1.化学物質等及び会社情報 | |||
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化学物質等の名称 | 2,3‐エポキシ‐1‐プロパノール、(2,3-Epoxy-1-propanol) | ||
製品コード | 21B3086 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
メールアドレス | |||
推奨用途及び使用上の制限 | ビニル樹脂製造時の安定剤、グリセリン、グリシジルエーテル、グリシジルアミン合成の中間原料、合成油圧油添加剤、エポキシ樹脂希釈剤 (Merck(14th, 2006)) | ||
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 | H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用 |
物理化学的危険性 | 火薬類 | 分類対象外 | |
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可燃性・引火性ガス | 分類対象外 | ||
可燃性・引火性エアゾール | 分類対象外 | ||
支燃性・酸化性ガス類 | 分類対象外 | ||
高圧ガス | 分類対象外 | ||
引火性液体 | 区分4 | ||
可燃性固体 | 分類対象外 | ||
自己反応性化学品 | 分類できない | ||
自然発火性液体 | 区分外 | ||
自然発火性固体 | 分類対象外 | ||
自己発熱性化学品 | 分類できない | ||
水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | ||
酸化性液体 | 分類対象外 | ||
酸化性固体 | 分類対象外 | ||
有機過酸化物 | 分類対象外 | ||
金属腐食性物質 | 分類できない | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | |
急性毒性(経皮) | 区分4 | ||
急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | ||
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | ||
急性毒性(吸入:粉じん) | 分類対象外 | ||
急性毒性(吸入:ミスト) | 分類できない | ||
皮膚腐食性・刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 | 区分2A | ||
呼吸器感作性 | 分類できない | ||
皮膚感作性 | 分類できない | ||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
発がん性 | 区分1B | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | 区分1(中枢神経系、呼吸器系) | ||
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | 区分2(中枢神経系、脾臓、精巣) | ||
吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | ||
環境に対する有害性 | |||
分類実施日 | 急性毒性:H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用 | ||
慢性毒性:H18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10)を使用 | |||
水生環境急性有害性 | 区分3 | ||
水生環境慢性有害性 | 区分外 |
ラベル要素 | |||
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絵表示又はシンボル | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 可燃性液体 | ||
飲み込むと有害 | |||
皮膚に接触すると有害 | |||
吸入すると有毒 | |||
皮膚刺激 | |||
強い眼刺激 | |||
遺伝性疾患のおそれの疑い | |||
発がんのおそれ | |||
生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い | |||
中枢神経系、呼吸器系の障害 | |||
長期にわたる、または、反復ばく露により中枢神経系、脾臓、精巣の障害のおそれ | |||
水生生物に有害 | |||
注意書き | |||
【安全対策】 | |||
炎や高温のものから遠ざけること。−禁煙。 | |||
適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
取扱い後はよく手を洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
適切な保護手袋、保護衣を着用すること。 | |||
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
適切な個人用保護具を使用すること。 | |||
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
【応急措置】 | |||
火災の場合には適切な消火方法をとること。 | |||
飲み込んだ場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
飲み込んだ場合、口をすすぐこと。 | |||
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。 | |||
皮膚に付着した場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
吸入した場合、医師に連絡すること。 | |||
皮膚に付着した場合、皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯すること。 | |||
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | |||
眼に入った場合、眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
ばく露またはばく露の懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
ばく露した場合、医師に連絡すること。 | |||
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
【保管】 | |||
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 | |||
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
施錠して保管すること。 | |||
【廃棄】 | |||
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。 | |||
国・地域情報 | |||
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質 | |||
化学名又は一般名 | 2,3‐エポキシ‐1‐プロパノール | ||
別名 | グリシドール (Glycidol)、オキシランメタノール、(Oxiranemethanol) | ||
分子式 (分子量) | C3H6O2(74.08) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 556-52-5 | ||
官報公示整理番号(化審法・安衛法) | (2)-2389 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
医師に連絡すること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | ||
多量の水と石鹸で洗うこと。 | |||
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 | ||
気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
予想される急性症状及び遅発性症状 | 吸入:咳、咽頭痛、めまい、し眠 | ||
皮膚:発赤 | |||
眼:発赤、痛み | |||
経口摂取 : 腹痛、下痢、吐き気、嘔吐 | |||
最も重要な兆候及び症状 | 許容濃度をはるかに超えると、意識低下を引き起こすことがある。 | ||
応急措置をする者の保護 | データなし | ||
医師に対する特別注意事項 | ばく露の程度によっては、定期検診を勧める。 | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水、水噴霧 | ||
特有の危険有害性 | 熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。 | ||
激しく加熱すると燃焼する。 | |||
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | |||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
容器が熱に晒されているときは、移動させない。 | |||
安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | |||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具および緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。 | ||
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 | |||
関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
密閉された場所に立入る前に換気する。 | |||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
回収・中和 | 不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 | ||
封じ込め及び浄化方法・機材 | 危険でなければ漏れを止める。 | ||
二次災害の防止策 | すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 | ||
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 | ||
局所排気・全体換気 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 炎や高温のものから遠ざけること。−禁煙。 | ||
取扱い後はよく手を洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
皮膚との接触を避けること。 | |||
飲み込まないこと。 | |||
眼に入れないこと。 | |||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管 | |||
技術的対策 | 消防法の規制に従う。 | ||
混触危険物質 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管条件 | 容器を密閉して冷乾所にて保存すること。 | ||
炎や高温のものから離して保管すること。−禁煙。 | |||
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 | |||
施錠して保管すること。 | |||
容器包装材料 | データなし | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 (労働安全衛生法第28条第3項・基発第0331008号(平成18年3月31日)に基づく基準濃度として2ppm) | ||
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標) | |||
日本産衛学会 | 未設定 (2009年版) | ||
ACGIH | TWA 2ppm (2009年版) | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 | ||
ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。 | |||
保護具 | |||
呼吸器の保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 無臭 | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | -45℃ : ICSC(J) (2005)、Lide (88th,2008) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 66℃ (2.5mmHg) (DL体) : Merck (14th, 2006) | ||
引火点 | 72℃ (密閉式.) : ICSC(J) (2005) | ||
自然発火温度 | 415℃ : ICSC (J) (2005)、Ullmanns (E) (6th, 2003)、ホンメル (1996) | ||
燃焼性(固体、ガス) | データなし | ||
爆発範囲 | データなし | ||
蒸気圧 | 120Pa (25℃) : ICSC(J) (2005) | ||
蒸気密度 | 2.15 : HSDB (2009) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
比重(密度) | 1.1143 (25,4℃) : Merck (14th, 2006) 1.115 g/cm3 (20℃/4℃) : Ullmanns (E) (6th, 2003) | ||
溶解度 | 水 : 1.00X10^6 mg/L (20℃) (測定値) : SRC (Access on May 2009) | ||
脂肪族炭化水素 : 不溶 : 溶剤ポケットブック (1994)、アルコール、エーテル、アセトン、ベンゼン : 可溶 : 溶剤ポケットブック(1994) | |||
オクタノール・水分配係数 | logP=-0.95 PHYSPROP Database (2005) | ||
分解温度 | 166℃ : ICSC (J) (2005) | ||
粘度 | 4mPa・s (20℃) : Ullmanns (E) (6th, 2003) | ||
粉じん爆発下限濃度 | データなし | ||
最小発火エネルギー | データなし | ||
体積抵抗率(導電率) | データなし | ||
10.安定性及び反応性 | |||
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安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
危険有害反応可能性 | 重合することがある。強酸、強塩基、金属塩や金属と接触すると分解し、火災や爆発の危険をもたらす。 プラスチック、ゴムを侵す。72℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。 | ||
避けるべき条件 | 72℃以上 | ||
混触危険物質 | 強酸、強塩基、金属塩や金属 | ||
危険有害な分解生成物 | データなし | ||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値 850 mg/kg , 760 mg/kg(雄), 640 mg/kg(雌) (いずれもPATTY(5th, 2001))、550 mg/kg(DFGOT vol.20(2003))に基づき、区分4とした。 | ||
経皮 | ウサギのLD50値1980mg/kg(ACGIH(2001))に基づき、区分4とした。 | ||
吸入 | 吸入(ガス): | GHSの定義における液体である。 | |
吸入(蒸気): | ラットのLC50値 580 ppm/8h = 820 ppm/4h (ACGIH(2001))および500 ppm/8h = 707 ppm/4h (DFGOT vol.20(2003))に基づき、区分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(1188 ppm)の90%より低いので気体の基準値(ppmV)で分類した。 | ||
吸入(ミスト): | データなし | ||
皮膚腐食性・刺激性 | ウサギを用いた試験で、中等度の刺激性(moderately irritating)(ACGIH (2001),PATTY (5th, 2001) )および刺激性スコア4.5(最大値8.0)(PATTY (5th, 2001))の結果に基づき、区分2とした。なお、EU分類ではXi; R36/37/38である(EU-Annex I (access on may 2009))。 | ||
眼に対する重篤な損傷・刺激性 | ウサギの眼に適用した試験で、重度であるが可逆的な角膜障害を起こしたとの記述(ACGIH (2001)、PATTY (5th, 2001))に基づき、区分2Aとした。なお、EU分類ではXi; R36/37/38である(EU-Annex I (access on may 2009))。 | ||
呼吸器感作性又は皮膚感作性 | 呼吸器感作性:データなし | ||
皮膚感作性:データなし | |||
生殖細胞変異原性 | マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験、ラットおよびマウスに腹腔内投与による染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)の陽性結果(DFGOT vol. 20 (2003))に基づき区分2とした。なお、in vitroでは、Ames試験、マウスリンフォーマ試験、CHO細胞およびヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(DFGOT vol.20 (2003))でいずれも陽性結果(DFGOT vol.20 (2003)、ACGIH (2001))が報告されている。 | ||
発がん性 | IARCでグループ2A(IARC77 (2000))、日本産業衛生学会で第2群A(産衛学会勧告(2008))、EUでカテゴリー2(EU-Annex 1 (access on May 2009))と分類されていることに基づき、区分1Bとした。動物試験においては、ラットを用いた103週間経口投与試験で、雌雄ともに脳の神経膠腫と前胃腫瘍の発生増加がみられ、雄では精巣鞘膜/腹膜の中皮腫および腸、皮膚、甲状腺、ジンバル腺の腫瘍が増加し、雌では陰核腺、乳腺、口腔粘膜の腫瘍および白血病が増加した。マウスを用いた103週間経口投与試験では、雌雄ともにハ-ダー腺の腫瘍が増加し、雄では前胃、肺、肝臓、皮膚に、雌では乳腺と皮下組織に腫瘍の増加がみられた(IARC vol.77(2000))。104週間吸入試験ではラットの雄では、鼻腔腫瘍と腹膜腫瘍の顕著な発生増加、雌では、鼻腔腫瘍と子宮腫瘍の発生増加が認められ、この結果は2,3-エポキシ-1-プロパノールのF344/DuCrj(Fischer)ラットの雌雄に対するがん原性を示す明らかな証拠と考えられた。マウスでは、雄に鼻腔腫瘍、皮下組織腫瘍および末梢神経腫瘍の発生増加、雌に鼻腔腫瘍、子宮腫瘍および乳腺腫瘍の発生増加が認められ、この結果は2,3-エポキシ-1-プロパノールのCrj:BDF1マウスの雌雄に対するがん原性を示す明らかな証拠と考えられた。(厚生労働省がん原性試験(2002))。厚生労働省では健康障害を防止するための指針を出している(厚生労働省指針(2006))。 | ||
生殖毒性 | マウスを用いた試験で、投与経路の記載はないが、親への最大耐量の投与で、吸収胚,胎児の死亡や異常の増加が報告されている(IARC 77 (2000))ことから区分2とした。ラットの妊娠13日目に羊膜腔内投与により、胎児死亡、前肢および後肢の奇形の発生が有意に増加した(DFGOT vol. 20 (2003))が、通常の投与経路に比べばく露濃度が極めて高くなっていると考えられ、分類の根拠とはしなかった。 | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | マウス及びラットの急性経口毒性試験(LD50: ラット850 mg/kg、マウス450 mg/kg)において、中枢神経系抑制に続き筋肉の振戦と顔面部筋肉の攣縮を伴う音に対する過敏反応を呈し、最終的に痙攣を示す動物も観察されている(PATTY (5th, 2001))。また、ウサギの急性経皮毒性試験(LD50: 1980 mg/kg)およびラットとマウスを用いた急性吸入毒性試験(蒸気:LC50値4時間換算1.36〜1.78 mg/L)の所見にも中枢神経系への影響が明記されている(DFGOT vol.20 (2003)、PATTY (5th, 2001))。さらに吸入毒性試験の場合には肺への刺激、肺炎、肺気腫の所見(PATTY (5th, 2001)、ACGIH (2001))が記載されている。以上の有害影響はLD50値(LC50値)付近またはそれ以下で発現したと推定され、吸入LC50値の用量が区分1に該当しているので、区分1(中枢神経系、呼吸器系)とした。 | ||
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | ラットおよびマウスの13週間経口投与試験(NTP TR374 (1990))、マウスの16日間投与試験(NTP TR374 (1990))の各所見において、脳の脱髄、小脳の壊死(ラット)の記載があり、マウスの16日間投与では300 mg/kg/day(90日補正:53.3 mg/kgday)の用量で発現している。また、ラットおよびマウスの13週間経口投与試験(NTP TR374 (1990))、マウスの40週間経口投与試験(NTP GMM-13(2007))、ラットの16日間投与試験(NTP TR374 (1990))に各所見おいて、精巣上体支質の変性、精巣萎縮、精巣上体の肉芽性炎、精子数や運動性の低下など精巣への影響が記載され、ラットの13週間投与で100 mg/kg/day以上、マウスの13週間投与で19 mg/kg/day以上で認められている。さらにラットの2年間経口投与試験(37.5〜75 mg/kg/day)では雌雄ともに脾臓の線維化が見られたと報告されている。以上の結果より、有害影響はいずれもガイダンス値範囲区分2に相当する用量以上で発生していることから、区分2(中枢神経系、精巣、脾臓)とした。資料の優先度の変更及び新たなデータの追加により、肝臓は削除し、精巣を追加した。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし | ||
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
水生環境急性有害性 | 藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)での96時間EC50 = 53310μg/L(AQUIRE, 2010)であることから、区分3とした。 | ||
水生環境慢性有害性 | 急速分解性があり(BODによる分解度:85%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=-0.95(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。 | ||
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | |||
---|---|---|---|
国際規制 | |||
海上規制情報 | IMOの規定に従う。 | ||
UN No. | 2810 | ||
Proper Shipping Name. | TOXIC LIQUID, ORGANIC, N.O.S. | ||
Class | 6.1 | ||
Packing Group | L | ||
Marine Pollutant | Not Applicable | ||
航空規制情報 | ICAO・IATAの規定に従う。 | ||
UN No. | 2810 | ||
Proper Shipping Name. | Toxic liquid, organic, n.o.s. | ||
Class | 6.1 | ||
Packing Group | L | ||
国内規制 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | ||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | ||
国連番号 | 2810 | ||
品名 | その他の毒物(有機物)(液体) | ||
クラス | 6.1 | ||
容器等級 | L | ||
海洋汚染物質 | 非該当 | ||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | ||
国連番号 | 2810 | ||
品名 | その他の毒物(液体) (有機物) | ||
クラス | 6.1 | ||
等級 | 3 | ||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | ||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | |||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | |||
重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 153 | ||
15.適用法令 | |||
---|---|---|---|
化審法 | 第2種監視化学物質(法第2条第5項)(政令番号:2監-1060) | ||
労働安全衛生法 | 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達) | ||
健康障害防止指針公表物質(法第28条第3項・厚労省指針公示) | |||
名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(政令番号:1-55) | ||
消防法 | 第4類引火性液体、第三石油類水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | ||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1) | ||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1) | ||
16.その他の情報 | |||
---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 |