭化水素
危険有害な分解生成物データなし
 

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットを用いた試験の LD50値が 3,000 mg/kg, 3,920 mg/kg, 4,000 mg/kg, 4,320 mg/kg, 3,200 mg/kg, 7,170 mg/kg (EHC 114 (1991)) より、区分外(国連分類では区分5)とした。
経皮ラットを用いた試験の LD50=3,500 mg/kg (環境省リスク評価第1巻 (2002))、5,000 mg/kg, 11,140 mg/kg, 11,000 mg/kg (EHC 114 (1991)), より区分外(国連分類では区分5)とした。
吸入吸入(ガス):GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は推定されず、分類対象外とした。
 吸入(蒸気):マウスを用いた試験のLC50値が9400mg/m3/2時間(換算値4.7mg/L 4時間、この値は飽和蒸気圧の90%より低く蒸気と判断される)である(HSDB, 2005)ことから区分3とした。
 吸入(粉じん):データなし
 吸入(ミスト):GHSの定義による液体である。
皮膚腐食性・刺激性動物を用いた皮膚刺激性試験結果の記述に「刺激性はみられなかった」(CERI・NITE有害性評価書 No.8 (2005) ) とあり、区分外とした。ただし、ヒトの事故で皮膚の刺激性が報告されている。
眼に対する重篤な損傷・刺激性ウサギを用いた眼刺激性試験により、「75-100%の水溶液ではより強度の刺激性を示した」、「14日目までに、軽度の結膜の発赤、中等度の角膜傷害が、重度の損傷、軽微な表面の変形、角膜下血管新生の領域と共にみられた」(EHC 114 (1991)) という記述から、眼に重篤な損傷性を有すると考えられ、区分1とした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性呼吸器感作性:データなし
 皮膚感作性: モルモットを用いたMaximization法による試験の結果、「反応がなかった」 (EHC 114 (1991)) という記述があるが、陰性のデータが1つしかないため、分類できない とした。
生殖細胞変異原性CERI・NITE有害性評価書 No.8 (2005)の記述から、経世代変異原性試験で陰性、生殖細胞in vivo変異原性試験がなく、体細胞in vivo変異原性試験で陽性の結果があり、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験がないことによる。
発がん性吸入によるがん原性試験の結果、ラットの雌雄に肝臓の肝細胞腺腫と肝細胞癌の発生増加が認められ、マウスの雌雄に肝臓の肝細胞腺腫、肝細胞癌の発生増加が最低用量の200 ppmから、さらにマウスの雄に特に悪性度の高い肝芽腫が認められ、ラット、マウスの雌雄とも明らかな癌原性が示された(厚生労働省委託癌原性試験,2000)。肝臓腫瘍の発生に種差、性差がなく悪性度も高い腫瘍が発生している。この結果に基づき厚生労働省より「N,N―ジメチルホルムアミドによる労働者の健康障害を防止するための指針」(厚労省指針, 2005)が出されている。以上より区分1Bとした。
 なお、日本産業衛生学会(1991)は第2群B、IARC 71(1999)がグループ3、ACGIH-TLV(2001)がA4に分類しているが、これらの評価にはこの試験結果は含まれていない。
生殖毒性CERI・NITE有害性評価書 No.8 (2005)から、親動物に一般毒性影響のみられない濃度で、次世代に奇形 (口蓋裂、外脳症、水頭症、蝶形骨欠損、癒合肋骨、尾欠損)などがみられていることによる。
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)ヒトについては「摂食障害、嘔吐、腹部、腰部、大腿部の痛みがみられ、症状が消えた後でも肝臓で線維化、組織球の集簇」(CERI・NITE有害性評価書No.8 (2005)) の記述があり、実験動物では「肺胞壁の肥厚」(CERI・NITE有害性評価書No.8 (2005))等の記述があることから、肝臓、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲で見られた。
 以上より分類は区分1(肝臓)、区分2(呼吸器)とした。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)ヒトについては「肝機能障害」、「アルコール不耐性の兆候が見られた.」(IRIS (1990))、「肝障害の増加ASTまたはALTの上昇」、「限局性肝細胞壊死、滑面小胞体の微小胞の脂肪変性」の記述があり、実験動物では「小葉中心性の肝細胞肥大」(NTP TOX22 (1992))、「急性肝細胞傷害を示唆する」、「SGPT 及び SGOT 活性の上昇、幼若動物の肝臓に病理組織学的な変化」(IRIS (1990))、「100 ppm 以上: ALP 活性上昇200 ppm 以上: ALT 活性上昇」、「200 ppm 以上: 肝臓の単細胞壊死」(CERI・NITE有害性評価書No.8 (2005))等の記述がある。なお実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲で見られた。
 以上より分類は区分1(肝臓)とした。
吸引性呼吸器有害性データなし
 

12.環境影響情報
水生環境急性有害性魚類(ヒメダカ)LC50>100mg/L/96H 60)であるので、区分外とした。
水生環境慢性有害性急性毒性が区分外(急性毒性は低い)ことから、区分外とした。
 

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
 

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報IMOの規制に従う。
航空規制情報ICAO/IATAの規制に従う。
UN No.2265
Proper Shipping Name.N,N-Dimethylformamide
Class3
国内規制
陸上規制情報消防法の規定に従う。
海上規制情報船舶安全法の規制に従う。
航空規制情報航空法の規制に従う。
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
 重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号129
 

15.適用法令
労働安全衛生法第2種有機溶剤等(施行令別表第6の2・有機溶剤中毒予防規則第1条第1項第4号)
 作業環境評価基準(法第65条の2第1項)
 健康障害防止指針公表物質(法第28条第3項・厚労省指針公示)
 名称等を表示すべき有害物(法第57条、施行令第18条)(政令番号 第14号の13)
 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)(政令番号:9-299)
大気汚染防止法有害大気汚染物質(法第2条第13項、環境庁通知)
 揮発性有機化合物 法第2条第4項 (環境省から都道府県への通達)
海洋汚染防止法有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(政令番号:1-172)
消防法危険物、第4類、第2石油類
船舶安全法引火性液体類
航空法引火性液体
港則法引火性液体類
労働基準法疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条・別表第1の2第4号1・昭53労告36号)
 

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。