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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
1-[(EZ)-2-シアノ-2-メトキシイミノアセチル-3-エチルウレア(別名シモキサニル)
作成日 2009年3月30日
改訂日 2022年03月15日
1.化学品及び会社情報
化学品の名称1-[(EZ)-2-シアノ-2-メトキシイミノアセチル-3-エチルウレア(別名シモキサニル)
化学品の英語名称1-[Cyano(methoxyimino)acetyl]-3-ethylurea
製品コードR03-C-047-MHLW
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限農薬(殺菌剤) (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
皮膚感作性区分1A
生殖毒性区分1B
分類実施日
(環境有害性)
ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
環境に対する有害性水生環境有害性 短期(急性)区分2
水生環境有害性 長期(慢性)区分2
GHSラベル要素
絵表示感嘆符健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有害
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
長期継続的影響により水生生物に毒性
注意書き
 安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
口をすすぐこと。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
漏出物を回収すること。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名1-[(EZ)-2-シアノ-2-メトキシイミノアセチル-3-エチルウレア
慣用名又は別名シモキサニル
1−[シアノ(メトキシイミノ)アセチル]−3−エチル尿素
英語名1-[Cyano(methoxyimino)acetyl]-3-ethylurea
Cymoxanil
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C7H10N4O3 (198,18)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号57966-95-7
官報公示整理番号(化審法)情報なし
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
皮膚に付着した場合多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合情報なし
飲み込んだ場合気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水、一般の泡消火剤
大火災:散水、水噴霧、通常の泡消火剤
使ってはならない消火剤棒状注水
火災時の特有の危険有害性火災時に刺激性、腐食性および/または毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法安全にできるのであれば、火災の場所から損傷していない容器を移動する。
消火水をせき止め、後で廃棄する。
消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。
安全弁から音が発生したり、タンクが変色したときは直ちに避難する。
火災に巻き込まれたタンクから常に離れる。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具を着用する。
防火服は、熱に対する防護はするが、化学物質に対しては限定的である。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置適切な呼吸器用保護具を着用する。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
必要に応じて適切な保護服または適切な化学防護服を着用すること。
漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
流出や漏れている場所から、全ての方向に適切な距離をとる。
必要により、風下に適切な隔離距離をとる。
環境に対する注意事項環境汚染を引き起こすおそれがある。
漏出物を地面や河川や下水に直接流してはいけない。
封じ込め及び浄化の方法及び機材危険でなければ、漏れを止める。
粉じんの発生を防止する。
粉じんの吸入をしない。こぼれたものはプラスチックシートなどで覆い、広がりを最小限に抑える。専門家の監督下を除き清掃や廃棄は行わない。
少量の乾燥固体の漏れ
漏洩物は清浄なシャベルを用いて、清浄な乾燥した容器に入れ、ゆるく覆いをして漏洩場所から移動する。
少量漏洩
砂、その他の不燃性の吸収剤を用いて集め、容器に入れて後で廃棄する。
大量漏洩
液体の漏洩物の前方にせきを作り、後で廃棄する。
こぼれた粉末はプラスチックシートで覆い、あるいは飛散しないようにする。
排水溝、下水溝、地下室や閉鎖場所への流入を防ぐ。
二次災害の防止策情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること。
安全な容器包装材料国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度等
日本産衛学会(2021年版)第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん*
吸入性粉じん: 2 mg/m3
総粉じん: 8 mg/m3
* 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。
ACGIH(2022年版)PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles)
PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles)
* Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified
設備対策情報なし
保護具
呼吸用保護具作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。
防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。
-酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。
-防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色
臭い無臭
融点/凝固点160〜161 ℃(GESTIS(2022))
160.5 ℃(PubChem(2022))
159〜160 ℃(PubChem(2022))
沸点、初留点及び沸騰範囲沸点なし(GESTIS(2022))
可燃性情報なし
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点データなし
自然発火点データなし
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: 890 mg/L(20℃)(PubChem(2022))
メタノール、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、塩化メチレンに可溶(PubChem(2022))
n-オクタノール/水分配係数Log Kow: 0.59(pH 5)(PubChem(2022))
Log Kow: 0.67(pH 7)(PubChem(2022))
蒸気圧1.13X10-6 mm Hg(20℃)(PubChem(2022))
密度及び/又は相対密度1.32 (25℃)(PubChem(2022))
相対ガス密度データなし
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる。
危険有害反応可能性加熱して分解すると、窒素酸化物の有毒な蒸気を生じる。
避けるべき条件
混触危険物質情報なし
危険有害な分解生成物窒素酸化物

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットのLD50値約1000 mg/kg(IUCLID(2000)、1100 mg/kg(HSDB(2000))に基づき、区分4とした。
経皮ウサギのLD50値>2000 mg/kg(IUCLID(2000)、>3g/kg(HSDB(2000)はJIS分類基準の区分に該当しない(国連分類基準の区分5または区分に該当しない)である。
吸入: ガスGHS定義における固体である。
吸入: 蒸気データなし。
吸入: 粉じん及びミストラットのLC50値>5mg/L(4時間)(IUCLID(2000))はJIS分類基準の区分に該当しない(国連分類基準の区分5または区分に該当しない)である。なお、飽和蒸気濃度は1.17×10-5mg/Lであることから試験は粉塵により実施されたと考えられる。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性ウサギを用いた試験(Directive 84/449/EEC)で刺激性なし(not irritating)(IUCLID(2000))に基づき区分に該当しないとした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性ウサギを用いた試験(Directive 84/449/EEC)で刺激性なし(not irritating)(IUCLID(2000))に基づき区分に該当しないとした。
呼吸器感作性データなし。
皮膚感作性【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1Aとした。なお、新たな評価に基づき、分類結果を変更した。CLH Report(2021)にてSkin Sens. 1Aが提案されたため、旧分類から皮膚感作性項目を見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)OECD TG 406では、経皮感作に用いる濃度は軽度〜中程度の皮膚刺激を生じ、惹起時には皮膚刺激を生じない最高濃度を適用するとされている。(3)(4)の試験における、経皮感作及び惹起時の適用濃度(25%)は、予備試験において1例も皮膚刺激性がみられておらず、低すぎる。従って、得られた陰性の結果は疑わしい。(2)の試験では、予備試験時に40%の濃度でも皮膚刺激性はみられなかったが、本試験時には経皮感作40%、惹起20%で90%の動物に軽微〜中程度の紅斑及と軽微〜明瞭な紅斑がみられ、40%濃度では3例に壊死もみられた。以上から、(2)の試験が皮膚感作性を評価する上で最も信頼性の高い試験法であると考えられる。このことから、CLH Reportにおいて、本物質の皮膚感作性の分類はSkin Sens. 1Aが提案されている(CLH Report (2021))。
(2)モルモット(n = 10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:1%溶液)において、惹起濃度20%、40%のいずれの濃度においても、惹起後24、48及び72時間後の陽性率は100%(10/10例)であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2012)、CLH Report (2011))。

【参考データ等】
(3)モルモット(n = 20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:3%溶液)において、惹起後24、48時間後の陽性率はともに0%であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2012)、CLH Report (2011))。
(4)モルモット(n = 10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:1%溶液)において、惹起後24、48時間後の陽性率はともに0%であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2012)、CLH Report (2011))。
(5)(3)、(4)の2つの試験結果は皮膚感作性がないことを示唆した。しかし、(2)の試験では、全動物で惹起後に皮膚反応(軽微〜中程度の紅斑及と軽微〜明瞭な紅斑)がみられた。矛盾する結果を説明可能な試験間の差異は明らかにできなかった。以上の結果に基づき、本物質の皮膚感作性の可能性は否定できない(ECHA RAC Opinion (2012))。
生殖細胞変異原性体細胞を用いるin vivo変異原性試験(マウスの骨髄細胞を用いる小核試験(OECD Guide-line 474))で陰性(IUCLID(2000))の報告に基づき区分に該当しないとした。なお、in vitro試験であるエームズテストで陰性、染色体異常試験で陽性(IUCLID(2000))の報告もある。
発がん性ラットを用いた23ヶ月の混餌投与試験(OECD Guide-line 453)で病理検査で腸、リンパ節、肺に異常が見られたが、がん原性なし。マウスを用いた18ヶ月の混餌投与(OECD Guide-line 451)で精巣、肝臓、消化管で異常が見られたが、がん原性なし(IUCLID(2000))の報告に基づき、区分に該当しないとした。
生殖毒性【分類根拠】
(1)〜(3)の生殖毒性試験において、親動物の一般毒性発現用量で、雌親動物に性機能及び生殖への影響(黄体形成・黄体数・着床数の減少、着床後胚損失増加等)、児動物に生存率低下がみられた。(4)〜(5)のラットの発生毒性試験において、母動物毒性用量で、胎児に骨格変異、内臓変異がみられたものの、明確な奇形発生はみられなかった。(6)〜(8)のウサギを用いた発生毒性試験では、母動物の一般毒性用量において低頻度であるが、(6)で口蓋裂の発生、(8)で骨格奇形の報告がある。以上、母動物に軽微な一般毒性影響がみられる用量で生殖影響、及び奇形発生の懸念が示されていることから区分1Bとした。新たな情報源を利用し分類した。旧分類からECHA CLPの分類が追加されたため、生殖毒性項目のみ見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験(100〜1,500 ppm)において、P及びF1親動物に顕著な一般毒性影響(P及びF1雌雄:体重増加抑制、F1雌雄:摂餌量減少、尾の壊死・潰瘍・末端欠損等)がみられる高用量(1,500 ppm)で、F1児動物に同腹生存児数減少、生後4日の生存率低下がみられたが、F2児動物には低体重がみられただけであったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014)、CLH Report (2011、2021))。
(2)ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験(150〜1,350 ppm)において、P及びF1雌雄親動物に体重増加抑制、摂餌量減少(P雄以外)がみられる高用量(1,350 ppm)で、F1雌親動物に黄体形成、着床数、着床後胚損失率及び生存児率の減少がみられた。F1、F2児動物には中用量以上で低体重、高用量でF1に生存児数減少がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、EFSA (2008)、CLH Report (2011、2021))。
(3)ラットを用いた混餌投与による1世代生殖毒性試験(750〜3,000 ppm)において、P雌親動物には中用量(1,500 ppm)以上で体重増加抑制、摂餌量減少がみられ、高用量(3,000 ppm)では雌に妊娠率低下、黄体数・着床数減少、着床前及び着床後胚損失の増加、同腹児数減少、雄に両側性の小型/脆弱な精巣(5/15例)がみられた。F1児動物には低用量から低体重がみられただけであったとの報告がある(CLH Report (2021))。
(4)雌ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(10〜150 mg/kg/day、妊娠6〜15日)において、母動物には25 mg/kg/day以上で体重増加抑制及び摂餌量減少がみられ、最高用量(150 mg/kg/day)で生存胎児数減少・吸収胚増加がみられた。胎児には25 mg/kg/day以上で骨化遅延(頭蓋骨、椎骨)、最高用量では加えて低体重、骨化遅延(胸骨分節、骨盤)と骨格変異(波状肋骨)の発生増加がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014)、EFSA (2008)、CLH Report (2011、2021))。
(5)雌ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(30〜120 mg/kg/day、妊娠6〜15日)において、母動物には体重増加抑制及び摂餌量低下がみられる高用量(120 mg/kg/day)で、後期吸収胚、着床後胚損失率及び吸収胚数増加がみられた。胎児には低用量から骨化遅延(第7頚椎・趾節骨・胸骨分節等)、骨格変異(胸骨分節形成不全・亜鈴型胸椎椎体増加・過剰肋骨)、内臓変異(腎盂拡張)、高用量は加えて低体重、骨化遅延(指節骨、尾椎)・胸椎椎体分離の増加などがみられたが、明確な奇形発生はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2011、2021))。
(6)雌ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(1〜32 mg/kg/day、妊娠6〜18日)において、体重減少が認められた母動物2例からの胎児2例(1.7%)に口蓋裂が認められた(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014)、EFSA (2008)、CLH Report (2011、2021))。
(7)雌ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(5〜25 mg/kg/day、妊娠6〜18日)において、母動物に体重増加抑制及び摂餌量減少がみられる高用量で、内臓異常(心室拡張及び腎盂拡張)、骨格変異(13浮遊肋骨増加)及び骨化遅延(前肢中節骨)の発生増加がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、EFSA (2008)、CLH Report (2011、2021))。
(8)雌ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(8〜32 mg/kg/day、妊娠6〜18日)において、母動物に体重増加抑制、耳の触感体温低下がみられる高用量で、骨格奇形(上頸部から中胸部の間の椎骨の変化)の増加がみられたとの報告がある(CLH Report (2011、2021))。

【参考データ等】
(9)雌ラットの妊娠6日〜哺育21日に強制経口投与された発達神経毒性試験(5〜100 mg/kg/day)では、顕著な母動物毒性(体重増加抑制、全児死亡雌の増加等)がみられる高量まで児動物に発達神経毒性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2011、2021))。
(10)EUではRepr. 2に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Nov. 2011))。
(11)EUでのCLP分類見直しにおいて、2011年の前回提案からRepr. 1Bへ変更すべき重大な知見の追加はなく、Repr. 2で据え置く提案書が報告されている(CLH Report (2021))が、これに対するRACの意見書は2021年12月現在公表されていない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)データなし。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)ラットを用いた90日の混餌投与試験(OECD Guide-line 408)で体重、臓器重量の減少が見られるが区分2のガイダンス値外である(IUCLID(2000))。また、イヌを用いた90日の混餌投与試験(OECD Guide-line 409)で排泄、体重増、臓器重量に影響があったが(IUCLID(2000))、いずれも区分2のガイダンス値外か区分に該当しない(経口)に該当するが、他経路のデータがなくデータ不足で分類できないとした。
誤えん有害性*データなし。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)による72h-EbC50=5.2mg/L(IUCLID 2000)であることから、区分2とした。
水生環境有害性 長期(慢性)急性分類が区分2であり、難分解性が有る(OECD TG301Bによる分解度=0-11%)(IUCLID 2000)ことから区分2とした。
残留性・分解性情報なし
生態蓄積性情報なし
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。
国際規制
国連番号3077
品名(国連輸送名)環境有害性物質(固体)、n.o.s.
国連分類9
副次危険-
容器等級V
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報該当しない
航空規制情報該当しない
陸上規制情報道路法、毒物及び劇物取締法の規定に従う
特別な安全上の対策道路法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*171
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法該当しない
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
毒物及び劇物取締法劇物・除外品目(指定令第2条)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」