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安全データシート
1,1,1,2-テトラクロロエタン
作成日 2008年10月06日
改訂日 2016年3月31日
1.化学品等及び会社情報
化学品等の名称1,1,1,2-テトラクロロエタン (1,1,1,2-Tetrachloroethane)
製品コードH27-A-036
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限データなし

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
H28.03.18、政府向けGHS分類ガイダンス(H25年度改訂版(ver1.1))を使用
GHS改訂4版を使用
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
急性毒性(吸入:蒸気)区分3
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2B
生殖細胞変異原性区分2
発がん性区分2
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分3 (気道刺激性)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分2 (肝臓)
分類実施日
(環境有害性)
H27.07.01、政府向けGHS分類ガイダンス(H25年度改訂版(ver1.1))を使用
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)分類実施中
水生環境有害性 (長期間)分類実施中
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。
GHSラベル要素
絵表示どくろ健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有害
眼刺激
吸入すると有毒
呼吸器への刺激のおそれ
遺伝性疾患のおそれの疑い
発がんのおそれの疑い
長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓の障害のおそれ
注意書き
安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
気分が悪い時は医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
口をすすぐこと。
眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
医師に連絡すること。
保管換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性データなし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名1,1,1,2-テトラクロロエタン
別名データなし
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)C2H2Cl4 (167.85)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号630-20-6
官報公示整理番号
(化審法)
2-56
官報公示整理番号
(安衛法)
2-13-46
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし

4.応急措置
吸入した場合気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
症状が続く場合には、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
眼に入った場合水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状データなし
応急措置をする者の保護救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。
医師に対する特別な注意事項データなし

5.火災時の措置
消火剤周辺火災に応じて水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素、砂を使用する。
使ってはならない消火剤火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。
特有の危険有害性当該製品は分子中にハロゲンを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(又はガス)を放出する。
当該製品は分子中にハロゲンを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素のほか、窒素酸化物系のガス等の有毒ガスが含まれるので消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。
特有の消火方法消火活動は風上から行う。
火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火を行う者の保護消火作業の際は、適切な保護具や耐火服を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置漏れた液をふた付きの容器に集める。
残留液を乾燥砂又は不活性吸収剤に吸収させて安全な場所に移す。
関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材危険でなければ漏れを止める。
少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。
大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。
取扱いや保管場所の近傍での飲食の禁止。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
容器を密閉しておくこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
保護手袋/保護衣/保護めがね/保護面を着用すること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。
接触回避データなし
衛生対策この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること
容器を密閉しておくこと。
強力な酸化剤、強塩基から離しておく。
保管場所には危険・有害物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な照明及び換気の設備を設ける。直射日光を避け、冷暗所に保管する。
安全な容器包装材料食品や飼料と一緒に輸送してはならない
破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会
(2015年度版)
未設定
ACGIH(2015年版)未設定
設備対策取り扱いの場所の近くに、洗眼および身体洗浄剤のための設備を設ける。
高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。
手の保護具手に接触する恐れがある場合、保護手袋を着用する。
眼の保護具眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。
皮膚及び身体の保護具必要に応じて保護衣、保護エプロン等を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色 (HSDB (2015))
臭いデータなし
臭いのしきい(閾)値データなし
pHデータなし
融点・凝固点-70.2℃ (HSDB (2015))
沸点、初留点及び沸騰範囲130.2 ℃ (HSDB (2015))
引火点不燃性 (HSDB (2015))
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
燃焼性(固体、気体)データなし
燃焼又は爆発範囲データなし
蒸気圧12.0 mmHg (25℃) (HSDB (2015))
蒸気密度5.8 (GESTIS (2015))
比重(相対密度)データなし
溶解度水:1.07×103 mg/L (25℃) (HSDB (2015))
n-オクタノール/水分配係数2.93 (推定値) (HSDB (2015))
自然発火温度不燃性 (HSDB (2015))
分解温度データなし
粘度(粘性率)1.50×10-3 Pa・s (20℃) (HSDB (2015))

10.安定性及び反応性
反応性不燃性の液体。
水にわずかに可溶。
揮発する。
化学的安定性加熱すると分解し、有毒で腐食性の気体を生じる。
強塩基、強力な酸化剤と反応する。
危険有害反応可能性ナトリウム、アルカリ金属の水酸化物、ジニトロフェニル硫化物、四酸化二窒素と危険な反応を生じる。
燃焼により塩素及び塩化水素の毒性のガスが生じる。
避けるべき条件炎、白熱化した物質、赤熱した金属との接触。
混触危険物質データなし
危険有害な分解生成物塩素、塩化水素。

11.有害性情報
急性毒性
経口GHS分類: 区分4
ラットのLD50値として、670 mg/ kg (雄)、780 mg/ kg (雌) (IARC 41 (1986)) との報告に基づき、区分4とした。
経皮GHS分類: 区分外
ウサギのLD50値として、約20,000 mg/kg (IARC 41 (1986)) との報告に基づき、区分外とした。
吸入:ガスGHS分類: 分類対象外
GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気GHS分類: 区分3
ラットのLC50値 (4時間) として、2,100 ppm (雄)、2,500 ppm (雌) との報告 (IARC 41 (1986)) に基づき、区分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (15,789 ppm) より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミストGHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性GHS分類: 区分外
本物質はウサギの皮膚に対して軽度の刺激性を有するとの記載がある (HSDB (Access on July 2015))。また、具体的な情報はないが、本物質は皮膚刺激性を有する (HSDB (Access on July 2015)) との記載があるが詳細不明である。以上、ウサギの報告から区分外 (国連分類基準の区分3) とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性GHS分類: 区分2B
本物質はウサギの眼に対して軽度の刺激性を有するとの記載や、イヌの眼に本物質の蒸気をばく露した結果、虹彩に影響はみられず、反復ばく露によっても影響はみられなかったとの報告がある (HSDB (Access on July 2015))。また、具体的な情報はないが、本物質は眼刺激性を有する (HSDB (Access on July 2015)) との記載があるが詳細不明である。以上、ウサギの報告から区分2Bとした。
呼吸器感作性GHS分類: 分類できない 
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性GHS分類: 区分2
In vivoでは、マウス骨髄細胞の腹腔内投与による小核試験、染色体異常試験で陽性 (NTP DB (Access on August))、ラット及びマウスの腹腔内投与による肺、肝臓、腎臓、胃のDNA結合試験で陽性 (IARC 106 (2014)) である。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性、陰性の結果で陰性である (IARC 106 (2014)、NTP DB (Access on August))。以上より、ガイダンスに従い、区分2とした。
発がん性GHS分類: 区分2
本物質の発がん性に関して、ヒトで利用可能な情報はない。実験動物では、ラット又はマウスを用いた経口経路 (強制経口) での2年間発がん性試験において、ラットでは肝臓腫瘍の増加傾向 (雄: 生存率が低く、感度が低下したが、傾向検定で有意差あり)、及び乳腺の線維腺腫の頻度の増加 (雌、低用量のみ)、マウスでは肝臓腫瘍 (肝細胞腺腫、肝細胞がん) の頻度増加 (雌雄) が認められた (IARC 106 (2014)、NTP TR 237 (1983))。NTPはラットでは生存率低下により統計解析 (Mantel-Haenszel法、Cochran-Armitage法、Fischer の直接確率法) の感度が低下し、発がん性の証拠を示せなかったが、マウスでの肝臓腫瘍の頻度増加は発がん性の明白な証拠であると報告した (NTP TR 237 (1983))。一方、IARCは異なる統計解析法 (Life table 検定) により、雄ラットの肝臓腫瘍も有意な増加傾向ありとし、雌ラットの乳腺腫瘍 (線維腺腫、低用量のみ)、雌雄マウスの肝臓腫瘍とともに、実験動物では発がん性の十分な証拠があると結論した (IARC vol. 106 (2014))。
国際機関による分類結果としては、米国EPAがクラスC (possible human carcinogen) に (IRIS Summary (1991))、IARCがグループ2Bに分類している (IARC 106 (2014))。以上より、本項は区分2とした。
生殖毒性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)GHS分類: 区分3 (気道刺激性)
本物質は気道刺激性がある (HSDB (Access on July 2015))。実験動物では、モルモットの500 mg/kg経口投与で、投与24時間から11日後に肝臓傷害の形態学的変化を示した (IARC 41 (1986)) との記載があるが、その詳細は不明であるため、この知見は分類に採用しなかった。
以上より、区分3 (気道刺激性) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)GHS分類: 区分2 (肝臓)
ヒトに関する情報はない。
実験動物では、ラットを用いた2週間経口投与毒性試験において、区分2の範囲である300 mg/kg/day (90日間換算:33 mg/kg/day) で脂肪肝がみられている (IARC 41 (1986))。
このほか、肝臓に対する影響として、ラットを用いた10ヶ月間強制経口投与毒性試験で300 mg/kg/day、ラットを用いた12ヶ月間吸入毒性試験及びウサギを用いた6ヶ月間吸入毒性試験において3430 mg/m3 (ガイダンス値換算:2.29 mg/L) で肝臓の小空胞・小葉中心性壊死がみられている (IARC 41 (1986))、これらは単一用量のみの試験であった。
また、マウスを用いた103週間強制経口投与による発がん性試験において、区分2を超える範囲であるが、最低用量である250 mg/kg/dayで肝臓の炎症・脂肪変性・壊死・巨大肝細胞がみられている (NTP TR 237 (1983))。
以上のように、短期の試験で肝臓に対する影響がみられ、より長期の試験では、区分2を超える範囲であるが、その試験での最低用量で肝臓への影響が認められおり影響のみられる最低用量は確定できていない。
したがって、区分2 (肝臓) とした。
吸引性呼吸器有害性GHS分類: 分類できない
デ-タ不足のため分類できない。なお、HSDB (Access on July 2015) に収載された数値データ (粘性率: 1.50 mPa・s (20 ℃)、密度: 1.5406 g/cm3 (20 ℃)) より、動粘性率は0.97 mm2/sec (20 ℃) と算出される。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)分類実施中
水生環境有害性(長期間)分類実施中
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、または地方公共団体が廃棄物処理を行っている場合はそこに委託して処理する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号1702
国連品名1,1,2,2-TETRACHLOROETHANE
国連危険有害性クラス6.1
副次危険-
容器等級K
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法に従う。
航空規制情報航空法に従う。
陸上規制情報消防法、道路法に従う。
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号151

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
港則法その他の危険物・毒物類
航空法毒物類・毒物
船舶安全法毒物類・毒物
海洋汚染防止法個品運送P
有害液体物質
外国為替及び外国貿易管理法輸入貿易管理令第4条第1項第2号輸入承認品目「2の2号承認」
輸出貿易管理令別表第1の16の項
輸出貿易管理令別表第2
特定廃棄物輸出入規制法
(バーゼル法)
廃棄物の有害成分・法第2条第1項第1号イに規定するもの

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。