1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | 1,1−ジメチルヒドラジン | ||
化学品の英語名称 | 1,1-Dimethylhydrazine | ||
製品コード | R03-C-029-MHLW | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 合成繊維・合成樹脂の安定剤、医薬・農薬の原料、ミサイル推進薬、界面活性剤 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) | ||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分2 | |
自己反応性化学品 | タイプG | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分3 | |
急性毒性(経皮) | 区分4 | ||
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | ||
皮膚感作性 | 区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
発がん性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(神経系、呼吸器) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(肝臓、血液系、神経系、呼吸器系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分2 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分2 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 引火性の高い液体及び蒸気 飲み込むと有毒 吸入すると生命に危険 皮膚刺激 強い眼刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれの疑い 神経系、呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓、血液系、神経系、呼吸器系の障害 長期継続的影響により水生生物に毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること | ||
応急措置 | 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | 1,1−ジメチルヒドラジン | ||
慣用名又は別名 | ジメチルヒドラジン N,N−ジメチルヒドラジン ジマジン | ||
英語名 | 1,1-Dimethylhydrazine Dimethylhydrazine N,N-Dimethylhydrazine UDMH | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C2H8N2 (60.1) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 57-14-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 2-200 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ) 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳。咽頭痛。灼熱感。吐き気。頭痛。嘔吐。息苦しさ。痙攣。 皮膚:吸収される可能性あり。発赤。痛み。他の症状については、「吸入」参照。 眼:充血。痛み。 経口摂取:咽頭痛。他の症状については、「吸入」参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 曝露の程度によっては、定期検診を勧める。 肺水腫の症状は、2〜3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。 |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、水の散布、耐アルコール泡消火剤 大火災:散水、水噴霧、耐アルコール泡消火剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 引火性。 火災の場合、有害物質(窒素酸化物)が放出される可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 引火点が極めて低い;消火の効果がないおそれがある場合は散水を行う。 安全にできるのであれば、火災の場所から損傷していない容器を移動する。 消火水をせき止め、後で廃棄する;物質を拡散させてはいけない。 消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。 消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。 安全弁から音が発生したり、タンクが変色したときは直ちに避難する。 火災に巻き込まれたタンクから常に離れる。 大火災の場合は、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する;これが不可能な場合にはその場所から避難し、燃えるままにしておく。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具を着用する。 密閉型防護服を着用する。 防火服は、熱に対する防護はするが、化学物質に対しては限定的である。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 適切な呼吸器用保護具を着用する。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 耐薬品用保護衣を着用する(火災の危険性がない時)。 漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性が高い、不浸透性の保護衣を着用する。 すべての着火源をすぐ近くから取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 漏洩物を取り扱うとき、用いるすべての設備は接地する。 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。 流出や漏れている場所から、全ての方向に適切な距離をとる。 必要により、風下に適切な初期隔離距離をとる。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境汚染を引き起こすおそれがある。 この物質を環境中に放出してはならない。 漏出物を地面や河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ、漏れを止める。 排水溝、下水溝、地下室や閉鎖場所への流入を防ぐ。 蒸気抑制泡は蒸気濃度を低下させるために用いる。 少量の漏れの場合、乾燥した土、砂や不燃材料で吸収させ、あるいは覆って容器に移す。後で廃棄する。 吸収したものを集めるとき、きれいな帯電防止工具を用いる。 大量の漏れの場合、液体漏洩物の前方にせきを作り、後で廃棄する。 散水は蒸気濃度を低下させる;しかし、密閉空間では発火を防止できないおそれもある。 専門家に相談する。 漏れた液を、密閉式の 非プラスチック容器に集める。 地域規則に従って、保管・処理する。 | ||
二次災害の防止策 | 付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 火花を発生しない安全な用具を使用する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 | ||
安全取扱注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 汚染された衣服は(火災の危険があるため)、多量の水ですすぎ洗いする。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。 容器を密閉しておくこと。 涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 耐火設備。 強酸化剤および強酸から離しておく。 乾燥。 プラスチック容器で貯蔵あるいは輸送してはならない。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 0.01 ppm | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2021年版) | 未設定 | |||
ACGIH(2022年版) | TLV-TWA: 0.01 ppm(Skin) | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場では全体換気を行う。 設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 不浸透性手袋の使用を検討すること。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色。空気に曝露すると黄色になる | ||
臭い | 刺激臭、アミン臭 | ||
融点/凝固点 | -58 ℃(ICSC(2008)、GESTIS(2022)、PubChem(2022)、危険物災害等支援システム(2022)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 64 ℃(ICSC(2008)) 63 ℃(GESTIS(2022)、危険物災害等支援システム(2022)) 63.9 ℃(760mmHg)(PubChem(2022)) | ||
可燃性 | 引火性(ICSC(2008)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 2.4〜20 vol%(空気中)(ICSC(2008)) 2〜20 vol%(GESTIS(2022)) 2〜95 vol%(危険物災害等支援システム(2022)) | ||
引火点 | -15 ℃(Closed cup)(ICSC(2008)、PubChem(2022)) -18 ℃(Closed cup)(GESTIS(2022)) | ||
自然発火点 | 249 ℃(ICSC(2008)、PubChem(2022)) 240 ℃(GESTIS(2022)) | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | 強アルカリ性(PubChem(2022)) | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水に非常によく溶ける(ICSC(2008)、GESTIS(2022)) 水: >10 %(PubChem(2022)) メタノール、エタノールに非常によく溶ける(PubChem(2022)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: -1.19(推定値)(PubChem(2022)) | ||
蒸気圧 | 13.7 kPa(20℃)(ICSC(2008)) 164 hPa(20℃)(GESTIS(2022)) 157 mmHg(77°F)(PubChem(2022)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 0.78 g/cm3(20℃)(GESTIS(2022)) 0.7914 (76°F)(PubChem(2022)) 0.8 (水=1)(ICSC(2008)) | ||
相対ガス密度 | 2.1 (空気=1)(ICSC(2008)) 2.07 (同じ温度と圧力での乾燥空気に対する密度の比率)(GESTIS(2022)) 1.94 (空気=1)(PubChem(2022)) | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 暗所および冷蔵で保存された溶液は、酸化剤がなくても比較的安定している。 | ||
危険有害反応可能性 | 発煙性、吸湿性液体。引火性が高い。燃焼すると、有毒なフューム(窒素酸化物など)を生成する。本物質は、強還元剤。 酸化剤と 激しく反応する。本物質は、強塩基、酸と激しく反応し、腐食性を示す。酸素と反応する。火災や爆発の危険を生じる。 プラスチック類を侵す。蒸気/空気の混合気体は爆発性である。酸化剤と接触すると、火災および爆発の危険性がある。 この蒸気は空気より重く、地面あるいは床に沿って移動することがある;遠距離引火の可能性がある。 | ||
避けるべき条件 | 熱、空気 | ||
混触危険物質 | 酸化剤、強塩基、酸、過酸化水素、二酸化窒素 | ||
危険有害な分解生成物 | 窒素酸化物 |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | ラットLD50値は122 mg/kg bw(NITE初期リスク評価書(2008)、PATTY(5th, 2001))、250 mg/kg bw(PATTY(5th, 2001))および360 mg/kg bw(PATTY(5th, 2001))であるとの報告があり、区分3が2件、区分4が1件であることから該当する区分の多い区分3とした。 | |||
経皮 | ウサギLD50値は1060 mg/kg bw(NITE初期リスク評価書(2008)、ACGIH-TLV(1993)、PATTY(5th, 2001))であるとの報告に基づき区分4とした。 | |||
吸入: ガス | GHSの定義における液体である。 | |||
吸入: 蒸気 | ラットLC50値は0.620 mg/L/4h(252 ppm/4h)(環境省リスク評価第8巻(2010)、NITE初期リスク評価書(2008)、ASTDR(1997)、PATTY(5th, 2001))であるとの報告に基づき区分2とした。なお、0.620 mg/Lは飽和蒸気圧濃度(507.8mg/L)の90%より低いので「ミストがほとんど混在しない蒸気」として気体の基準値を適用した。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | データなし。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ヒトへの影響として、眼、皮膚及び気道を刺激する。眼に入ったり、皮膚に付くと発赤、痛みを生じるとの報告(環境省リスク評価第8巻(2010))、ウサギとモルモットを用いた皮膚刺激性試験で、少量適用するとわずかに紅斑がみられる(PATTY(5th, 2001))。ことから区分2とした。なお、EUリスク警句でR34とされている(EC-JRC(ESIS)(Access on Dec. 2010))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ヒトへの影響として、眼、皮膚及び気道を刺激する。眼に入ったり、皮膚に付くと発赤、痛みを生じるとの報告(環境省リスク評価第8巻(2010))、ウサギを用いた眼刺激性試験で、軽度の結膜炎やわずかな紅斑がみられ、それらは5日以内に消失した(PATTY(5th, 2001))。げっ歯類を用いた眼刺激性試験の結果の記述に「永続性の眼の損傷はみられなかったとの記載(PATTY(5th, 2001))に基づき区分2とした。 | |||
呼吸器感作性 | データなし。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)より、ガイダンスに従い、区分1とした。なお、新たな評価に基づき、分類結果を変更した。産衛学会(2021)にて感作性知見が公表されたため、旧分類から皮膚感作性項目のみ見直した(2021年)。 【根拠データ】 (1)日本産業衛生学会において、ヒドラジン(CAS番号 302-01-2)ないしその化合物は皮膚感作性物質第1群に分類されている(産衛学会許容濃度等の勧告 (2021))。 【参考データ等】 (2)本物質自体のデータはない。しかし、類似物質のヒドラジンはヒトのデータに基づいて皮膚感作性物質として分類されている。本物質はヒドラジン及びその塩に対して交差感作性を示す可能性はある(AICIS IMAP (2014))。 (3)DFG MAK ではSh(皮膚感作性の恐れのある物質)としている(厚労省リスク評価書 (2010)、List of MAK and BAT values 2020 (Accessed Nov. 2021))。 | |||
生殖細胞変異原性 | マウス肝臓を用いた小核試験ならびにマウス脾臓を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)の陽性(NITE初期リスク評価書(2008)、IARC 71(1999))報告に基づき、区分2とした。なお、マウス精子を用いた小核試験(同時に実施された骨髄小核試験は陰性で整合性がとれていない)、マウス肺を用いたDNA鎖損傷、切断試験及びラット肝臓を用いたDNA結合試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)で陽性、in vitro試験のエームステスト(NITE初期リスク評価書(2008))、チャイニーズハムスターCHL細胞及びCHO細胞を用いた染色体異常試験(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, No.217(2008)、IARC 71(1999))、マウスリンパ腫L5178Y細胞及びチャイニーズハムスターV79細胞を用いた遺伝子突然変異試験(NITE初期リスク評価書(2008)、IARC 71(1999))で陽性と報告されている。 | |||
発がん性 | 発がん性分類はIARCでグループ2B(IARC 71(1999))、NTPでRAHC(NTP RoC(11th, 2004))、ACGIHでA3(ACGIH-TLV(2010))、EPAでB2(EPA RED(2009))、EUでカテゴリー 2、及び日本産業衛生学会で2B(産衛学会勧告(2010))に分類されていることに基づき区分2とした。なお、マウス、ラット、ハムスターに飲水投与した結果、マウスにおいて顕著な生存期間の短縮とともに、血管、肺、腎臓、肝臓の腫瘍及び肺がん、ラットでは肝臓腫瘍、ハムスターでは血管及び盲腸腫瘍の増加が報告されている(NITE初期リスク評価書(2008))。また、マウス、ラットに6か月間吸入暴露した試験では、本物質に0.12%混入している発がん物質のジメチルニトロソアミンが腫瘍発生に関連している可能性があるが、マウスで血管肉腫及びクッパー細胞肉腫の増加、ラットで肺腺腫、扁平上皮がん、膵島細胞がん、線維性組織球腫、色素嫌性腺腫の増加がそれぞれ報告されている(NITE初期リスク評価書(2008))。 | |||
生殖毒性 | 妊娠ラットの器官形成期に腹腔内投与した発生毒性試験において、最高用量(60 mg/kg/日)で母動物の体重増加抑制、胎児体重減少と吸収胚増加が見られたが催奇形性はなかった(NITE初期リスク評価書(2008))と報告されている。また、雄マウスに腹腔内投与後の精子の形態に及ぼす影響について、異常が増加したとの報告の一方、異常が見られなかったとする報告もあり、相反する結果となっている(NITE初期リスク評価書(2008))。生殖・発生毒性に関して、その他には直接本物質ばく露によるデータはなく、母動物が体重増加抑制を示した高用量でのみ吸収胚増加が認められたが、腹腔内投与のデータであることから「分類できない」とした。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | ヒトへの影響として、濃度不明であるが吸入暴露により呼吸器に対する作用、吐き気、嘔吐、神経学的影響、肺水腫が認められ(PATTY(5th, 2001))、大量の経皮暴露により昏睡し中枢神経系への影響がある(ASTDR(1997))と報告されている。これに基づき区分1(神経系、呼吸器)とした。なお、動物に対する急性暴露による主な症状は嘔吐、痙攣などの神経系への影響であり、肉眼的病理検査では過血糖症や痙攣の二次的な影響と考えられる肺の浮腫や出血が認められた(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, No.217(2008))と報告されている。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 本物質のばく露を受けた労働者の調査例で、血清ALT活性の上昇、肝臓の脂肪変性等の肝臓への影響が報告され(環境省リスク評価第8巻(平成22年))、また、ロケット液体燃料充填作業中にばく露を受けた従業員に肝臓への影響が認められ、46名に血清ALT上昇、この中の26名の肝臓生検により6名に脂肪変性が認められたと(NITE初期リスク評価書(2008))報告されているなど、ヒトでの複数の事例報告に基づき区分1(肝臓)とした。一方、ラット、マウスおよびイヌに反復吸入ばく露した験において、マウスまたはラットでは75 ppm(蒸気)を6〜7週間ばく露(90日換算値:約0.09 mg/L)により、振戦、嗜眠、呼吸困難の症状、イヌに25 ppm(蒸気)を13週間のばく露(90日換算値:約0.06 mg/L)で肺胞出血、肺気腫の症状がそれぞれみられ(環境省リスク評価第8巻(平成22年))、用量はガイダンス値区分1に相当することから、区分1(神経系、呼吸器系)とした。さらに、イヌに5 ppmを26週間のばく露で軽度の貧血、脾臓のヘモジデリン沈着の所見(環境省リスク評価第8巻(平成22年))があり、ヒトで長期または反復ばく露すると、血液に影響を与え、貧血を起こすことがあるとの記載(環境省リスク評価第8巻(平成22年))により、区分1(血液)とした。以上より、分類結果は区分1(肝臓、神経系、呼吸器系、血液)となる。 | |||
誤えん有害性* | データなし。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50=1.3mg/L(環境省生態影響試験、2009)であることから、区分2とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急性毒性区分2であり、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存点検, 2000))ことから、区分2とした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1163 | |||
品名(国連輸送名) | ジメチルヒドラジン(非対称形のもの) | |||
国連分類 | 6.1 | |||
副次危険 | 3、8 | |||
容器等級 | T | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 131 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 特定化学物質第2類物質、特別有機溶剤等(特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2号、第3の2号、第3の3号) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号) 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達) 作業環境評価基準(法第65条の2第1項) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)( 令和4年度分までの対象) | |||
毒物及び劇物取締法 | 毒物(指定令第1条) | |||
消防法 | 第5類 第二種自己反応性物質(法第2条第7項危険物別表第1・第5類)【ヒドラジンの誘導体】 | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
海洋汚染防止法 | 個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示) | |||
船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |